Antecの「Mini P180」に自作スキルを試された“干渉”との戦い(1/2 ページ)

» 2008年03月28日 12時20分 公開
[古田雄介,ITmedia]
3年間使い続けたPCケース。側面パネルを外して使っていたため、内部にホコリがたまっている

 長らくPCケースを買い替えないでいると、最新の製品を導入したとき、性能の高さに驚かされることになる。筆者の場合、PCパーツショップの3000円均一セールで購入した、どこのメーカーとも分からないPCケースを3年間使い続けていた。机の下に置いていたので特に気にならなかったが、部屋の模様替えをして机の上に乗せるようになると、そのチープなたたずまいに買い替えを検討せずにはいられない心境になる。

 そこにちょうどAntecのミニタワーケース「Mini P180」が編集部から送られてきた。「しばらく使っていいよー」とのことだったので、これを機に古いケースから卒業すべく、パーツを総引っ越しすることにした。

 Mini P180は212(幅)×436(奥行き)×435(高さ)ミリのコンパクトなケースで、ミドルタワーケース「P180」の設計コンセプトを踏襲しており、電源ユニットベイを底部に置くデュアルチャンバー構造を採用している。マザーボードは、microATXサイズに対応するが、5基の3.5インチシャドーベイと3基の5インチベイ(うち1基は3.5インチベイに変換可能)を備えるなど、拡張性は高い。

 シャーシはスチール製で頑丈な作りとなっており、側面パネルはアルミをプラスチックで挟んだ手触りの優しい仕上げにするなど、素材を上手く組み合わせている。また、3.5インチベイ部分や背面ブラケットに通気口を設けたうえ、背面に12センチファン、上面に20センチファンを搭載しており、効率的なエアフローが得られるデザインだ。

Antec「Mini P180」(写真=左)。フロントドアを開けたところ。3.5インチベイの通気口もプッシュボタンで簡単に開閉できる(写真=中央)。本体背面。底部に電源ユニットを設置する構造は、排熱の面からも有利だろう(写真=右)

“干渉”との戦いに苦心するのも一興だ

 Mini P180は小型化しながらも高級ATXケースの機能性を可能な限り継承している。このため、内部スペースに遊びの部分がほとんどなく、各パーツの相互干渉に頭を悩ませることも少なくなかった。あらかじめパーツを接続していく順番を決めておいたほうがいいだろう。

 まずは2台のHDDマウントをはずし、マザーボードを固定する。写真で分かる通り、microATXマザーがぴったり収まる仕様のため、拡張カードを差す場合は、事前に電源コネクタやUSBコネクタなどを接続しておかないと、あとで苦労することになる。

Mini P180の側面。5インチベイは最上段に1基と、下段に2基ある。付属の変換トレイを装着することで、3基のうち1基を3.5インチベイとして利用できる(写真=左)。3.5インチシャドーベイはマウントごと引き出せる。上段のマウントは、HDDを横に並べて(HDD背面から見て川の字になる)最大3台まで収納可能。下段はHDD平置きで2台入れられる(写真=中央)。microATXマザーを装着したところ。ファンの張り出しがあるため、HDDマウントを外さないと作業しにくい。ちなみに、マザーボードはBIOSTARの「TA690G AM2」を使った(写真=右)

 マザーボードや各ドライブの電源ケーブルを配置するため、次は電源ユニットを設置する。下段の前方は5インチベイとなっているが、フロント側からドライブ類を挿入して固定する仕様のため、先に電源ユニットを入れても支障はない。メインの電源ケーブルはマザーボードパネルの裏側に通すので、右側面パネルも外しておこう。

 なお、最上段の5インチベイは奥に20センチファンがあるため、そのままでは奥行きのある光学ドライブは固定できない。上面ファンを小径のものに付け替えるか、光学ドライブを下段に装着するといった工夫が必要だ。今回は奥行き165ミリの「DRU-700A」だったため、ぎりぎり装着できた。

ケース下段の電源ユニットベイ。右側面と上面にケーブル口を設けている(写真=左)。マザーボードパネルの裏側に電源ケーブルをはわせる構造だ。見た目も美しい(写真=右)

ケース上面には20センチファンが固定されており、最上段の5インチベイと干渉しやすい(写真=左)。DRU-700Aを装着したところ。コネクタの接続も可能な状況だ。なお、5インチベイの固定には、付属の専用レーンを使う(写真=右)

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