同イベントで、Phenom X3と並ぶもう1つの目玉とされたのが、まもなく登場する地デジチューナーだ。会場にはバッファローとアイ・オー・データ機器、ピクセラ製のカードを搭載したデモ機が並んでおり、セッション中も釘付けでチェックしているユーザーがいたほどの注目度だった。
イベント中、終始ユーザーからの質問に対応していたピクセラのスタッフは「皆さんの関心が高くてありがたい限りです。弊社の場合、PIX-DT050-PP0は潤沢に用意できていますが、デジタル3波タイプのPIX-DT012-PP0は少数の出荷からスタートしそうです。ヒットを期待しています」と語った。
イベント前半は各メーカーによるセッションが行われた。ピクセラの橋谷氏は、2003年ごろからの開発の苦労話を披露。現在は各PCメーカーに採用されてシェア50%超えを果たしているが、初期は規格との戦いで手探りの開発が続いたという。なお、現段階でダブルチューナーモデルのサンプル品も作られており、5月中旬以降の第2弾として店頭に出回る可能性も見えている。
ちなみに、組み込み式PCでは地デジチューナー搭載が当たり前になっているなか、自作PCでの解禁がこれだけ遅れたことについて、某メーカーはこう語る。「パーツ単体で販売する場合、使われ方の想定がしにくく、B-CASからの承認が下りなかったんです。現在も承認待ちの状態ですが、あとはB-CASから販売許諾関連の書類が送られてきて、我々がサインして送り返すだけ。大詰めまで来ていますが、ゴールデンウィークに入ると彼らも動けませんからね。連休明けにそれらの処理が迅速に行われて、製品出荷となるわけです」。
本当ならゴールデンウィーク前が理想的だが、これでも予定が前倒しされているという。「北京オリンピックがありますからね。その影響はあると思います」(同氏)とのこと。
そのほかに注目を集めたのは、オーバークロックワークスによるPhenom X4 9850 Black Editionのオーバークロックデモだ。土居氏の私用PCを、AMDの専用ツール「AMD Over Drive」でクロックアップし、「かなり個体差がありますが、土居さんのCPUはアタリでしたね。3GHzを余裕で超えるものもあるようです」(オーバークロックワークス)などと語っていた。また、TLBエラッタの修正を無効/有効にする設定も同時に解説された。
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