ネット上では、その存在が夏あたりからうわさされてきたEee PCの新しいラインアップ「S101」が、10月7日にASUSから発表された。COMPUTEX TAIPEI 2008でも10.2型ワイド液晶ディスプレイを搭載した新モデル「Eee PC 1000」「Eee PC 1000H」が紹介されているが、ASUSが作成した「S101」のパンフレットに描かれたコンセプトイメージは「羽」で、薄くて軽いデザインがS101の重要な要素として訴求されている。
7インチから8.9インチワイドとサイズアップしてきた液晶ディスプレイは、S101で10.2型ワイドとなり、ボディのフットプリントもそれに伴い大きくなったようだが、重さは1キロと、従来のEee PC 901-XやCOMPUTEX TAIPEI 2008で説明されたEee PC 1000とEee PC 1000Hと重さより、わずかながら軽くなっている(後述するが、バッテリー駆動時間はEee PC 1000とEee PC 1000Hより短くなっている)。
ASUSが用意したパンフレットによると、S101のボディは厚さ18ミリ(なお、デザインチームが示したスライドには厚さ24ミリとある)、発表会開始の段階でフットプリントは明らかにされていない。ASUSは、動作時発生音が25デジベル以下という静音性能も訴求している
ボディに用意されたインタフェースは従来のEee PCとほぼ共通するが、そのレイアウトは大きく変わった。左側面にあるのは2つのUSBだけ(写真=左)。右側面もUSBが1つにマイクとヘッドフォンの端子があるだけと(写真=右)、側面は実にシンプルな構成になっている。その分、背面に搭載されたインタフェースは多く、アナログRGB、有線LAN、電源コネクタ、セキュリティロックコネクタが用意されたほかに、SDメモリーカードスロットまで背面に移された。
液晶ディスプレイのサイズは10.2型ワイド。原稿執筆時点で最大解像度は不明(展示機材にはWSVGAと記載されているので、1024×600ドットか?)だ。液晶ディスプレイの上には、有効30万画素(130万画素の誤りか?)のWebカメラが内蔵されている。
10.2型ワイドの液晶ディスプレイを搭載してボディのフットプリントが拡張されたおかげで、キーボードのレイアウトに無理はなく、ピッチはほぼ均等になっている(ただし、ここにあるのはASCII配列だが)。数字キーの「1」と「6」のデザインがほかと異なっているが、ここに「ショートカット」を割り当てることが可能とASUSスタッフは説明している。
バッテリーパックは横幅一杯に取られた比較的大型のものだが、容量は7.4ボルト、4900ミリアンペアアワーと、Eee PC 901-Xの7.4ボルト 6600ミリアンペアアワーより減っている。ASUSの資料では従来のEee PCでも導入されていた「Super Hybrid Engine」によってバッテリー駆動時間は5時間以上とされている。
また、バッテリーパックはパームレストの下に内蔵されるため、熱を発するシステムボードは奥に搭載された。このおかげで、パームレストが熱くなって不快にならないことが期待できる。ASUSの資料でも「パームレストがCOOL」とアピールしている。
なお、展示機材の底面には、その機材のスペックリストが添付されていた。参考までに、そのリストで確認できたシステム構成を挙げておくと、CPUは不明(Eee PC 901-XはAtom N270(動作クロック1.6GHz)を搭載する)、メモリはDDR2-667を1Gバイト、データストレージは16GバイトのSSD、Bluetoothモジュールを搭載し(展示機材にはEeePC 901-Xと同じ、AW-BT253が実装されていた)、無線LANはIEEE 802.11 b/g/n(nはドラフト2.0準拠)に対応する(正確には、IEEE 802.11 b/g/nに対応するAW-NE771が評価機材に搭載されていた)。
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