NVIDIAが開発コード名「GT200」と呼んできたGeForce GTX 200シリーズをリリースした。この新世代GPUの特徴として汎用コンピューティング「CUDA」に最適化されたという点が挙げられるが、それはそれとして、多くのゲームユーザーは、3Dゲームにおける高い性能を期待するだろう。そうしたGeForce GTX 200シリーズのパフォーマンスを、ハイエンドモデルとなるGeForce GTX 280で検証する。
GeForce GTX 200シリーズは、これまでのハイエンドラインアップであるGeForce 9800 GX2やGeForce 9800 GTXの後継となる。そのGeForce GTX 200シリーズとして、NVIDIAは「GeForce GTX 280」と「GeForce GTX 260」という2つのモデルを用意した。
GeForce GTX 280 | GeForce GTX 260 | |
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統合型シェーダユニット | 240 | 192 |
GPUコアクロック | 602MHz | 576MHz |
プロセッサクロック | 1296MHz | 1242MHz |
メモリクロック | 1107MHz | 999MHz |
メモリ容量 | 1GB GDDR3 | 896MB GDDR3 |
PCI Express電源 | 8ピン+6ピン | 6ピン×2 |
基板の長さ | 10.5インチ | 10.5インチ |
ピーク時消費電力 | 236ワット | 182ワット |
ヒートシンク | デュアルスロット | デュアルスロット |
出力 | デュアルリンクDVI(2)+HDTV出力 | デュアルリンクDVI(2)+HDTV出力 |
予想実売価格 | 649ドル | 399ドル |
予想される実売価格から考えると、699ドルのGeForce GTX 280がGeForce 9800 GX2の置き換え、399ドルのGeForce GTX 260はGeForce 9800 GTXの置き換えと考えると分かりやすい。
今回のレビューで利用したのは上位モデルのGeForce GTX 280を搭載するリファレンスカードだ。このリファレンスカードにはGeForce GTX 280の仕様で示したように8ピンと6ピンのPCI Express電源コネクタが用意されている。これは、GeForce GTX 280のピーク時消費電力が236ワットであるためだ。200ワットを軽く超えているので6ピン×2では供給する電力が追いつかないのだ。
注意したいのは、8ピン側に8ピンの電源ラインを接続しないと、起動すらしないという点だ。同じように8ピンと6ピンの電源コネクタを備えるAMD(ATI Technologies)のRadeon HD 3870 X2では、単体構成の場合、8ピン側に6ピンを接続しても動くようになっているが、GeForce GTX 280は単体構成でも6ピン+6ピンでは動作しない。自作したPCにGeForce GTX 280を組み込みたいユーザーは、8ピンのPCI Express電源を備える電源ユニットを必ず用意したい。
GeForce GTX 280にはNVIDIA 3-way SLI用のブリッジコネクタが用意されている。GeForce GTX 200シリーズのプロダクトマネージャであるジェーソン・ポール氏によれば「GeForce GTX 200シリーズは、アーキテクチャとしてSLIをサポートしている。もちろん3-wayもだ。ただし、最初に登場するバージョンのドライバでサポートするのは2-wayのSLIまでで、今後のアップデートで3-way SLIに対応する予定」と説明している。
なお、PureVideo HDに関してはG9x世代のGPUと同じレベルのエンジンが実装がされており、VC-1のフルハードウェアデコードや動的なコントラスト調整などの機能が利用できる。
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