5月14日、PC向け地デジチューナーの単品発売が解禁となり、複数のメーカーから多数のモデルが登場した。その後も、エスケイネットやピクセラから新モデルが投入され、5月末の時点で、計7製品が店頭に並んでいる。価格は1万5000円から3万円前後だ。
メーカー製PCが地デジチューナーを導入して久しいが、これまで自作PC用の単品チューナーはほぼ皆無だった。PCパーツを自由に組み替えられる自作PCでは、著作権保護が適用された地デジ放送の録画ファイルを流用したり、コピーする行為を防ぎきれないためだ。
このため、今回出回ったモデルも、コンテンツの利用にさまざまな制限がついている。録画に使ったマシンでしか再生できないほか、作業の過程でバックアップが発生するために、CMカットなどの編集も不可。また、BD-Rなどへのムーブに対応しているのは、5月末時点ではバッファローの「DT-H50/PCI」のみだ。
発売解禁以前から注目するユーザーが多かった地デジチューナーだが、上記の制限が広く知られているため、手を出す人はそれほど多くなく、5月末まで「大ヒット」のコメントは聞けなかった。
フェイス パーツ館は「とりあえず、編集できないと自作で地デジを録画する意味がないでしょう。ダビング10が解禁されれば、回数限定ながら編集できるようになるかもしれません。とにかく“今は待ち”という人が多いですね」と語る。
「遠いねえ……」とつぶやいてしまう状況は、発売前から多くのショップで予想されていたものの、やはり落胆の声は多い。ある店員さんは「地デジチューナーは、2008年最大の目玉です。これが普及すればディスプレイやHDD、グラフィックスカードなどの人気も底上げされるでしょう。せめて今年中にダビング10くらい解禁してくれないと、また潰れるショップが出てくるかもしれません。本当に勘弁してほしいですね」と切実に語っていた。
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