6月12日に行われた説明会には、日本AMD取締役 マーケティング本部 本部長の吉沢俊介氏と同社マーケティング本部 PCプラットフォーム・プロダクトマーケティングマネージャーの土居憲太郎氏が、開発コード名「Puma」として知られる新世代ノートPCプラットフォームの概要とAMD HD!Experienceのアップデートについて説明したほか、AMD HD! Exprerienceの協業パートナーとして名を連ねるメーカーから、当日新製品を発表した富士通、そして、日本ヒューレット・パッカード、アイ・オー・データ機器、パイオニア、ピクセラが自社製品について紹介した。
新世代ノートPCプラットフォームは、COMPUTEX TAIPEI 2008で行われたローンチイベントで新しいノートPC向けCPU「Turion X2 Ultra」の3モデル(ZM-86、ZM-82、ZM-80)と「AMD M780G」が紹介されていたが、今回の説明では、そのほかにもCPUとして「Turion X2 RM-70」、「Athlon X2 QL-60」、「Sempron SI-40」などが加えられている。
CPUモデル名 | 動作クロック | 2次キャッシュ | コア数 | 対応メモリ | Dynamic Hypertrans Link |
---|---|---|---|---|---|
Turion X2 Ultra ZM-86 | 2.3GHz | 2MB | 2 | DDR2-800 | ○ |
Turion X2 Ultra ZM-82 | 2.2GHz | 2MB | 2 | DDR2-800 | ○ |
Turion X2 Ultra ZM-80 | 2.1GHz | 2MB | 2 | DDR2-800 | ○ |
Turion X2 RM-70 | 2.0GHz | 1MB | 2 | DDR2-800 | ○ |
Athlon X2 QL-60 | 1.9GHz | 1MB | 2 | DDR2-667 | x16固定 |
Sempron SI-40 | 2.0GHz | 512KB | 1 | DDR2-667 | x8固定 |
土居氏は、世界的にノートPCの需要が増加しており、2009年にはデスクトップPCを上回るだろうという見通しを示した上で、ワールドワイドで調査した場合、ユーザーはノートPCでも音楽や動画、写真を利用するのが主な目的で、デスクトップPCに相当する性能を望んでいると説明、AMDの新世代ノートPCプラットフォームでノートPCもデスクトップPCのパフォーマンスに届くようになったと述べた。
AMD HD! Experienceのアップデートとして紹介されたのは、ようやく決まったロゴデザインと、そのロゴマークをつけることが許されるシステム構成条件だった。2008年3月に行われたAMD HD! Experience発表当時には、「動作クロック1.9GHz以上のAMD製マルチコアCPU」「AMD 780Gチップセット、または、Radeon HD 2000シリーズ、または Radeon HD 3000シリーズ」程度だった構成条件は、より詳しく定められている。
デスクトップPC | ノートPC | |
---|---|---|
CPU | Athlon X2 | Turion X2 Ultra |
Phenom X3 | Turion X2 | |
Phenom X4 | Athlon X2 | |
チップセット | AMD 780G | AMD M780G |
AMD 790FX | AMD M770 | |
AMD 790X | ||
AMD 770 | ||
ソフトウェア、周辺機器 | |
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ソフトウェア | UVDサポート製品 |
マザーボード、グラフィックスカード | UVDサポート製品 |
ビデオカメラ | UVDサポート製品 |
BDドライブ | UVDサポート製品 |
デジタルTVチューナーカード | UVDサポート製品 |
パートナー企業としてスピーチを行った富士通パーソナルビジネス本部PC事業部 事業部長の長原明氏は、同日発表されたFMV-TEOにAMDの新世代ノートPCプラットフォームを採用していることを示しながら、コンテンツのHD化が進む状況にあってその中心となるはずのPCはハイエンドラインアップでしかHDコンテンツが扱えなかったが、AMDの新世代プラットフォームによって低価格の製品でも可能になったと述べた。
同じくスピーチに登場した日本HP パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 本部長の山下淳一氏は、日本HPのコンシューマー製品ラインアップの半数でAMDプラットフォームを採用していることを紹介、ベルリンで行われているイベントで披露されたタブレットノートPCを日本で出荷することを明らかにした。
また、アイ・オー・データ機器 開発本部市場開拓部 部長の土田拓氏は、ハイパフォーマンスを必要とするHDコンテンツを利用できるPCの数が限られていたため、周辺機器メーカーとしては強い危機感をもっていたが、メインストリームPCやノートPCでもHDコンテンツを利用できるようにしてくれたAMDのプラットフォームの登場で、PCでテレビを見ることがもっとメジャーになるだろうという期待を述べた。
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