ASUS、Atomと8.9/10.2インチワイド液晶搭載の新世代Eee PCを発表COMPUTEX TAIPEI 2008(1/2 ページ)

» 2008年06月03日 17時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

Atomの採用だけがウリではない新世代Eee PC

「Eee PC 901」

 ASUSTeK Computer(ASUS)の「Eee PC」は、世界的な低価格ミニノートPCブームの火付け役であり、日本でも人気を博している。COMPUTEX TAIPEI 2008の会場近くで発表された3つの新モデル「Eee PC 901」「Eee PC 1000」「Eee PC 1000H」は、いずれもCPUにインテルのAtomを採用。アーキテクチャを一新しつつ、仕様をさらに強化した。

 Atomには、携帯端末やMID向けの「Silverthorne」と、小型PC向けの「Diamondville」の2種類があり、前者は1チップ構成のチップセット「システム・コントローラー・ハブ」(Poulsbo)を採用するが、後者は標準的な2チップ構成のIntel 945Gシリーズなどを用いる。CPUの仕様は基本的に同じだが、CPUのパッケージサイズとTDPはDiamondvilleがほうが大きい一方、価格が安い。今回の新モデルは、いずれもDiamondvilleのAtomとIntel 945Gシリーズのチップセットを採用する(展示機は1.6GHzのAtom N270を搭載)。

 Eee PC 901は初代Eee PC 700(日本ではEee PC 4G-X)とほぼ同じサイズのボディに、1024×600ドット(WSVGA)表示対応の8.9インチワイド液晶ディスプレイを搭載したモデルだ。海外では1024×600ドット(WSVGA)表示対応の8.9インチワイド液晶ディスプレイを採用した「Eee PC 900」がすでに販売されている(日本での発売は未定)が、こちらのCPUをCeleron MからAtomに変更したことをはじめ、無線LANを11nに強化しつつ、Bluetoothを追加するなどのスペックアップを果たしている。

 プリインストールOSはLinuxとWindows XP Home Editionの2つが用意され、前者は20GバイトのSSD、後者は12GバイトのSSDを装備する。メインメモリは1Gバイトだ。6セルのバッテリーを採用し、駆動時間は約4.2〜7.8時間をうたう。重量は約1.1キロとなっている。

「Eee PC 1000H」

 一方、Eee PC 1000とEee PC 1000Hはシリーズ最大の10.2インチワイド液晶ディスプレイを搭載し、キーボードも大型化したモデル(ASUSによれば、一般的なノートPCの92%のサイズのキーボードを実現としている)。ただし、解像度は1024×600ドット表示でEee PC 901と同様だ。Eee PC 1000はLinux版のみ用意され、40GバイトのSSDを搭載する。Eee PC 1000HはLinuxとWindows XP Home Editionの2つのOSが選択でき、ストレージはSSDではなく、HDD(5400rpm)を内蔵している。HDD容量はLinux版が160Gバイト、Windows XP版が80Gバイトだ。メインメモリはいずれも最大2Gバイトになっている。

 バッテリーはどちらも6セルで、駆動時間はEee PC 1000が約4.2〜7.5時間、Eee PC 1000Hが3.2〜7時間をうたう。重量はEee PC 1000が1.33キロ、Eee PC 1000Hが1.45キロとHDDの採用により少し重くなっている。

 これらの3モデルはいずれも3基のUSB 2.0ポート、有線LAN、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイクの端子を備えている。

デザインも機能も改良されたが、価格はアップ

Sakuraは天板とパームレストに桜の花びらがプリントされている

 モデルチェンジにともない、外観も変更された。タッチパッドとクリックボタンを大型化しつつ、4つのワンタッチボタンを追加。外装はタッチパッドの周囲と液晶ヒンジ部分にメタリックのパーツを配するなど、使い勝手と質感の向上を図っている。

 本体のカラーは耐久性の高いプリントを実現するInfusion技術を採用し、Sakura、Sweet Pea、Urban Metropolis、White Peony、Pearl White、Fine Ebonyの6つのバリエーションを用意。Sakuraはパームレスト部に花びらのパターンをプリントするなど、単なるカラーバリエーションにとどまらないデザインとなっている。

 機能面では、Eee PC 901とEee PC 1000Hに5.1チャンネル音声を擬似的にステレオで再現できる「ドルビーサウンドルーム」機能を採用したほか、CPU速度、電圧、液晶の輝度を調整することで最大15%の消費電力を削減できる独自の省電力技術「Super Hybrid Engine」を追加した。キーボード上部のワンタッチボタンを押すことで、3つの駆動モードを手軽に切り替えられる仕組みだ。

バッテリー駆動時間を延長させる省電力技術「Super Hybrid Engine」を搭載(写真=左)。20Gバイトのオンラインストレージによるファイル共有サービスも提供される(写真=中央)。Eee PC 901とEee PC 1000Hには、ノートPCで手軽にサラウンド効果が楽しめるドルビーサウンドルーム機能が追加された(写真=右)

 ニュー台湾ドルによる価格は、Eee PC 901が1万6988元、Eee PC 1000が1万9988元、Eee PC 1000Hが1万8988元。1元を3.43円で計算した場合、901が5万8269円、1000が6万8559円、1000Hが6万5129円となる。台湾での発売時期は、Eee PC 901が6月3日、Eee PC 1000Hが6月13日、Eee PC 1000が6月末の予定だ。日本での発売時期は未定としながらも、6月末が目安という。

※記事初出時、ストレージの容量に誤りがありました。おわびして訂正させていただきます。

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