時代は30ビット/10億色表示へ――HP DreamColorディスプレイ登場ハリウッドとの共同作業

» 2008年06月16日 15時15分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

30ビット表示対応の液晶ディスプレイが手に届く価格帯で登場

DreamColor技術採用の24インチワイド液晶ディスプレイ「HP DreamColor LP2480zx」

 米Hewlett-Packard(HP)は、30ビット(RGB各色10ビット)表示に対応した液晶ディスプレイ「HP DreamColor LP2480zx Professional Display」をベルリンのプレス向けイベント「Connecting Your World」において発表した。

 これまで、米HPは米DreamWorks Animation SKGは協業を続けており、近年では「シュレック」シリーズが記憶に新しい。また、2007年3月には複数のデバイス間でデジタル画像の共通した色再現性を目指す「DreamColor」技術を発表し、プロ向けのフォトプリンタ「Designjet Z3100」や「Photosmart Pro B9180」、デジタル印刷機などをリリースしてきた。今回登場したHP DreamColor LP2480zxはその流れをくむ24インチワイド液晶ディスプレイで、30ビット/約10億色の表示に対応しているのが特徴だ。従来の業務用ディスプレイと比較して、約4分の1の低価格で実現しているという。米国ではすでに3299ドルで販売中だ。

発表会での展示風景。左に置いてあるシルバーの枠が同社のワークステーション向け液晶ディスプレイ「HP LP2465」で、新モデル「DreamColor LP2480zx」に比べて色味が浅いのが分かる。カラーパターンに混じってシュレックのキャラクターが見える(写真=右)

 本機の基本スペックは、画面解像度が1920×1200ドット(WUXGA)、視野角は上下/左右とも178度で、Super IPS方式を採用している。そのほかRGBのLEDバックライトを搭載し、輝度は250カンデラ/平方メートル、応答速度は12ms(中間色6ms)、コントラスト比は1000:1、色域はNTSC比で約133%、Adobe RGBとsRGBを100%カバーしているという。プリセットの色空間はAdobe RGB、sRGB、ITU Recommendation BT.709、SMPTE-C/Rec.601、DCI-P3 エミュレーション(97%)、ユーザー定義で構成される。

 インタフェースは、DisplayPort 1.1、DVI-I×2、HDMI 1.3、S-Video、コンポーネント、コンポジット、4基のUSB 2.0ポート(アップストリームは1基)で、スタンドは左右45度ずつの回転をはじめ、+10センチの昇降、−5〜+35度のチルト、90度の縦位置表示にも対応する。本体サイズはスタンド込みで565(幅)×254(奥行き)×425〜525(高さ)ミリ、重量は12.5キロだ。

 DreamColor技術を採用した初の液晶ディスプレイとなる本機は、DreamWorksの製作現場の要望を取り入れて製品化したもので、日本では7月に公開予定の「カンフー・パンダ」の製作および校正作業で威力が発揮されたという。日本でも近日中の発表が予定されているようなので、心して待ちたい。

DisplayPortやHDMIなどのコネクタは背面下部にまとまっている(写真=左)。時計回り90度の縦位置表示(写真=中央)や、約10センチの昇降に対応する(写真=右)。4基のUSBハブは右側面にある

操作ボタンは前面右下にあり、暗いところでも扱えるようLEDランプが光る(写真=左)。色空間はユーザー定義を含め7つをプリセットしている(写真=中央)。輝度は最高250カンデラ/平方メートル、最低輝度は40カンデラ/平方メートルだ(写真=右)

一方の色温度は、1万2000Kから4000Kまで対応する

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