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さらに使いやすい「マイミーオ」と市場を開拓する「ジャスティオ」ブラザー新製品発表会

» 2008年09月03日 21時00分 公開
[ITmedia]

創業100周年のブラザー、2012年には1兆円規模の企業へ

ブラザー工業 代表取締役専務執行役員 古河勇治氏

 ブラザーグループは2008年の今年、創業100周年を迎える。1908年に始まった同社の基幹事業は、当初のミシンからプリンティングをはじめとする情報通信機器へとシフトし、いまでは世界中に42の販売拠点を持つ企業へと成長した。

 新製品発表会では、ブラザー工業代表取締役専務の古河勇治氏が登壇し、同社の歴史を振り返りつつ、現在の事業概要と業績を紹介。グループ売上高の構成比が欧米で65%を超えていることや、そのうち7割以上がプリンティング事業によるものであることなどを説明し、ここ12年連続で増収している連結売上高を示して、同グループの堅調ぶりをアピールした。

ワールドワイドで42の販売拠点と19の生産拠点を持つブラザーグループ(写真=左)。その売り上げ構成比は、日本よりも欧米が圧倒的に高い(写真=中央)。グループの連結売上高は右肩上がりに成長してきた(写真=右)

 また、2003年度から始まったグループ全体の成長戦略「グローバルビジョン21」がいよいよ第3フェーズに入ったと語り、2012年には売上高で1兆円、営業利益で1000億円を目標にした高収益体質の企業をめざすとした。その目標達成のカギとなるのが、グループ売上高構成比で72.8%を占めるプリンティング事業だ。特に同社は、2007年よりホーム向けのマイミーオとスモールオフィス向けのジャスティオという2大ブランドでカラーインクジェット商品群を展開している。同氏は「“カラーのブラザー”としての認知をさらに広めていく」と述べ、昨年に続く目標を改めて強調した。

同社の成長を支えるプリンティング事業(写真=左)。同社の中長期的成長戦略「グローバルビジョン21」は第3フェーズに入った。昨年示されたロードマップよりもやや前倒しされている?(写真=中央)。チャレンジ目標として2012年に1兆円規模の企業を掲げている(写真=右)

「これからはリビング複合機」――タッチパネルを採用したマイミーオ

マイミーオ新モデル

 続いてブラザー販売代表取締役社長の片山俊介氏が登壇し、新製品の概要を説明した。ホームユーザー向けインクジェット複合機「マイミーオ」には、今回8モデルが投入される。

 まず目を引くのが、FAX付き複合機の上位モデル「MFC-930CDN」と「MFC-670CD」に、シリーズで初めて4.2型のタッチパネル液晶を採用した点だ。液晶画面上に機能別のアイコンが表示されるインタフェースで、ほとんどの操作を画面にタッチするだけで行える。さらにMFC-930CDNには、携帯電話などの赤外線機能を搭載した端末から直接マイミーオに写真を転送してプリント行う「Ir Simple」機能も追加された。

 また、全モデル共通の特徴として新プリントエンジンの搭載や新開発のカラーマッチング技術の採用もポイントだ。インクの着弾性能を引き上げた新エンジンでは、3種類のサイズの液滴をむらなく吐出することで写真画質を向上。新しいカラーマッチングでは、4色でも6色並みの色表現を実現したという。なお、MFC-930CDNとMFC-670CDには、それぞれ2台の子機を付属した「MFC-930CDWN」「MFC-670CDW」もラインアップされている(本体側の仕様は同じ)。

「MFC-670CD」(写真=左)と「MFC-930CDN」(写真=中央)は、シリーズ初のタッチパネル液晶を採用し、直感的に操作できる“使いやすさ”をアピールしている(写真=右)

 片山氏は、ホームユーザー向けのプリンタ市場で複合機化の流れが加速しているとし、「FAXについても同様にこの流れが進むと考えている。FAXの複合機化を軸にマイミーオを拡大していく」と今後の方針を説明。「これからはリビング複合機」というコンセプトで商品を展開し、FAX付き複合機で販売シェア80%をめざすとした。

プリンタ単体機と複合機の比率はすでに逆転している。今後はFAXの複合機化を軸にマイミーオの拡大をめざす(写真=左)。同氏はマイミーオユーザーのアンケートの調査結果を紹介し、設置場所にリビングが多い理由として、そのデザイン性やFAX機能が顧客ニーズに合致したと説明する(写真=中央)。今回発表された新モデル。このうち上位2モデルには、子機が2台ついたモデルが用意される(写真=右)

マイミーオ新モデルの概要
モデル名 MFC-930CDN(CDWN) MFC-670CD(CDW) MFC-490CN DCP-535CN DCP-385C DCP-165C
基本機能 FAX、プリンター、コピー、スキャナー FAX、プリンター、コピー、スキャナー FAX、プリンター、コピー、スキャナー FAX、プリンター、コピー、 FAX、プリンター、コピー、 FAX、プリンター、コピー、
製品特徴 4.2型タッチパネル液晶、有線/無線LAN、ADF、Ir Simple 4.2型タッチパネル液晶 3.3型液晶、有線/無線LAN、ADF 3.3型液晶、有線/無線LAN、ADF 3.3型液晶
印字速度 カラー27枚/分、モノクロ33枚/分 カラー27枚/分、モノクロ33枚/分 カラー27枚/分、モノクロ33枚/分 カラー27枚/分、モノクロ33枚/分 カラー25枚/分、モノクロ30枚/分 カラー25枚/分、モノクロ30枚/分
本体サイズ 460×375×180mm 460×365×150mm 390×375×180mm 390×375×180mm 390×365×150mm 390×365×150mm
予想実売価格 4万円(4万8000円) 3万円(3万8000円) 2万5000円 1万8000円 1万4000円 1万2000円
発売予定日 10月下旬 10月下旬 10月初旬 11月中旬 10月初旬 10月初旬

「スモールオフィスにちょうどいい」――世界最小のA3対応ジャスティオ

ジャスティオ新モデル

 一方、ジャスティオシリーズには、A3プリント/A3スキャンに対応した「MFC-6490CN」と、A3プリント(スキャンはA4まで)対応の「MFC-5890CN」が投入される。最大の特徴は、「A3対応機でありながらデスクのわきや店舗のカウンターにも設置できる」(片山氏)という世界最小のコンパクトサイズだ。もちろん、コピー機ベースの業務向け製品に比べると導入コストも低い。

 同社は2007年にスモールオフィスに特化したラインアップとしてジャスティオブランドを立ち上げ、これまで省スペース設計を前面に押し出したコンパクトなA4対応機を中心に展開してきたが、「SOHOユーザーのニーズは千差万別で、国内には“A3のライトユーザー”も存在する」(片山氏)とし、この“空白地帯”にソリューションを提供することで「新しい市場を創出していく」という。販売台数ベースで年間6万台をめざす。

これまでA4用途の幅広いニーズをカバーしてきたが、ターゲットを“A3ライトユーザー”にも拡大していく

ジャスティオ新モデルの概要
モデル名 MFC-6490CN MFC-5890CN
基本機能 FAX、プリンター、コピー、スキャナー FAX、プリンター、コピー、スキャナー
製品特徴 A3プリント、A3スキャン A3プリント
印字速度 カラー28枚/分、モノクロ35枚/分 カラー28枚/分、モノクロ35枚/分
本体サイズ 540×488×323mm 485×408×242mm
予想実売価格 5万5000円 4万円
発売予定日 10月初旬 10月下旬

「機械オンチのわたしにも使いやすい」――小林麻央さんが登場

小林麻央さん

 マイミーオとジャスティオのイメージキャラクターには、昨年に引き続いて小林麻央さんが起用される。同日の発表会では、小林麻央さんが出演するマイミーオの新CM「消せないデータ」「なつかしい写真」「お店の地図」が披露されたほか、彼女自身によるトークセッションも行われた。

 麻央さんは、自分の子供時代の写真を使った新CM(なつかしい写真)について、「姉に比べると写真が少なくて、特に自分だけが写っている写真を見つけるのが大変でした」などと苦労話を語ったり、(マイミーオは)「キレイにプリントアウトできるし、SDをさすだけでプリントできるので機械オンチのわたしでも使いやすい。仕事でも欠かせないものになってます」と、実際に自宅で活用しているエピソードを紹介した。なお、小林麻央さんは2008年9月4日に東京国際フォーラムで開催されるBrother World JAPAN 2008の主催者講演でもスペシャルゲストとして登場する予定だ。

新製品発表会でトークセッションを行った小林麻央さんは、プリントサンプルにプライベート写真を使っていた

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