2008年最強仕様のハイエンドゲーマーPCならこれで決まりっ!+D Shopping バイヤーズガイド(1/2 ページ)

» 2008年02月12日 11時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

最強CPU「Core 2 Extreme QX9650」搭載モデル製品が多数

 2008年初頭のゲーマー向けハイエンドPCのCPUとなると、最上位モデルとなる「Core 2 Extreme QX9650」は外せない。最新の45ナノメートルプロセスルールを用いたクアッドコアのCPUで、動作周波数は3.0GHzとなる。ショップブランドPCでも多くのフラッグシップモデルがこのCPUを搭載している。

 一方、AMDの最新クアッドコアCPU「Phenom」を搭載したショップブランドPCも少ないながらも登場している。ただ、現時点の最上位モデルはPhenom 9600(動作クロック2.3GHz)にとどまり、ゲームPCのラインアップとしてハイエンドではあるものの、エンスージアストハイエンドにはもう一歩届かないという印象になる。より高クロックなPhenomや、FXシリーズの登場が待たれる(TLBのバグフィックスが施されたB3ステップ待ちであるが)。現時点におけるAMD製CPUのメリットは全体的に価格が抑えめになっていることだ。CPUにかけるコストをある程度抑えて、その分、GPUに予算を回すというテクニックも有効だろう。

 ショップブランドPCというと、組み合わせが多岐にわたるBTOが魅力だが、複数のブランドでは、Core 2 Extreme搭載モデルを“特別扱い”のラインアップにして、ほかのCPUが選べないケースもある。その一方で、通常のラインアップモデルでもCore 2 Extremeが選択できたりする場合があるので、Core 2 Extreme搭載モデルを購入したいユーザーは、“特別モデル”と同時に通常のラインアップも確認して損はない。パーツ構成のプランニングはショップブランドPCの妙味でもあるので、いろいろ検討して楽しんでいただきたい。

将来性のDDR3か、コスト重視のDDR2か

 ハイエンドゲームPCで最も多く使われているチップセットは、現在のところIntel X38 Expressといっていい。このインテル最上位チップセットのメリットは、45ナノプロセス採用の最新CPUへの対応や、インテル製という信頼性が挙げられる。ゲームユーザーとしては、PCI Express 2.0に対応した2本のPCI Express x16スロットを搭載している点も捨てがたい。ただ、使うメモリに関しては購入時に注意をしておかなければならない。Intel X38 Express搭載マザーボードには、最新のDDR3メモリが使えるものもあれば、従来のDDR2メモリを採用する製品もある。メモリの動作周波数で、DDR3はDDR2メモリを追い抜いているが、単価が大変高い。DDR3メモリを採用したモデルとDDR2メモリを採用したモデルとでは、当然ながらかなりの価格差が出てくる。

 インテル製CPU向けのチップセットでは、NVIDIAのnForce 780i SLIに注目したい。3本のPCI Express x16スロットをサポートするだけでなく、GeForce 8800 GTX、またはGeForce 8800 Ultraを用いた3-way NVIDIA SLIが構築できる。ゲームパフォーマンスという視点で考えれば、この構成は現時点で最強だろう。AMD製CPUに対応したチップセットでは、「AMD 790FX」が最新のハイエンドモデルになる。Phenomに対応しているはもちろんのこと、最大4本のPCI Express x16スロットを使ったマルチGPU技術「CrossFireX」を利用できる(4GPU構成によるCrossFireXはドライバの対応待ち)。

 メモリに関してはもう1つ注意しておきたいことがある。特にウルトラハイエンドモデルでチェックしておきたいのがメモリの品質だ。高クロックのCPUを搭載して重い負荷を与えるゲームタイトルをギュンギュン走らせるなら、信頼度の高いメモリを組み込んでおきたい。技術力のあるショップブランドなら十分検証して搭載するメモリを選んでおり、独自の信頼基準を掲げていたり、モジュールメーカー名だけでなく型番も表記していたり、と各社がメモリの品質を競っている。価格に反映されてしまうところではあるが、動作の安定性に影響する重要なポイントとして確認しておきたい。

人気のGeForce 8800シリーズ、でもRadeonも捨てがたい

 グラフィックスカードでは、GeForce 8800シリーズを標準構成としているモデルが多い。ハイエンドのGeForce 8800 GTX、コストパフォーマンスが高いGeForce 8800 GTに加え、最新のGeForce 8800 GTS 512Mなどラインアップも充実している。注意したいのは“GeForce 8800 GTS”で、一部のモデルでG80世代のGeForce 8800 GTSを用意していることがあるので間違えないようにしたい。グラフィックスメモリの容量で新旧が区別できるので、ここは慎重にチェックしよう。

 Radeonファミリーでは、登場したばかりのRadeon HD 3870 X2を搭載したモデルが早くもラインアップされている。1枚の基板に2つのGPUを搭載したモデル、Radeon HD 3870を2枚使ったCrossFire構成と比べて、性能や消費電力のメリットが高い。現時点における実質的な意味はそれほどないが、将来性という意味で「DirectX 10.1」のサポートも気になるところだ。

 GeForceシリーズのグラフィックスカードを利用してNVIDIA SLIを構築する場合、インテルプラットフォームでもAMDプラットフォームでも、チップセットはnForceシリーズに限られる。Intel X38 Expressマザーボードを組み込んだPCではNIDIA SLIはあきらめるほかない。RadeonシリーズでCrossFireXを構築したいなら、AMD製CPUを選択するならAMD 790FX、インテル製CPUであればIntel X38 Express、と選択に幅がある。グラフィックスカードの増設を予定しているなら、こうしたGPUとチップセットの組み合わせも考慮しておきたい。

知識がなくてもオーバークロックが設定できる「インテリマザー」を採用する

 eX. COMPUTERが扱っている「GIGABYTE EAGLES」は、USBメモリ風のモジュールをマザーボードに装着すると、事前に設定済みのオーバークロック状態で動作するようになる。ギリギリにチューニングした場合と比べて定格からの差はそれほど極端でないが、ベンダーが保証するオーバークロック設定を、熟練のオーバークロッカーでなくても気軽に利用できるのは評価できる。オーバークロック状態でも安定した動作を保証するために、マザーボード、グラフィックスカード、電源、そして冷却ユニットまでGIGABYTE製で統一された。水冷ユニットを導入しているので、面倒な組込み作業をしなくて済む。

 そのほかでも、自動オーバークロック機能が実装されたマザーボードを組み込んでいるモデルは多い。採用しているマザーボードはショップによって異なるが、ASUSの「MAXIMUS FORMULA/SE」のように、単体でも4万円という高価なパーツを使っていたり、固体コンデンサの100%利用や、CPU電源回路のフェーズ数、あるいはCPU電源回路をアピールしているので、ここもチェックしておこう。

イマドキのハイエンドモデルなら余裕のある電源を選びたい

 電源ユニットは、ハイエンドグラフィックスカードを組み込んでいても「1枚」であれば550ワットクラスで対応できる。ショップブランドPCの標準構成で見ても、ハイエンドGPUモデルで搭載する電源ユニットが580ワットというケースがある。ただし、「ゆくゆくはウルトラハイエンドGPUを搭載したい」「グラフィックスカードを“増設”したい」という場合には800ワット以上の電源ユニットが組み込まれているかチェックしておこう。次世代のグラフィックスカードはさらに消費電力が高くなる可能性があるので、余裕を持った電源ユニットを選ぶのが望ましい。

 電源ユニットで注意しておきたいのが出力コードのピン形状とその数だ。Radeon HD 3870 X2では8ピン+6ピン、GeForce 8800 GTXと同 Ultraでは6ピン+6ピンのPCI Express用電源コネクタが必要になる。NVIDIA SLIやCrossFireXを構築する場合、毎数分のコネクタを用意しなければならないので、搭載する電源ユニットが必要なコネクタをそろえているのかチェックしよう。

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