“自作で地デジ”に一筋の光?――アイ・オー vs バッファロー徹底比較フリーオに引導を渡せるか(2/4 ページ)

» 2008年05月06日 03時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

PCI Express x1の地デジキャプチャカード「GV-MVP/HS」

GV-MVP/HSは2階建て基板だが、1スロットのみ占有する

 一方、アイ・オー・データ機器のGV-MVP/HSは、PCI Express x1接続の地デジキャプチャカードだ。B-CASカード基板と地デジチューナー基板の2階建てだが、ボードサイズは1スロットに収まっている。チップはNXP製デコーダ「SAA7163FE/2」がメインで、特徴はSuper Live Creationエンジン(SLCE)の搭載。MPEG-2デコード処理を最適化し、ハイビジョン映像をなめらかに再現する。

 閲覧・録画用ソフトウェアは従来のmAgicTVをベースにした「mAgicTV Digital」が付属する。mAgicTV DigitalはPCast for 地デジとは対照的に、一般的なWindowsアプリケーションと同様のインタフェースを持っており、一度に表示することのできる情報量が多い。また、視聴よりは録画に重点が置かれている印象で、予約録画に便利な機能が充実している。

メインチップはNXP製デコーダ「SAA7163FE/2」

 初回の番組表作成は強制的に一気に行うことができる。作成までに30分ほどかかるものの、「まずは番組表がなければ始まらない」というユーザーにとっては便利な機能だ。「おまかせ録画」はキーワードを指定することで自動的に録画予約を行う。録画した映像はmAgicTV Digitalのライブラリ画面で管理できるようになっている。ライブラリはジャンルや放送局、時間帯、日時など複数の切り口で分類されており、一覧性に優れている。また、各ファイルごとに前回再生していた続きから再生するレジューム再生機能があり、細切れの時間で閲覧する場合には重宝するだろう。

 録画ファイルの保存には内蔵/外付けHDDが選択できるが、フォルダは“\mAgicTVD\Record”で固定となる。この下に「年月日時分-放送局-番組名」のフォルダが作成され、そこに同名のファイル(拡張子はXURとDGNO)で保存される。録画データの本体はXURファイルだが、XML形式で動画情報が含まれているDGNOファイルはmAgicTV Digitalに関連付けされており、ダブルクリックで再生可能だ。

mAgicTV Digitalの基本画面。一般のTV同様、放送局とチャンネルキーの組み合わせは自由に変更できる。画面はハメコミ(画面=左)。番組表は強制的に作成することができる。所要時間は30分ほどで、その間の視聴などはできないが便利な機能だ(画面=中央)。番組表は印刷も可能(画面=右)

おまかせ録画はキーワードやジャンルなどを指定して自動的に録画を行う機能だ。番組改編期などに特定ジャンルの新番組をもれなく押さえたいというユーザーにも便利。ただし、ボードの仕組み上、2番組同時録画には対応していない(画面=左)。上記の設定での録画予約状況。時間帯が重複しているものが省かれているのが分かる(画面=中央)。1回の録画につき1フォルダが作成され、その下にDGNO、XURの2つのファイルが作られる(画面=右)

 予約録画の機能では、録画しながらの視聴ができない、手動録画では視聴は可能だがタイムシフト再生は不可、といったところがやや不満な点だ。全体的に「録りためて後で見る」という使い方にフォーカスされているように感じた。

 ちなみに、今回評価した試作機では、TOKYO MXで放映中の「D.C.II.S.S.〜ダカーポIIセカンド」が正常に録画はできてもライブラリには登録されないというバグがあった(ただし、DGNOファイルをダブルクリックすれば再生できる)。製品版での修正を期待したい。

DGNOファイルの中身。XMLフォーマットで記述されている。試作機では、XURファイルは録画時に「08年04月29日01時30分-TOKYO MX-D.C.U.S.S.XUR」となっていたが、これではライブラリに認識されなかった。ファイル名を「08年04月29日01時30分-TOKYO MX-D.C.U.S.S.〜ダカーポUセカンド-0000.XUR」に変更すると認識されたが今度は再生ができなくなる。早期に修正されることを期待したい(画面=左)。予約録画中に視聴しようとしてもエラーが発生して視聴できない。番組を録画したあとにまとめて見る使い方を想定しているようだ(画面=右)

 なお、DVDメディアへのムーブでは、XP(Video 9.4Mbps/Audio 192kbps/720×480)、SP(Video 4.8Mbps/Audio 192kbps/720×480)、LP(Video 2.4Mbps/Audio 192kbps/352×480)の3つのモードが選択できる。

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