「Time Machine」は大雑把に言えば自動バックアップ機能だ。しかしバックアップなんて実務的な機能をこれほど派手に仕上げるのは、アップルくらいのものだろう。
また「作業中のファイルを2時間前の状態に戻したい!」のような、微妙な「巻き戻し」を行えるのもポイント。HDD故障への保険というだけでなく、もっと積極的に活用できるのだ。
始め方も運用も、とても簡単だ。システム環境設定の「Time Machine」パネルで機能をオンにし、あとはバックアップ先の外付けHDDを指定するだけ。ほかに何の設定も必要ない。以後、1時間間隔でバックアップが自動実行される。なお、どこまで過去のデータが保存されるかはバックアップ先の容量次第。
バックアップ先には、もちろん一般的なHDDを使用できるが、ベストタッグは「Time Capsule」である。こいつはAirMac(無線LAN)アクセスポイントにLAN共有HDDが内蔵されている代物。そしてこの内蔵ハードディスクはTime Machineのバックアップ先として選択できる。
この組み合わせなら、外付けHDDをケーブル接続せずに、無線でTime Machineを利用できるというわけだ。
無線LAN経由なので転送速度は速くないが、初回バックアップ以降はいわゆる差分バックアップ(変更・追加されたファイルのみコピー)なので、速度面のストレスはあまり感じない。さすがに初回だけはLANケーブルで接続することをおすすめするが……。
それではいよいよ、ファイルやデータをTime Machineで巻き戻して復活させてみよう。Time MachineはMail.appやアドレスブックなど、さまざまなアプリケーションから利用できるが、ここはいちばん使われそうなFinderを例にする。
まずは目的のファイルを含んでいる(いた)フォルダを表示した状態でTime Machineを起動する。するとフォルダが中央にクローズアップされ、画面の背景が宇宙空間に変わる。そして画面右下の矢印をクリックしていけば、まさに時間をさかのぼることができるのだ。
つまり、そのフォルダの1時間前の状態、3時間前の状態、1日前の状態などを表示することができるというわけ。あとはそのフォルダの中から目的のファイルを選択して「復元」をクリックすれば、そのファイルが現在の同じフォルダに呼び戻される。
Time Machineはただの自動バックアップではない。バックアップという地味な機能を確実に実装しつつ、それを超えた活用も提案してくれるものなのだ。
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