11月15日の21時以降、アキバ電気街は静まるどころか、徐々に活気に包まれていった。既報のとおり、PCパーツショップ8店舗が深夜イベントを予定しており、21時から22時半のあいだに各ショップが営業を再開。この夜だけの特価キャンペーンやオークションなどを開催し、集まったユーザーを楽しませた。
深夜イベントの主役は、16日0時から販売が始まるインテルの新世代CPU「Core i7」と、対応するチップセット「Intel X58 Express」搭載マザーだ。各ショップは、事前に前売り券を販売して0時に製品と交換する手法を取っているため、Core i7目的のユーザーも行列に並んで退屈する時間も少なく、各ショップのイベントをはしごすることができた。
集まったユーザーは400人前後と思われる。2008年1月の新型Core 2 Duoイベント時に比べて人数は少なかったものの、ユーザーが多かったPCパーツショップ密集エリアはお祭り騒ぎが何時間も続いた。
イベントに最も力を入れていたのは、ドスパラ秋葉原本店だ。インテルの“神様”こと天野氏やプリマベーラなどが同店1階の特設会場に集い、Core i7の魅力をアピールした。ゲストに呼ばれた声優の古谷徹氏は「最新最強のパーツを購入しているのに、最近忙しくて自作できなかった。そろそろ組めるかなと思ったら、このイベント。Core i7が出たら、最強じゃなくなるじゃん」と話しながらも、新CPUに魅了されている様子だった。
今回確認した中で最も行列が長かったのはT-ZONE.PC DIY SHOPだ。22時ごろに70〜80人がつめかけ特価品販売分が完売になったほどの好評振りだった。店員氏は「予想以上に集まっていただいてうれしいです。だけど、半数以上の人がHDDやグラフィックスカードなどの特価品目当てなので、Core i7が売れるのがちょっと心配です」という。
同店の行列の先頭にいた男性も「目当てはCore i7? いえ、7000円の1TバイトHDDです」と明言している。実際、深夜販売イベントは主役パーツに目もくれず、特価品に狙いを絞る人が少なからずいるのだ。今回も「PhenomやAthlon X2が意外と好調に売れています!」とのコメントを2店舗で聞いた。
いちユーザーとしてアキバを訪れていたマイクロソフトの森洋孝氏も、Core i7と全然関係ない液晶ディスプレイを購入している。それでも、各ショップのイベントを眺めながら「Core i7は64ビット版Vistaでかなりのパフォーマンスを発揮するようです。これを機に64ビット版Vistaも盛り上がるといいですね」と、新CPUに期待を寄せていた。
PCパーツショップ密集地以外も、この夜は熱かった。フェイス本店は恒例のオークションで店舗前に人だかりを作ったほか、急きょCore i7とX58マザーで2000円引きという特価を追加して、ユーザーを喜ばせた。「TSUKUMO eX.さんが同条件で1000円引きとしていたので、負けてられるかと勢いで決めました」(フェイス本店)とのこと。
そのTSUKUMO eX.は、恒例の風船割りイベントなどは行わなかったが、店外にCore i7やX58マザーをズラリと並べて、観衆の物欲を誘っていた。また、マウスコンピューター秋葉原店ダイレクトショップでは、プレイベントとして30個限定の500円福袋を販売したところ、「3〜4分で完売しました。予想以上で驚いています」というほどの反響があり、0時を前に勢いをつけていた。
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