表計算ソフトウェア「三四郎2008」の新機能は、ずばり「カード型編集」だ。三四郎のワークシートをデータベースとして利用するときに便利な機能で、実際に使ってみると随所に工夫が施されていて、なかなか使いやすい。
三四郎2008のワークシートでカード型編集を行うと、左下の画面のように先頭行が見出しとなり、以下1行につき1件ずつのデータをカード型で表示して編集できる。このダイアログはサイズが可変で、変更したサイズを記憶してくれる。データの並び替えや絞り込みは、ドロップダウンリストからアイテムを選択するだけの簡単操作だ。三四郎のワークシートを使って、住所録や商品台帳などを作成するときに、とても役立つ機能といえるだろう。
同様の機能はExcelにもある。Excel 2007ではメニューから選べなくなってしまっているが、Excel 2003では範囲を指定してから「データ」→「フォーム」コマンドで行える。比較すると、ダイアログのウィンドウサイズを自由に設定できる点や、検索や絞り込みの条件設定などの部分で、三四郎が優れている印象だ。
そのほか三四郎2008では、テンプレートが大幅に追加されたのもトピックだ。旧バージョンでは29点だったが、新バージョンでは70点に増加した(うち製品に添付されるのは50点で、残りの20点はユーザー登録特典での提供)。
プレゼンテーションソフトウェア「Agree 2008」の強化ポイントは、なんといっても、搭載されるイラストの増強だ。旧バージョンの980点から、何と約1万5000点に増加した。種を明かすと、花子の部品のすべてがPNGファイルとして収録されているのだ。したがって、その内容は吟味されており、日本のビジネスマンに必要なイラストが網羅されているといっても過言ではないだろう。デザインテンプレートも、これまでの101点から118点に増えている。
新バージョンのユニークな機能として、「めくり機能」「スポットライト機能」「大きなマウスポインタ」の3つを紹介しておきたい。「めくり機能」は付せんをめくるように、クリックするとはがれる図形を作成する機能だ。「スポットライト機能」と「大きなマウスポインタ」は、どちらもマウスポインタを変形させて注目させたい部分を強調するもの。「大きなマウスポインタ」の形状は、Ctrl+数字キーに割り当てられている。マウスポインタの自動オン/オフと組み合わせると、オブジェクトアニメーションよりも、さらに強力に使うことが可能だ。これらは、PowerPointにはない機能なので、プレゼンテーション時の効果は大きいだろう。
そのほか、Flashアニメーションを埋め込むことができるようになった。「挿入」メニューからコマンドを選ぶだけなので、PowerPointのように「コントロールを埋め込む」といった特別な知識が不要なのがありがたい。もちろん、PowerPointとのデータ互換性の向上や、ユーザーインタフェースの共通化など実用面での強化も見逃せない。
そして統合グラフィックスソフトウェア「花子2008」では、「文字入力ウインドウ」の操作性向上に注目したい。具体的には、「オートマーカー」と「オートレイアウト」と呼ばれる2つの機能が導入された。
「オートマーカー」というのは、文字入力ウインドウでも図面上でも、自由に行き来して意識せずに文字入力するための機能だ。この機能をオンにしておくと、文字入力ウインドウをクリックしたときに、自動的に「図形の選択(文字入力)」ツールが選択され、図面上の自由な位置にマーカーを設定できる。そして、この状態で文字を入力すれば、文字入力ウインドウの該当位置に文字が表示されていく。
これまでは、図面上の指定位置に対応させる文字入力が面倒だったのだが、新バージョンではマウスのクリック→キー入力という自然な流れで可能になった。
一方の「オートレイアウト」は、文字入力ウインドウでの編集を図面にどのように反映させるかの設定だ。旧バージョンでは、文字列を挿入すると、下側にある図形を押し下げたが、文字列を削除しても図形の引き上げは行われなかった。新バージョンでは、押し下げだけでなく、引き上げにも対応し、「オートレイアウトの設定」ダイアログで、「間隔」の設定や、「押し下げの方法」の動作基準、「対象プレーン」の指定など、詳細な設定ができるようになっている(旧バージョンでは、押し下げるかどうかを選択できるだけだった)。
新しいところでは、「図形効果」機能が追加された(従来の「図形効果」機能は「地図効果」に名称変更)。「ドロップシャドウ」「光彩」「反射」の3種類だ。前述のAgree 2008と同様、イラストコンテンツは1167点が追加されて15021点に、テンプレートも16点加わった。
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