エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)は、5月16日にインテルの次世代チップセット搭載マザーボードで採用する予定の新技術に関する説明会を行った。「Dr. MOS」「Green Power」といった省電力を促進する技術や、GPUの冷却技術「Hybrid Freezer」を紹介したほか、2008年4月に出荷を開始した「P35 Neo3-EFINITY」に実装され、これから登場するマザーボードで積極的に採用していくとMSIが宣言していた「EFI BIOS」改め「Click BIOS」についても、MSIの優位性を訴求した。
Dr.MOSは、従来のマザーボードでは独立して実装されていた「Driver IC」、「Top-MOSFET」、「Bottom-MOSFET」を1つのチップにまとめたのが特徴で、MSIでは「Driver IC MOSFET」と呼んでいる(ここから、Dr.MOSの名称が生まれた)。MSIの説明では、ワンチップ化したことで電力効率が27.6%向上し、1年間の使用では62kWhの節約につながるとしている。
また、省電力化を実現したことで、発生する熱も少なくなり、MSIのテストでは、Intel P45 Expressを実装したマザーボードで、Dr.MOSと従来のディスクリートタイプのMOSFETを搭載したそれぞれのサンプルで基板温度を測定した場合、MOSFET搭載サンプルで71.6度だったのが、Dr.MOS搭載サンプルでは55.6度にとどまったという。
そのほかにも、CPUの駆動モードが変化して要求される電圧の変化にもすぐ対応できることや、「Highly conductive polymerized Capacitor」(Hi-c CAP)の採用で高い省電力が可能になったこと、そして、システムの状態に合わせてフェーズ数が動的に変えられる機能や、ノースプリッジ−メモリへの電力供給系統を2チャネル用意したことなどが、MSIが開発している次世代チップセット搭載マザーボードの特徴として紹介されている。
説明会では、MSIが投入を予定しているインテル次世代チップセット搭載マザーボードのラインアップが紹介されたほか、Intel P45 Expressを搭載するとMSIが説明するマザーボードのサンプルが実働状態で展示されていた。
MSIでは、Intel P45 Express搭載マザーとして「P45 Diamond」、「P45D3 Platinum」、「P45 Platinum」、「P45 NEO3」、「P45 NEO」の5モデルを投入する予定で、このうち、「P45 Platinum」、「P45 NEO3」、「P45 NEO」はDDR2対応モデルとなるほか、「P45 Diamond」、「P45D3 Platinum」、「P45 Platinum」はノースブリッジと接続したPCI Express x8レーンを2セット使ってCrossFireXを構築する「RapidBoost」に対応するとされている。
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