“いつでもどこでも使える”ノートPCを目指して――デル「Latitude E」発表これが14年の集大成(1/2 ページ)

» 2008年09月03日 00時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

全方位的に仕様を強化した新Latitude

デザインを統一してフルモデルチェンジしたLatitude Eシリーズ

 デルは9月2日、ビジネス向けノートPC「Latitude」とモバイルワークステーション「Precision」をモデルチェンジしたと発表した。Latitudeのラインアップはモバイル向けの「E4200」と「E4300」、メインストリーム向けの「E6400」と「E6500」、エントリー向けの「E5400」と「E5500」、そして堅牢ボディの「E6400 ATG」が用意される。Precisionは「M2400」と「M4400」の2モデル展開だ。発売日はE4200とE4300が9月中旬の予定、それ以外のモデルは販売が開始されている。

 Latitudeの新モデルは、45ナノプロセスルールで製造されるCore 2 Duoを全面的に使用し、E6400とE6500にDisplayPort出力、E4200、E4300、E6400、E6500にeSATA共用のUSB 2.0ポートや、電源オフ時でも接続した機器に電源を供給できるUSB 2.0ポートを設けるなど、基本スペックを強化している。

バックライト付きキーボードのオプションも用意された

 ボディは新開発され、マグネシウム合金製のシャーシと金属製ヒンジ、一部モデルではLEDバックライト付きキーボードも採用する。デルの法人向けノートPCとしては初めてカラーバリエーションも用意した。E4200、E4300、E6400、E6500はマイカブラッシュドメタル、レガッタブルー、リーガルレッドの3色展開。E5400とE5500のカラーはマットブラックとなっている。ポートリプリケータやドッキングステーションといった周辺機器はシリーズ内で共有でき、ホットプラグで手軽に着脱可能だ。

 ビジネス向けの機能としては、電力管理、接続設定、セキュリティ管理を一元化するソフト「ControlPoint」を搭載。E4200とE4300には、専用の低電圧サブプロセッサとLinux系OSを用いることで、Windowsを起動せずにメールやカレンダー、添付書類、連絡先リスト、Webページにアクセスできる「Latitude ON」機能のオプションが11月に提供される予定となっている。

 そのほか、法人向けのサービスでは、バッテリー交換サービスやHDDデータ復旧サービス、HDDデータ破壊サービス(証明書付き)を提供する。また、GPSで紛失したノートPCの所在を追跡し、遠隔操作でデータを消去するサービスにも対応する予定だ。

デジタルノマドの要求を満たすために

代表取締役社長のジム・メリット氏

 製品発表会ではデル代表取締役社長のジム・メリット氏が登壇し、ビジネスノートPC事業の動向や新製品の開発コンセプトを説明した。

 まずは、「1994年に初めてLatitudeをリリースして以来、出荷台数は5300万台にのぼり、この1年間ではノートPCだけで50%の出荷増を記録している」とLatitudeシリーズの好調ぶりをアピール。Latitude Eシリーズの開発コンセプトについては、PCやネットワーク環境の進化によって、いつでもどこでも簡単にノートPCをネットワークに接続して使いたいと望むビジネスユーザーを「デジタルノマド」と位置付け、こうしたユーザー層の要望に応えるための製品を目指したという。

 具体的には、オプションと組み合わせて最長19時間のバッテリー駆動をうたうE6400、重さ1キロを切る軽量のE4200、どこでも作業できるLEDバックライト付きキーボード、耐衝撃性に優れたSSDや落下センサ付きHDD、堅牢性に配慮した金属ボディ、さまざまなセキュリティ機能などで、デジタルノマドの要求を満たすとした。

製品概要を説明したクライアント・マーケティング本部ディレクターの常松正樹氏は、E4200のACアダプタを胸ポケットから取り出し、その薄さと軽さを紹介した(写真=左)。デジタルノマドの要求を満たすLatitude Eシリーズの各機能(写真=中央)。DisplayPort対応の液晶ディスプレイやドッキングステーション、ポートリプリケータなど、Latitude Eシリーズが共通して使えるオプション類も展示した(写真=右)

13.3型ワイド液晶搭載モバイルノート

「Latitude E4300」

 Latitude E4300は同E4200の上位に位置するモバイルノートPC(E4200については、こちらの記事を参照)。1280×800ドット表示のLEDバックライト付き13.3型ワイド液晶ディスプレイを備えている。

 CPUは通常電圧版のCore 2 Duoで最大SP9400(2.4GHz/2次キャッシュ6Mバイト/FSB 1066MHz)、チップセットはIntel GS45 Expressだ。メモリは最大8Gバイト(4Gバイト×2)のDDR3 SDRAM、データストレージは250GバイトのHDDや64GバイトのSSDが選べる。光学ドライブのベイには、8倍速DVD±RWや8倍速DVD-ROM、トラベルモジュールを搭載できる。

 インタフェースは2基のUSB 2.0(1基はeSATA共用、もう1基は電源オフ時における外部機器への電源供給に対応)、IEEE1394、ドッキングステーション用コネクタ、アナログRGB出力、1000BASE-Tの有線LAN、ヘッドフォン、マイク、ExpressCard/34スロット、SDメモリーカード/MMCスロット、TPM 1.2セキュリティチップなどを装備。ワイヤレス通信機能は、Intel Wireless WiFi Link 5300(IEEE802.11a/b/g/nドラフト 3×3)やBluetooth 2.1を選べる。

 そのほか、オプションでWebカメラや、バックライト付きキーボード、スマートカードリーダー、非接触型スマートカードリーダー、指紋センサなどに対応する。ポインティングデバイスはタッチパッドとスティックのデュアル構成だ。

 バッテリーは3セル、6セルのプライマリバッテリに加えて、底面に装着する板状のバッテリスライス(6セル)を組み合わせることもできる。本体サイズは310(幅)×217.4(奥行き)×25.4〜29.2(高さ)ミリ、重量は3セルバッテリー装着時で約1.5キロ。

 OSはWindows Vista Ultimate/Business/Home Basicの日本語版/英語版を用意し、Vista Businessは64ビット版も選べる。また、Windows XP Professionalへのダウングレードにも対応する。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  9. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー