光り輝くボディはホンモノか!?――「HP Pavilion Notebook PC dv3000/CT」を試す進化するZEN-Design(1/2 ページ)

» 2008年06月23日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

HP ImprintとVM Finishによる美しい仕上げ

「HP Pavilion Notebook PC dv3000/CT」

 日本ヒューレット・パッカード(HP)のノートPCといえば、5月21日発表されたミニノートPC「HP 2133 Mini-Note PC」に注目が集まっているが、一足先に登場した「HP Pavilion Notebook PC dv3000/CT」も気になる1台だろう。同社のコンシューマー向けノートPCシリーズに、新たに加わった13.3インチワイド液晶ディスプレイ搭載の2スピンドルPCだ。こちらの記事でも触れたとおり、2008年のHPノートPCのデザインを先取りした質感の高いボディが特徴だ。なお従来と同様、同社直販サイトのHP Directplusでは、スペックをカスタマイズして注文でき、CPUやメモリ、HDDなどのパーツは複数の選択肢から選べる。

 まず目を引くのはエッジを曲線で仕上げたフォルムで、ボディも同社製品らしいカッチリとした剛性感がある。光沢ブラックの天板とシルバーのパームレストには、ほかのHP Pavilion Notebook PCシリーズ同様、成型過程でグラフィックをボディ内部に転写させる「HP Imprint」テクノロジによるデザインパターンが施されている。本機では「ZEN-design grid」と呼ばれるシンプルな格子状のパターンを採用する。このHP Imprintでは成型過程でデザインパターンをボディ内部に転写させるため、曲面部分にも細かなパターンを美しく表現できるうえ、最終工程で表面に塗装を加える手法に比べて傷に強く塗装ハゲの不安がなく、洗練されたデザインを長期間保てるのが特徴だ。加えて、シルバーのパームレストと側面部分にはVM Finish(Vacuumed Metal Finish=真空圧着による金属加工処理)を施すことにより、金属の質感を強調。鮮やかな反射と光沢のある独特の仕上げとなっている。各種インジケータや天面のHPロゴを白色LEDで光らせるなど、簡素ながら細部までデザイン面でこだわった高級感も見逃せない。ただ見た目の印象はとてもよいが、このパームレスト部分の光の反射はかなり強いため、好みが分かれるかもしれない。

 ボディのサイズは、320(幅)×228(奥行き)×32.7(厚さ)ミリとジャストA4より少し大きめだ。重量も4セルバッテリー+ウエイトセーバーの最軽量構成で約2キロ、6セルバッテリーと光学ドライブの組み合わせでは約2.3キロと常時携帯するには少し重いクラスで、実際に手に取ると見た目以上にずっしりと感じる。公称のバッテリー駆動時間は4セルで約2.1時間、標準装備の6セルで約3.5時間とあまり長くはない。室内での移動や出張時のみ持ち出すという使い方が中心となるだろう。なお、6セルと4セルバッテリーと4セルバッテリーの形状は同じなほか、4セルは注文時に6セルに追加する形でのみ購入可能だ。

光沢感のあるブラック天板には「HP inprint」により「ZEN-design grid」と呼ばれるグリッド状パターンが施されている(写真=左)。また、天面部分のロゴマークは白色LEDで発光する。パームレストと側面のシルバー部分は「VM Finish」と呼ばれる真空圧着を利用した表面仕上げを採用することによって金属的な質感を強調(写真=右)。鮮やかな反射と光沢のある新鮮な仕上げとなっている。「ZEN-design grid」との相性もよい

45ナノメートル世代PenrynコアのCore 2 Duoを採用

右側面に装備されるDVDスーパーマルチドライブは着脱式で、付属のウエイトセーバーに換装可能だ。ExpressCardスロットに内蔵できる赤外線リモコンも標準で付属

 CPUには、開発コードネーム「Penryn」の名で呼ばれていた45ナノメートルプロセスルール製造の新型Core 2 Duoを採用している。評価機ではCore 2 Duo T8100(2.1GHz/2次キャッシュ3Mバイト)を備えていたが、BTOではCore 2 Duo T9300(2.5GHz/2次キャッシュ6Mバイト)も選べる。チップセットはIntel PM965 Expressを搭載しており、GPUにはNVIDIAのGeForce 8400M GSを装備する(ローカルグラフィックスメモリは256Mバイト)。NVIDIAのモバイル向けGPUとしてはローエンドの製品だが、DirectX 10に対応し、2D/3Dともにチップセット内蔵グラフィックよりも高い描画性能が期待できる。

 メインメモリはPC2-5300対応SO-DIMMを採用し、容量は1Gバイト(512Gバイト×2)か2Gバイト(1Gバイト×2)の構成が選べる。評価機は後者の2Gバイトを備えており、メモリの最大搭載容量は4Gバイトとなるが、どちらの構成でも本体底面に2基あるメモリスロットが埋まっているため、メモリを増設するには装着済みのモジュールを交換する必要がある。HDDはSerial ATAインタフェース対応の2.5インチ/5400rpmモデルを採用し、容量は250Gバイトか120Gバイトの2種類が選べる。HDD本体を衝撃吸収素材で包み込むとともに、落下や振動を検知するとヘッドを退避させる「3D ドライブガード」も装備する。光学ドライブは着脱式のDVDスーパードライブを内蔵しており、標準添付のウエイトセーバーと交換して利用可能だ。ちなみに、OSはWindows Vista Home Premium(発表時非対応だったSP1も現時点では適用済み)のみで、Office Personal Edition 2007またはOffice Personal Edition 2007+PowerPoint 2007を追加できる。

CPU-Z(写真=左)とGPU-Z(写真=右)の画面

eSATA兼USB端子やHDMI端子など充実した拡張性

 拡張性を見ていくと、1000BASE-T対応の有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth、56kbpsのFAXモデムと、一通りの通信機能を装備する。さらに、液晶ディスプレイ上部にWebカメラを、パームレスト右端には指紋認証ユニットを標準で内蔵している。

 端子類では、右側面に用意されたeSATA(USB 2.0端子と兼用)が目新しい。eSATAはSerial ATAの外付け用規格で、Serial ATAと同じ最大3Gbpsでの高速転送が可能な点が大きなメリットだ。また、アナログRGB出力に加えて、デジタル映像出力の新しい標準として期待されるHDMI(1.2a準拠)を備える点も先進性を感じさせる。前面にヘッドフォン端子を2基備える点もユニークだ。このほか、ExpressCardスロット(ExpressCard/34のみ対応)、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティック/xDピクチャーカード/MMCなどに対応する5in1カードスロット、USB 2.0はeSATA兼用含めて左右両側面に合計3ポートを装備するなど、充実した内容だ。

前面にはマイクと2基のヘッドフォン、赤外線受光部、ALTEC LANSING製のステレオスピーカを内蔵する(写真=左)。背面はバッテリーのみとシンプルだ(写真=右)

主な端子は左右にまとまっており、左側面にはアナログRGB出力、排気口、USB 2.0、USB兼用eSATAポート、HDMI端子、ExpressCardスロット(54非対応)、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード/MMC対応のメモリカードスロットがある(写真=左)。右側面は着脱式のDVDスーパーマルチドライブのほか、 USB 2.0、ギガビット対応有線LAN、FAXモデム、DC入力端子が並ぶ(写真=右)

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