ノートPCとケータイを“2 in 1”するとこうなった──「HTC Shift」日本モデル発表(1/2 ページ)

» 2008年04月08日 21時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

7インチディスプレイ、800グラムの“ノートPC”

 HTC Shiftは、スレート形状からディスプレイをスライトさせてキーボードが現れるだけでなく、ディスプレイをチルドすることでクラムシェルのノートPCで液晶ディスプレイを開いたときのような形態にも変形できる。似たような形状としては、筐体サイズはずっと小さくなるが、イー・モバイル向けにHTCが出荷している「EMONSTER」ことS11HTがある。

 HTC Shiftの筐体サイズは207(幅)×129(奥行き)×25(厚さ)ミリで重さは800グラム。液晶ディスプレイのサイズは7インチワイドで解像度が800×480ドットとなる。133.1(幅)×97.7(高さ)×16(厚さ)ミリで重さ359グラム、液晶ディスプレイサイズが5インチだった「HTC X7501」よりひと回り大きい。

ノートPCのスタイルを持つHTC Shift。すでに欧米では販売されており、ようやく日本モデルが4月から登場する
液晶ディスプレイの回りにはポインティングオペレーション用のクリックボタンやPCモードと携帯電話モードを切り替えるSnapVUEボタン、指紋センサー、自分撮り用の30万画素カメラなどが用意されている

スレート状態のHTC Shift。普段運動していない成人男子が片手で持つにはちょっと重い
液晶ディスプレイをスライドさせるとキーボードが現れる。文字キーのピッチは均等にそろえられている

液晶ディスプレイをめいいっぱい起こした状態。右側面にはSDメモリーカードスロットとUSB 2.0の端子が用意されている
左側面はシンプルで、ヘッドフォンとマイクの兼用ミニジャック、スタイラスペンのホルダーが設けられている

身長170センチ、体重80キロの成人男子の指と比較したHTC Shiftのキーボード
液晶パネルのヒンジ機構を見る。背面にはアナログRGB端子が用意されている

Windows VistaとWinodws Mobile(?)のデュアルOS

 HTC Shiftのユニークな点は、1つの筐体にPCの機能と携帯電話の機能を搭載したことにある。PCとしてHTC Shiftをみた場合、CPUにインテルのA110(動作クロック800MHz)を搭載し、システムメモリは1Gバイト、容量40Gバイトの1.8インチHDDを内蔵し、OSにWindows Vista Businessが導入されたノートPCと見ることができる。ワイヤレス接続機能も、WiFi(IEEE802.11g/b)、Bluetooth 2.0と現在のスマートフォンと同程度のものが実装されている。

 一方、携帯電話のHTC Shiftとしてみると、3バンドUMTS/HSDPA(日本ではHSDPA/W-CDMAの800MHzと2100MHzに対応、欧州では2100MHzのみ、米国では850MHzと1900MHzに対応)、4バンドGSM/GPRS/EDGE(850MHz、900MHz、1800MHz、1900MHz)、データ通信速度はHSDPAで下り3.6Mbpsまで、W-CDMAで下り384kbpsに対応するデータ通信専用端末と見ることができる。

 “PC”と“携帯電話”の遷移は液晶ディスプレイ左下脇に設けられた「SnapVUE」ボタンを押すことで切り替わる。“PCモード”ではWindows Vista Business上で提供される機能を利用し、“携帯電話モード”では、HTC Nipponが「独自に開発した」と主張する、“Windows Mobileによく似た”OSで提供される機能を利用する。

 それぞれのモードで有効になるハードウェアリソースも分けられており、PCモードで利用できるCPUのA110、1Gバイトのシステムメモリ、40GバイトのHDDなどは、携帯電話モードで利用できない。PCモードから携帯電話モードに遷移すると、PCモードで利用していたハードウェアとソフトウェアは「サスペンド状態」に移行し、携帯電話で利用するハードウェア(CPUはクアルコムのMSM 7200/400MHz、データストレージ領域も専用の64MバイトRAMと128Mバイトのフラッシュメモリを使う)が有効になる。なお、本体に設けられたインタフェースはPCモードでも携帯電話モードでも利用できる。

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