「新世代GPU」の実力はあるのか?──GeForce GTX 280ベンチマークレビューイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2008年06月17日 02時44分 公開
[笠原一輝,ITmedia]

 NVIDIAが開発コード名「GT200」と呼んできたGeForce GTX 200シリーズをリリースした。この新世代GPUの特徴として汎用コンピューティング「CUDA」に最適化されたという点が挙げられるが、それはそれとして、多くのゲームユーザーは、3Dゲームにおける高い性能を期待するだろう。そうしたGeForce GTX 200シリーズのパフォーマンスを、ハイエンドモデルとなるGeForce GTX 280で検証する。

NVIDIA 3-way SLI OK!のGeForce GTX 280

 GeForce GTX 200シリーズは、これまでのハイエンドラインアップであるGeForce 9800 GX2やGeForce 9800 GTXの後継となる。そのGeForce GTX 200シリーズとして、NVIDIAは「GeForce GTX 280」と「GeForce GTX 260」という2つのモデルを用意した。

GeForce GTX 280 GeForce GTX 260
統合型シェーダユニット 240 192
GPUコアクロック 602MHz 576MHz
プロセッサクロック 1296MHz 1242MHz
メモリクロック 1107MHz 999MHz
メモリ容量 1GB GDDR3 896MB GDDR3
PCI Express電源 8ピン+6ピン 6ピン×2
基板の長さ 10.5インチ 10.5インチ
ピーク時消費電力 236ワット 182ワット
ヒートシンク デュアルスロット デュアルスロット
出力 デュアルリンクDVI(2)+HDTV出力 デュアルリンクDVI(2)+HDTV出力
予想実売価格 649ドル 399ドル

GPU-Z 0.2.3で表示したGeForce GTX 280の情報

 予想される実売価格から考えると、699ドルのGeForce GTX 280がGeForce 9800 GX2の置き換え、399ドルのGeForce GTX 260はGeForce 9800 GTXの置き換えと考えると分かりやすい。

 今回のレビューで利用したのは上位モデルのGeForce GTX 280を搭載するリファレンスカードだ。このリファレンスカードにはGeForce GTX 280の仕様で示したように8ピンと6ピンのPCI Express電源コネクタが用意されている。これは、GeForce GTX 280のピーク時消費電力が236ワットであるためだ。200ワットを軽く超えているので6ピン×2では供給する電力が追いつかないのだ。

 注意したいのは、8ピン側に8ピンの電源ラインを接続しないと、起動すらしないという点だ。同じように8ピンと6ピンの電源コネクタを備えるAMD(ATI Technologies)のRadeon HD 3870 X2では、単体構成の場合、8ピン側に6ピンを接続しても動くようになっているが、GeForce GTX 280は単体構成でも6ピン+6ピンでは動作しない。自作したPCにGeForce GTX 280を組み込みたいユーザーは、8ピンのPCI Express電源を備える電源ユニットを必ず用意したい。

GeForce GTX 280を搭載したNVIDIAのリファレンスカード。サイズはGeForce 9800 GX2とほぼ同じだ
GeForce GTX280は基板全体をカバーする2スロット厚のフードを搭載する。フード形状はファン周辺で段差を持たせた最近のNVIDIA製ハイエンドGPU搭載カードでよく見られるデザインを採用している

GeForce GTX 280では、外部電源として6ピンと8ピンのPCI Expressが必要になる
NVIDIA SLI用のブリッジコネクタは2つ用意されているので、NVIDIA 3-way SLIにも対応できる

 GeForce GTX 280にはNVIDIA 3-way SLI用のブリッジコネクタが用意されている。GeForce GTX 200シリーズのプロダクトマネージャであるジェーソン・ポール氏によれば「GeForce GTX 200シリーズは、アーキテクチャとしてSLIをサポートしている。もちろん3-wayもだ。ただし、最初に登場するバージョンのドライバでサポートするのは2-wayのSLIまでで、今後のアップデートで3-way SLIに対応する予定」と説明している。

 なお、PureVideo HDに関してはG9x世代のGPUと同じレベルのエンジンが実装がされており、VC-1のフルハードウェアデコードや動的なコントラスト調整などの機能が利用できる。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月18日 更新
  1. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  2. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  3. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  4. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  5. AI対応でCore Ultraよりも高いパフォーマンスをアピール! 企業PC向け「Ryzen PRO 8000シリーズ」登場 (2024年04月16日)
  6. Synology「BeeStation」はNASより便利な一面も 家族の“秘密”も守れるストレージ、共有リンクや写真管理もある (2024年04月16日)
  7. 「ASUS ZenScreen MB16QHG」は従来モデルの弱点を解消した高評価の16型モバイルディスプレイだ (2024年04月16日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー