家庭向けサーバOSのWindows Home Serverは、英語版がすでに販売されているが、今回登場する日本語版では、「Power Pack 1」を適用して出荷される。マイクロソフトは8月30日の出荷開始に合わせて、同日、秋葉原カフェソラーレにて「Windows Home Server 提供開始イベント」(13時〜18時)を開催する予定だ。
なお、先行して販売されていたこともあって、Windows Home Server英語版のユーザーも多い。これらのユーザーには、日本語版の導入に関する技術的な支援(ドキュメント)が用意されるが、英語版から日本語版への安価なアップグレードパスは「検討はしているが確定したものではない」とのことだ。
マイクロソフトの業務執行役員 本部長 サーバプラットフォームビジネス本部の五十嵐光喜氏は、Windows Home Serverを「今までにないカテゴリーの製品」と紹介している。最近では家庭内に複数台のPCが導入されており、各個人専用のPCを所有してるケースも多い。しかし、ほとんどの場合、デジタルカメラのデータや音楽データなどを各個人が自分のPCにそれぞれ保存しているのが現状だ。しかし、家族全員にとって大切なデータは家庭内にあるすべてのPCで共有したい。
Windows Home Serverは、これまで別々に保存されていた音楽や写真などのデータを一元管理しデータを予期せぬアクセスから保護するとともに、家庭内ネットワークからも外部のネットワークからもアクセスできる機能を提供するものと、五十嵐氏は説明した。もちろん、共有してアクセスできるのは写真や音楽などのメディアデータに限らない。家庭内のホビーユースだけでなく、SOHOにおけるワークデータの共有にもWindows Home Serverは活躍する。
Windows Home Serverの対応パートナーとして、英語版の発売当初より導入製品を扱ってきたショップブランドPCベンダーとともに、日本語版の登場によって、新たにNEC、ロジテック、エプソンダイレクト、デルから導入製品が出荷される予定だ。また、Kaspersky LabsがWindows Home Server対応のアンチウイルスソフトを提供するほか、Streaming 21がWindows Home Serverベースのストリーミング製品を販売する。
マウスコンピューターの代表取締役社長である小松永門氏は、Windows Home Server導入製品をこれまでも出荷しているが、ユーザーからは「日本語版が欲しい」という要望が大きかったことに加えて、英語版ということで購入をあきらめるユーザーもあったことを紹介している。そういうユーザーを取り込む可能性のある日本語版の登場に、小松氏は「ワクワクしている」と期待を表している。
同社では、従来から販売しているHDDを4基搭載可能なコンパクトモデルとともに、さらに小さな「3リットル」シャーシモデルを投入すると発表した。この新モデルは最小構成価格が5万円からと、導入コストを抑えたエントリークラスの製品となる予定だ。Windows Home Server日本語版搭載モデルは9月1日より販売を開始する。
エプソンダイレクト取締役の河合保治氏は、新製品「Endeavor SV110h」を紹介した。小型ボディの「Endeavor ST110」をベースに、Windows Home Server 日本語版を導入した構成で、最小構成なら7万9800円からという低価格が特徴の製品だ。河合氏は、エプソンダイレクトならではのサポート体制などを紹介しつつ、個人事業主、SOHOでも活用できる製品としてSV110hを使ったもらいたいと述べている。販売は9月下旬から開始される予定だ。
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