トップエンドやハイエンド、そしてテクニカルセッションでは、Nehalemをはじめとする、最新の技術が取り上げられているIDF上海だが、コンシューマー向けのテーマとしては、開催初日に正式発表されたCentrino Atomと、そのプラットフォームを採用するローエンドPC「Nettop」「Netbook」が主役となった印象が強い。
2008年のCeBITあたりから「急に」言葉が登場したNettopとNetbookは、IDF上海で複数の実働サンプルが展示され、ようやく目に見える形でその姿やスペックが明らかになってきた。4月3日に行われたNettopとNetbookに関するプレスブリーフィングで、IntelはNettopとNetbookの構成や価格イメージなどを紹介している。
NettopもNetbookも、インターネットで提供されるサービスを利用できることと、2008年5月にベンダーに向けて出荷される予定の45ナノメートルプロセスルールを採用した低価格なCPU「Diamondville」(開発コード名)の搭載、コストを抑えるために最適化されたプラットフォームが、重要な要素として挙げられている。価格は、Nettopで100ドルから299ドルの間に、Netbookで399ドル以下を想定しており、2008年のローンチから2011年の4年間で67%の成長を見込む。
45ナノプロセスルールのCPUは、これまで、低消費電力やハイパフォーマンスを訴求される場面が多かったが、Nettop、Netbookに使われるDiamondvilleでは、プロセスの微細化によるダイ面積の削減で1枚のウエハからの“収穫”が増え、そのおかげでCPUがローコストが実現するメリットをアピールした。
プレスブリーフィングでは、Nettop、Netbookそれぞれで予定されているハードウェア構成の概要も示された。それによると、Netbookに搭載されるCPUには「N270」というプロセッサーナンバーを持つAtomが示されており、チップセットは「Intel 945 GSE」「ICH7M」の組み合わせ、液晶ディスプレイのサイズは「10インチ以下」、512Mバイト、もしくは256Mバイトのメモリを搭載してOSはLinux、もしくは「Winodws XP Home」が導入される。そのほか、主要なスペックとしてはIEEE 802.11 b/g、10/100BASEの有線LAN、USB、もしくはパラレル ATA接続のSSDが2、4、8Gバイト、バッテリー駆動時間4時間、という値が定められている。オプションとしては、カメラの内蔵と防滴性能も求められる。
Nettopの構成資料では、CPUのプロセッサーナンバーは示されていないが、Diaondvilleを搭載し、チップセットにIntel 945GCとICH7、グラフィックスコアはチップセットに統合されているIntel GMA 950を利用。メモリはDDR2-667を512Mバイト、もしくは1Gバイト実装し、導入されるOSはLinux、Windows XP、そして、Windows Vista Basicという構成が描かれていた。
NettopもNetbookも既存のバリュークラスデスクトップPCやノートPCとの違いが紹介されていたが、どちらも、インターネットで提供されるサービスを利用する分には十分だが、リッチコンテンツの利用やオフィスアプリケーションの使い勝手、データ加工/編集の処理能力、マルチタスク処理などで制約があることも合わせて説明している。また、質疑応答の中で出た「NettopとUMPCの違いは何か」という問いに対しては、「UMPCは企業向けとしての需要があり、日本と韓国で大きな市場がある」と答えた。
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