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ディスプレイを“正しく”使えば疲労は減る――ナナオの疲れ目対策とは?目にもいいEIZOをアピール(1/2 ページ)

» 2008年07月04日 00時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

 ナナオは定期的に報道関係者向けに液晶ディスプレイの技術セミナーを開催している。2007年2月に開催された第1回では、液晶ディスプレイの基本的な原理や特徴、同社の独自技術などを紹介、2008年3月実施の第2回では、液晶ディスプレイにおける広色域環境の現状を解説した。そして第3回目となる今回は「液晶ディスプレイの使い方による疲れ目対策」をテーマに掲げ、ディスプレイの技術的なトピックから離れ、ディスプレイをどう使うべきかについて論じた。

ディスプレイを長時間使っていると「VDT症候群」になりやすい!?

 セミナーは2部構成で行われ、第1部は同社マーケティング部の塚西里紗氏が液晶ディスプレイの使用による眼精疲労とその調査結果、疲労軽減のための方法などを紹介した。

VDT症候群の実態

 同氏は、「近年は企業がオフィス環境における従業員の健康管理に配慮することが常識」となり、「今年からメタボリック症候群対策として特定検診の実施や、該当者・予備軍と診断された人への特定保険指導を義務付けるなど、その風潮は高まりつつある」と説明。こうした中、オフィス環境における健康管理で問題視されているものの1つとして「VDT症候群」を挙げた。

 VDT症候群とは、コンピュータディスプレイなどの表示機器(VDT)を使用した作業を長時間続けることで、目や心身に疲労・ストレスを感じる症状のこと。2004年に厚生労働省が調査したところ、仕事でのVDT作業で身体的な疲労や症状を感じている労働者は78%にのぼり、「症状内容で最も多いのは目の疲れや痛みで、診療科別の医療費の割合を見ても、眼科は内科、外科・整形外科に続いて医療費の大きな割合を占めている」とのデータを示した。

 VDT症候群が問題視されるようになった背景として、同氏は「オフィス環境の変化」を挙げる。近年のオフィス環境はIT化が進むにつれて、紙の書類上で行われていた業務の多くがPCディスプレイ上で完結することになり、PCの使用時間が増加したため、結果としてVDT症候群にかかる人も増えているとの分析だ。また、PCで動画コンテンツを楽しむユーザー層の拡大にともない、液晶ディスプレイ新製品の輝度は液晶テレビ並みに明るくなっており、これも目に負担を与える一因とした。

VDT症候群の背景には、PCの使用時間が長時間化していることと、液晶ディスプレイの高輝度化があるという

ディスプレイの使い方と疲れ目の関係を独自調査

ナナオが独自にVDT作業による疲れ目の調査を実施

 続いて塚西氏は、ナナオが6月30日に発表した「ディスプレイの使い方による目の疲労度調査」の調査内容とその結果を改めて説明した。

 これは、同社が眼科医とVDT作業労働衛生インストラクターの監修・指導のもと、独自に調査したものだ。一般的に目が疲れると目のピント調節能力が低下するため、物がはっきり視認できる範囲の最も近い距離(調節近点距離)が次第に遠くなることに着目し、ディスプレイの使い方を変えつつ、1日のPC作業前後に目の調節近点距離がどのように変化するかを近点計(KOWA NP アコモドメーター)で調べた。

 調査には同社のWUXGA(1920×1200ドット)対応24.1型ワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2431W-E」を使用した。被験者は普段からオフィスでVDT作業を行っている20〜30代の男女11人だ。

 調査は3つの測定条件で行った。1つ目はS2431W-Eを100%の輝度(約450カンデラ/平方メートル)で使用した場合、2つ目は周辺光量の違いに応じて輝度を自動調整する独自機能「BrightRegulator」を使用した状態に相当する適切な輝度設定(周辺は照度500ルクス、画面輝度は約100カンデラ/平方メートル)の場合、3つ目は適切な輝度設定かつ厚生労働省によるVDT指導を実施した場合となっている。

 厚生労働省によるVDT指導とは、同省が2002年に発表した「VDT作業における労働安全衛生管理のためのガイドライン」に即したもので、1時間に10分間の定期的な作業休止、適切な作業姿勢の保持、適切なディスプレイの高さや角度の調整といった内容だ。

VDT症候群の調査方法

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