お金をかけずにHDMI接続の音を良くする方法音質の改善が著しいHDMI対応機器(後編)(1/2 ページ)

» 2008年06月20日 07時55分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 前回は、HDMIを通じた音声再生の基本的な情報と、HDMI音声を受ける側のAVアンプが改善されてきたという話を書いた。今回はHDMI経由の音を、可能な限り高音質にするためのノウハウをいくつか紹介していきたいが、その前にソース機器(プレーヤーあるいはレコーダー)側の話にも少し触れていきたい。

 HDMIを通じて送られた音声データは、受信側(AVアンプなど)でデジタル音声信号へと再構築されるので、プレーヤーがどんな状態かに関わらず、音質に大きな影響はあらわれない“はず”だ。しかし、実際に聞き比べてみると、善しあしはともかくソース機器ごとに音質は異なる。

 第一の理由は、HDMIで音声を送出する際のパラメータの違いがある。HDMIで音声を受信すると、レシーバーは送られてきたデータをビデオデータの基準クロックに対して、どのようなタイミングで送るかのパラメータを参照し、音声を指示通りのクロックで送り出す。

 そのパラメータはHDMIで規定されている画像解像度とリフレッシュレート(画面書き換え頻度)ごとにデフォルト値が用意されている。ところが、なぜかデフォルト値は“もっともジッター(時間揺らぎ)が少なくなる”値ではないのだそうだ。

 HDMIの音質改善を狙っていないソース機器には、何も考えずにデフォルト値が設定されているが、音質改善を意識して開発したソース機器の場合は、実際の音を聴きながら最適値が求められている。なぜかジッターが最も少なくなる値を入れても、音は必ずしも最高ではないので、対策を施している製品でも、メーカーごとに音質傾向は異なる。

 この対策を施している代表格はパナソニックの「DMR-BW700/800/900」といったレコーダー製品だが、非公式ながらBDプレーヤーのパイオニア「BDP-LX80」、デノンの「DVD-3800BD」なども同様の調整を行っているようだ。この対策を行うと、それまで出なかった低域の力感が出てくる。

photophoto パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW900」(左)とパイオニア「BDP-LX80」(右)

 上記の音質調整は徐々にほかのメーカーにも広がってきているので、今後に登場してくる音質にケアした製品ならば対策を施してあるはずだ。ソース機器による音の違いは、これ以外にも一般的なオーディオ機器ではよくある筐体の素材や剛性、電源部の品質などによっても変化する。これは筆者の経験上でも、各メーカーの見解でも同じだ。

 もちろん、だからといってそのために機器を買い換えてはいられないだろう。次にHDMI対応ソース機器を購入するときの参考として頭の中にとどめておくといい。

 さて、では音質を少しでも良くするためのテクニックをまとめよう。

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