デルの10万円切りスリムノート「Inspiron Mini 12」をテストするで、実際のところは!?(1/2 ページ)

» 2008年10月28日 11時11分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

店頭向けの上位モデルをテスト

 デルが新たに投入した「Inspiron Mini 12」だが、Netbook用のAtom(開発コード名:Diamondville)と異なる開発コード名「Silverthorne」と呼ばれる低消費電力のAtomを搭載するほか、OSにWindows XPよりも動作が重いWindows Vistaを採用しながら、メモリが1Gバイト固定で増設不可という制約を抱えている。実際のパフォーマンスはどうなのか、日本語キーボードを採用した店頭向けの上位モデルを試してみた。

12.1型ワイド光沢液晶ディスプレイを備えた「Inspiron Mini 12」(写真=左)。店頭モデルでは日本語キーボードを採用する(写真=中央)。英語キーボードは11月下旬に発売予定の直販モデルで選択が可能だ(写真=右)


OSにWindows Vista Home Basic(SP1)を採用

システムのプロパティ画面

 上の記事での触れた通り、本機はMID(Mobile Internet Device)向けのCPUであるAtom Z500シリーズを搭載し、OSもWindows XP Home Edition(SP3)ではなく、Windows Vista Home Basic(SP1)を採用しているのが目を引く。特にCPUとグラフィックス機能を統合したチップセットのIntel SCH(システム・コントローラー・ハブ:Intel AF82US15W)、そして1Gバイトのメモリを1枚の専用モジュールで提供しているのが本機のミソだ。メモリの増設などユーザビリティーは損なうが、低価格化とともに今後の仕様強化が迅速に行える。実際、本機の内部は半分近くが空きスペースで、非常にゆとりがある。

 1.8インチHDDは右パームレスト直下にあり、評価機にはSamsungのHS082HB(5ミリ厚/容量80Gバイト)が内蔵されていた。HDDは衝撃を吸収するべくゴムカバーで覆われており、これを外せばより厚みのあるドライブに換装可能だが、あまり現実的ではないだろう。ちなみに、CPUやチップセットの熱は放熱板経由でキーボードユニットに伝えられる仕組みで、システムに高い負荷を与えると「K」キーを中心にキーボード面と底面がやや熱を持つが、それもほんのり暖かくなる程度で済む。同じファンレス仕様のInspiron Mini 9よりも発熱が明らかに低く、ほぼ無音に近い動作音とあわせて本機ならではのアドバンテージといえる。

CPU-Z 1.4.7の画面。45ナノメートルの製造プロセス、512Kバイトの2次キャッシュ、1.6GHzの動作クロックなどが分かる

12.1型ワイドの光沢液晶ディスプレイを搭載する(写真=左)。こちらはIntel Graphics Media Accelerator 500のプロパティ画面(写真=中央と右)

シンプルな2ボタン式のタッチパッドにはシナプティクス製のドライバが導入されている

標準装備の無線LAN(IEEE802.11b/g)とBluetooth V2.1+EDRはユーティリティの「Wireless Select Switch」でオン/オフを切り替える(写真=左)。タスクトレイに常駐し、どちらか一方だけを使うこともできる。BluetoothのモジュールはBroadcom製だ(写真=中央)。液晶ディスプレイ上部に内蔵される130万画素のWebカメラを活用するためのソフトウェア「Webcam Central」(写真=右)。ビデオチャット用のソフトウェアも用意されている

初期状態のHDD構成(写真=左)。工場出荷時のイメージがDドライブに格納されているが、DVDメディアでOS(Windows Vista Home Basic)とドライバが付属する。標準状態のWindowsモビリティセンター(写真=中央)。同社のStudioシリーズでも採用されているランチャの「DELL DOCK」(写真=右)。細かなカスタマイズが可能だ

評価機のデバイスマネージャ画面

 次のページでは、各種ベンチマークテストの結果や、起動時間および休止状態への移行時間などをInspiron Mini 9と比較する。

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