インテル、Silverthorneの概要を紹介

» 2008年02月22日 11時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は、同日発表したデジタルコンテンツ配信ソリューションについて紹介。家庭内に普及した多種多様なデジタル機器向けのコンテンツ配信サービスの現状について、機器ごとに異なる規格を採用しているため、それぞれの機器に対応した独立したサービスが乱立し、ユーザーの利用が困難になっていると述べた上で、アーキテクチャを統一してデバイス間をシームレスにすることでユーザーの使いやすさは向上し、コンテンツの提供者にもメリットがあると説明した。

 会場では、2007年に行われたインテルのイベントでも紹介されたクイックサンのTVシステム「ROBRO」による、TV番組とWebページのシームレス操作や、携帯電話で“権利”を購入したコンテンツを使ってROBROにダウンロードして視聴するデモが行われた。

ROBROでは、Webページのすべてのリンクに3桁のコード番号を自動で割り当て、リモコンでコード番号を入力するだけという「TV感覚」の操作が可能になる
インテルが発表したデジタルコンテンツ配信ソリューションでは、配信にセキュアでコストがかからないドリームボートのP2P技術や、ユーザーの利便性を向上させるフェイスの権利管理技術が利用される

 インテル技術本部技術部長の土岐英秋氏は、先日正式に発表されたSkulltrailと、2008年のQ2に登場する予定の「Silverthorne」を紹介した。

 「普通のPCユーザーというより、コンテンツクリエーターやハイエンドゲームユーザーといった高い性能を求めるユーザー」を想定していると土岐氏が語るSkulltrailは、Intel 5400チップセットを搭載したインテルのマザーボード「D5400XS」を基幹とした構成で、CPUにはクアッドコアのCore 2 Extreme QX9775を2つ利用でき、グラフィックス環境も4つのPCI Express x16を使ったマルチGPU技術「NVIDIA SLI」「CrossFireX」に対応する。その高いパフォーマンスはすでにレビューでも紹介されている。

D5400XSはLGA771対応のCPUソケットを2つ、FB-DIMMも8Gバイトまで実装可能。ただし、そのため、フル装備状態のシステムは「高額になる」と土岐氏も認めている
説明会で示されたIntel X48 Express基幹のシステムとSkulltrail基幹のシステムのパフォーマンス比較。土岐氏は「通常のユーザーはIntel X48 Expressのシステムで十分だが、それ以上のパワーが必要なユーザーのためにSkulltrailがある」と語った

 Silverthorneは、先日行われたISSCCでその概要の一部が明らかにされたが、土岐氏は、ハイパースレッドと同じマルチスレッディング技術である「デュアルインオーダーパイプライン発行」技術の採用や、“Dothan”コアの超低電圧版Pentium MのTDPと比べて10分の1に削減される消費電力など、Silverthorneに採用される技術について紹介した。低消費電力を可能にする電力管理機能では、45ナノプロセスを採用した“Penryn”コアでも導入されたDeep Power Downと呼ばれるC6ステートなどで、L2キャッシュレベルの電力供給カットも行うと説明している。

Silverthorneは、ソフトウェアレベルでCore 2 Duoと完全互換を実現している。45ナノプロセスや「Sea-of-FUBsチップレイアウト」を導入した超小型のCPUで、そのダイサイズは「ひまわりのたねぐらい」(土岐氏)
インテル マーケティング本部長の江田麻季子氏は、2008年に行われたブランドアップデートの内容を説明した。5系統あったブランドを4系統にまとめ、「Core 2」の名前をアピールするとともに、ビジネス向けのCentrinoでは「vPro」を付加してユーザーにより分かりやすいネーミングに変更された

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