そして23時50分。各ショップはカウントダウンの体制を整え、おのおのが用意したくす玉などをお披露目する。カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店では、閉まっていたシャッターが再び開き、一大セレモニーが幕を開けた。
特設ステージには、今回深夜イベントに参加した各ショップの代表が並び、中央にインテル社長の吉田氏と、このイベントのために米国からかけつけた本社副社長のSteven J. Dallman氏が立った。吉田社長は「Core i7は自作系やゲーマーの方にまず楽しんで欲しい。だから世界に先駆けて、このアキバで最初に売ると決めました」と語り、Dallman氏も、打診があってアキバ行きを即答した、と熱意を伝えた。
なお、中央にはCore i7のロゴをあしらった特製ケーキが2個置かれており、吉田社長のスピーチ中に、片方のプレートが倒れかけた。Dallman氏が何度も支えようと手をかけており、ジョークを交えてハプニングを笑いに変えていた。
そして、0時の10秒前からカウントダウンが行われ、豪勢なくす玉が割られた。各ショップで一斉にCore i7とX58マザーの発売が始まり、人の動きがにわかに激しくなる。
この盛り上がりのなか、インテルのコンシューマー・コンピューティング担当 PRマネージャーの青木哲一氏は「本当にたくさんの方に集まっていただいて感謝しております。報道陣ばかりで、お客さんは集まらないんじゃないかと不安もありました。本当に良かったです。ありがとうございます」と率直な感想を語った。
なお、今回のイベントが“深夜販売イベント”ではなく“深夜イベント”だったことについては「発売日を発表する前だったので、ショップ様にご協力いただきました。発表はまもなくですが、日本では是非週末に発売したいと考え、今回のような措置をとらせていただきました」とのこと。
今回の深夜イベントで最も人気が高かったのは、最上級モデルだ。CPUでは11万円台のCore i7 Extreme 965で、X58マザーはASUSTeKの4万5000円前後するハイエンドモデル「Rampage II Extreme」となる。なお、Core i7シリーズでは、Extreme 965だけが黒いパッケージを使用しているため、方々から「今回は黒いのが売れた」という評価を聞いた。
フェイス本店は「組み合わせて買うと17万円前後する高級品ですが、入荷分以上の問い合わせを受けました。もっと入荷しておけば良かったと後悔しつつも、これ以上は数が確保できなかったとも思います……」とくやしそうに語る。
ソフマップ リユース総合館も「3万円台のCore i7 920が一番人気になると思ったんですが、今回はハイエンド志向のユーザーが集まったため、最上位モデルから順に売れていきましたね。夜が明けた通常販売からはCore i7 920中心になるかと思います」と話している。
これらの結果をうけ、ユニットコムの取締役である神崎 英次氏は「人数は2008年1月の新型Core 2 Duoより少なかったですが、よりコアな人たちが集まった印象ですね。こういったイベントは今後も積極的にやっていきますよ。特に今は九十九電機さんがしんどい状況なので、我々がより盛り上げていきたい。今の状況で1つでもショップが欠けるのは街全体の損失ですからね」と、電気街の将来も視野に入れて語った。
ちなみに、Core i7が好調に売れる一方で、X58マザーの不具合情報も店頭で伝えられていた。T-ZONE.PC DIY SHOPは、インテル純正マザー「BOXDX58SO」について、「当店で確認したところ、LG電子やNECのSerial ATA型光学ドライブが利用できない不具合がありました。BIOSのアップデートで対応できるので、購入された方はオーバークロックよりもまず、BIOSのアップデートを行ってください」と伝えていた。同店はBOXDX58SOを、最新BIOS入りのUSBメモリとセットで販売している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.