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レビュー2008年04月23日 13時01分 更新
イマドキのイタモノ:AMDから登場した“コア3つ”なCPU──「Phenom X3 8750」を試す (1/2)B3ステップの登場で本格普及の兆しが見えてきたPhenomシリーズ。トリプルコアのPhenom X3にもB3ステップが投入された。その注目されるコストパフォーマンスに迫る。AMDは3月27日にクアッドコアのPhenom X4とデュアルコアのAthlon X2を埋める新しい製品として、トリプルコアのPhenom X3を発表している。そのとき登場したPhenom X3のラインアップはすべてB2ステップであったが、早くも4月23日にB3ステップに対応したPhenom X3が発表された。 コンシューマー向けの製品でコアの数が奇数のCPUが登場したのはPhenom X3シリーズが初めてで、どのようなパフォーマンスを示すのかユーザーから注目されているが、今回は、Phenom X3の最上位モデルであるPhenom X3 8750(動作クロック2.4GHz)で、従来のクアッドコアPhenom、インテルのCore 2シリーズとの比較などから、その位置づけを考えていきたい。 「歩留まり」マジックの新しい手段として登場したPhenom X3Phenom X3は、これまでのPhenomシリーズと同じ「Agena」(開発コード名)コアを利用していることからも分かるように、基本的には4つのコアを備えている。このうちの1つを利用できないようにすることで、3コア構成のCPUを実現しているのだ。 「せっかく4つのコアがあるのに、1つを利用できないようにするなんてもったいない」と考えるユーザーもいるかもしれないが、これにはCPUビジネスにおいて非常に重要な要素である「歩留まり」が大きく影響している。CPUは、「ウエハ」というたくさんのCPUダイが一緒になった円盤の形で生産される。ウエハからダイアモンドカッターを利用して1つ1つのダイに切り離し、それをパッケージに封入することで、ユーザーが目にするような形をしたCPUの製品になる。 問題は1つのウエハからいくつのCPUが採れるかだ。例えば、1つのウェハから100個のCPUが採れるとしても、すべてが売り物になるわけではない。例えば、100個のうち、5個は傷がついていて利用できなかったり、さらに5個は実際に動作させてみたら通電しなくて使えなかったりということが発生する。そうすると製品としては90個しか売れないということになる。こうした、本来期待される製造量に対して、実際に製品として利用できた比率のことを"歩留まり"と呼んでいる。この歩留まりが高ければ高いほどCPUの生産量は増えるし、CPUメーカーの利益は上がることになる。 クアッドコアは4つのコアを持っているが、そのうちの1つだけとか、2つだけ、あるいは3つのコアが使えないCPUがでてきてしまう場合がある。トリプルコア、デュアルコア、シングルコアとしては利用できるが、クアッドコアとしては使えない製品だ。通常であれば、これらは破棄されることになるのだが、その場合歩留まりは下がってしまい、CPUメーカーの利益は減少する。 そこで、1つだけ使えないものをトリプルコアのCPUとして投入すれば、歩留まりを向上させることになり、それによってCPUメーカーの利益を増やし、ひいてはそのメーカーが扱うCPUの価格を押し下げることにもつながる。 このような事情を反映して登場したのが、トリプルコアを採用したPhenom X3シリーズということもできるだろう。 TLBのバグが修正されたB3ステップのAgenaコアを採用したPhenom X3 8750今回AMDが投入したのは、以下の3製品だ。
モデルナンバーで「8750」「8650」「8450」という3つのモデルが用意されており、動作クロックはそれぞれ2.4GHz、2.3GHz、2.2GHzとなる。末尾の2桁に“50”がついていることからも分かるように、採用されているコアは新しいB3ステップで、TLB周りのバグなどが修正されている。上位モデルのPhenom X4との違いは、1つのコアが利用できないだけで、そのほかの特徴(L3キャッシュは2Mバイト、各コアに512Kバイトの2次キャッシュなど)は共通になっている。 TDPも同様で、クアッドコアのPhenom X4と同じ95ワットとなっている。すでに述べたように、Phenom X3はAgenaコアの4つあるコアのうち1つを無効にしているが、利用できないコアも電力を消費してしまうためだ。 価格は上位モデルの8750が195ドル、8650が165ドル、8450が145ドルとなっている。Phenom X4 9750(2.4GHz)が215ドル、9550(2.2GHz)が209ドルとなっているので、製品のポジショニングとしてはクアッドコアよりも下位のセグメントに設定されていることになる。 デュアルとクアッドの中間という予定調和なPhenom X3 8750の性能Phenom X3 8750の評価用サンプルで実際の性能を確認してみる。ベンチマークテストとして利用したのは、筆者がPC USERのベンチマーク記事で通常利用しているもので、その結果はこれまでのCPUレビュー記事で掲載した値と互換性がある。今回のグラフに掲載されている以外のCPUと比較したい場合には、過去の記事などを参照していただきたい。
[笠原一輝,ITmedia] Copyright© 2012 ITmedia, Inc. All Rights Reserved. Special
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