――新製品は「Extreme III」の名称でリリースされます。なぜ既存製品比で50%ものパフォーマンスアップ(既存のExtreme IIIは20MB/s)がありながら「IV」としなかったのでしょう。
パーク氏: 「III」はプロシューマ向け製品に冠するネーム、「IV」はプロフェッショナル向け製品に冠するネームと分けているのですが、それはあくまでも組み合わされるカメラのレンジに応じたものです。D90もプロフェッショナル向けではなく、プロシューマ向け製品ですよね。
「IV」と名付けてしまうと、CF(Extreme VIやExtreme Ducati Edition)のように40MB/sや45MB/sの速度を持つと誤解され、混乱を招いてしまうのではという不安もありました。ハイパフォーマンス製品ながらも「III」と名付けざるを得なかったことは、私たちにとってもジレンマだったのですよ(笑)
――最近ではカメラだけではなく、ビデオカメラでも記録メディアにメモリを採用する製品が増えています。この傾向についてはどうとらえていますか。
パーク氏: フラッシュメモリの価格下落もあり、ビデオカメラでもメインのメディアとしてメモリカードが使われるようになってきています。これは良いタイミングだと歓迎し、特にハイビジョンビデオカメラ向けの製品には注力しているところです。
テープメディアの表示(ラベル)は「分」ですよね。それに、イベントごとにメディアが保存されるというのも、カメラにはない文化です。そこで「Video HD Card」という製品を今年から販売しています(日本では近日発売予定)。ハイビジョンビデオカメラでの利用に適した高いパフォーマンスを持ち、「分」がラベル表示されているのが特徴です。“選択時に迷わない”製品として訴求していきたいと考えています。
――フラッシュメモリの価格下落は激しいですが、どのように対処していくプランを持っていますか?
パーク氏: メモリの価格が下落していることは確かです。年間30〜40%のペースで下落しており、これは業界の流れなのです。ですが、同時に容量も増加しており、去年の512Mバイト製品と、今年の2Gバイト製品には同じ価格のタグが付いています。ユーザーからみれば、同じ値段で大容量のメモリカードが買えることになりますね。
メモリの低価格化と大容量化が進めば、新しい用途が生まれます。ビデオカメラやPC向けSSDがその代表例といえます。そうした新たな製品へ向けてフラッシュメモリを提供していきたいと思っています。そうした意味では、価格の低下は歓迎すべき状況といえます。
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