システムに搭載されたメモリ容量が4Gバイトあっても、32ビット版Windows Vistaでは3.25Gバイト程度しか利用できない。そのため、これまでは最大搭載メモリが3.25Gバイトと表示されていたが、SP1では4Gバイトと表示されるようになった。ただし、この機能を使うためにはBIOSが対応している必要がある。
exFATは、Windows Enbedded CE6.0で採用されたフラッシュドライブ向けファイルシステムだ。FAT32と比較してファイルサイズ制限が4Gバイトから約160億Gバイトに緩和されているほか、速度に関しても向上している。
ただし、FAT32との互換性はないため、exFATでフォーマットしてしまうとWindows XPはおろか、SP1適用前のWindows Vistaでも読み込むことができなくなるうえに、ReadyBoostのキャッシュとしても使用できなくなる。普及帯のフラッシュドライブが上限4Gバイトあたりであることを考えると現時点では速度以外にメリットを見出すことは難しい。互換性を犠牲にするだけの見返りは薄いようだ。
HD DVD/Blu-rayドライブの専用アイコンが追加された。これによってメディアの種類が判別できるようになった。
グループポリシー管理画面(gpmc.msc)は削除された。Windows VistaはWindows Server 2008と共通部分が多く、相互にフィードバックなどが反映されている。Windows Server 2008で新しいバージョンのグループポリシー管理画面がリリースされるまでWindows Vistaでは使用できなくなる。
SP1では正常に動作しないプログラムがいつかある。ほとんどは日本では利用されていないアンチウイルスソフトだが、富士通製ノートブックPCに搭載されている「Fujitsu Shock Sensor」も動作しない(起動がブロックされる)。こちらは富士通のサイトでSP1対応版が配布されているのでアップデートする必要がある。
そのほかにはNYT Reader(NewYork Times Reader)で右クリックすると動作が停止するという障害も報告されている。
新規インストール時に作成するユーザに対して、パスワードヒントの入力が必須となった。ただし、インストール後のユーザアカウント追加では特に変更はない。
Windowsの問題などをフィードバックするWindowsカスタマエクスペリエンス向上プログラムの参加を再びうながすようになった。もちろん、いったん拒否すればその後は表示されなくなる。
新規ハードウェア/標準への対応は、802.11nのサポートを除けば、ほとんどがまだ普及していない規格や未発売の製品に対するものばかりだ。Direct3D 10.1、SDカードの高速転送モード「ADMA」、EFIに関するサポートの強化などが挙げられるが、いまの時点で恩恵を受けることは少ないだろう。
これは特筆すべき点ではないが、ややまぎららわしいのであえてここで取り上げる。「Windows Vista Service Pack 1 (SP1) における主要な変更内容」に「64ビットバージョンのWindows Vistaを32ビットOSからインストールできるようにすることで、OSの展開を強化します」という記述がある。「Notable changes in Windows Vista SP1」では、「Improves OS deployment by enabling 64-bit versions of Windows Vista to be installed from a 32-bit OS.」となっているが、ここで言う「32ビットOS」は「32ビット版Windows Vista」ではなく、Windows PEであることに注意してもらいたい。32ビット版Windows Vistaから64ビット版へのアップデートに関してはいままで通り新規インストールになる。
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