WWDC 2008基調講演の詳報として、これまで第1部の「iPhone 2.0」、第2部の「MobileMe」を前編と中編に分けて見てきた。第3部はもちろん、Web閲覧を2倍以上高速にし、価格を半分に引き下げた「iPhone 3G」だ。
「MobileMe」の紹介を終えたジョブズ氏は、数週間後には「iPhoneが最初の誕生日(出荷から1周年)」を迎える、と切り出した。
ジョブズ氏はいくつかの写真を見せながら、初代iPhoneの発売がいかに盛り上がったかや、「Best Invention of the Year(年間最優秀発明賞)」など、数々の賞を受賞したことを振り返り、こう続けた。
iPhoneこそが「電話のあるべき姿を未来永劫(えいごう)変えてしまった電話」だと。
だが、ジョブズ氏は続けて言う。それ以上にすばらしいのは「ユーザーがiPhoneを愛してやまない」ということだ。同氏は初代iPhoneに対する消費者の反応を示すいくつかの統計を紹介した。
まずは「顧客満足度90%」――今日、いったいiPhone以外に顧客満足度90%の商品なんてあるだろうか、とジョブズは言う。
98%の人がiPhoneを使ってWebブラウジングをしている。「iPhoneが出てくるまで、携帯電話を使ってPC用のWebを見る人はほとんど皆無だった」。そして「94%が電子メールを利用」「90%がテキストメッセージングを利用」「80%の人が10以上の機能を利用」と続けていく。
ジョブズ氏は言う。「ほかの携帯電話では、10もの機能を呼び出そうなんていう思いにも至らない。この結果は驚くべきことだ」――アップルは最初の1年間で600万台のiPhoneを出荷した。
ジョブズ氏は、続いてiPhoneが次に取り組むべき5つの課題を紹介した。
1つめは、3Gへの対応。
2つめは、企業情報システムへの対応だ。
3つめは、サードパーティアプリケーションのサポート。
4つめは、さらに多くの国への進出。
5つめは、もっと手頃な価格設定。
アップルの調査によれば、iPhoneを持っていない人の56%が「買わない理由」として「価格」を挙げているという。
「iPhoneが最初の誕生日を迎えるにあたって、我々はiPhoneを次のレベルに引き上げようと思っている。今日、我々はiPhone 3Gを発表する」。
ジョブズがこう宣言すると、会場からは歓声があがり、喝さいが鳴り響いた。
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