“華麗なるミニノート”――ASUS「Eee PC S101」の真価を問う(中編)分解して内部に潜入(1/2 ページ)

» 2008年11月17日 12時35分 公開
[前橋豪,ITmedia]

デザインに注力したS101は、内部も洗練されているか?

「Eee PC S101」は3色展開。写真のカラーはシャンパンだ

 ASUSTeK Computer(ASUS)が11月6日に発表した「Eee PC S101」は、スタイリッシュな薄型軽量ボディをまとったEee PCシリーズの最新作だ。

 Atom N270(1.6GHz)を搭載した低価格ミニノートPC(いわゆるNetbook)のカテゴリにありながら、ボディの質感や薄型軽量化、パフォーマンス、静音性、放熱性など、至るところにこだわることで、これまでのEee PCとは違う高級志向のモデルに仕上げているのが目を引く。

 PC USERでは11月22日の発売に先駆けて日本版の実機を入手し、検証を行っている。前編では、S101のデザインをはじめ、携帯のしやすさ、液晶ディスプレイの品質、キーボードの使い勝手、基本スペックなどについて、現行モデルの「Eee PC 901-X」や「Eee PC 1000H-X」と比べながらチェックした。中編ではS101を分解し、その内部構造に迫る。


SSDへのアクセスには完全な分解が必要

 まずは、高さ18〜25ミリ、重量約1.06キロという薄型軽量ボディの中身を分解して内部構造に迫ってみよう。

注意

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。


 メモリスロットへのアクセスは簡単で、底面のネジ1本を回してカバーを取り外すだけで済む。メモリスロットはSO-DIMMスロットが1基あり、そこに1GバイトのPC2-5300 DDR2 SDRAM対応モジュールを標準装備している。ほかのNetbookと同様、メモリスロットは1基しかないので増設の際は標準搭載のモジュールとの交換になる仕組みだ。メーカーのサポート外になるが、手持ちの2Gバイトメモリ(PC2-5300)を何枚か差し替えてみたところ、問題なく2Gバイトと認識された。

 容量16GバイトのSSDは、901-XのようにMini PCI Express型のモジュールとなっている。こちらにアクセスするには、本体を分解してマザーボードを取り出さなくてはならない。実際の作業工程は以下の通りだ。

工程1 底面のバッテリーを外す

工程2 キーボードの上(F1/F6/F11/Insertキーの上)にある4つの小さなツメを押し込み、キーボードを持ち上げる

工程3 フラットケーブルを外し、キーボードを取り出す

工程4 キーボードの下にある各種フラットケーブルを外す

工程5 キーボードの下にあるネジ8本(うち1本は保証シールの下にある)を外す

工程6 底面のネジ13本(うち4本はバッテリーを外した場所)と、メモリスロットカバーのネジ1本を外す

工程7 メモリスロットの隣りにある無線LANモジュールから2本のアンテナケーブルを外す

工程8 ツメで固定された上面のカバー(パームレスト面)を液晶ディスプレイごとはがす

工程9 マザーボード上のネジ4本を外す

工程10 マザーボードの左上(裏側)に電池のケーブルがあるのでこれを外し、マザーボードを取り出す



 4本のツメで固定されたキーボードを取り外すと、「はがすと保証が無効になる」ことが記載されたシールがある。分解にはこのシールをはがす必要があるので要注意だ。このシールの下にある1本のネジを含め、表面と裏面のネジをすべて外すことで、トップカバーを固定するのはツメだけになるので、ツメを破損しないように慎重に引きはがしていく。トップカバーは液晶ディスプレイごとはがれる。

 カバーをはがすと、その下にマザーボードが現れるので、あとは基板に接続された各種ケーブルと基板上のネジを外せば、マザーボードを取り出すことが可能だ。マザーボードを取り出す際は、特に裏面の無線LANアンテナケーブルと電池ケーブルを外すのを忘れないように気を付けたい。

まずは底面にあるバッテリーを取り外す(写真=左)。キーボード上部のツメ4本を外すと、キーボードが上からはがせるが、キーボードはフラットケーブルで接続されているため、コネクタを上に持ち上げて外す(写真=中央)。キーボードを取り出すと、8本のネジと各種コネクタが現れるので、これらをまとめて外す(写真=右)。左下と右下のケーブルは、トップカバーを外してから引き抜いてもいい

キーボードを取り外すと、1本のネジの上に「はがすと保証が無効になる」ことが記載されたシールがあるが、分解するにはこれを含む8本のネジを外す(写真=左)。底面のネジ1本を回してカバーを開くと、SO-DIMMのメモリスロット1基と無線LANモジュールを搭載したMini PCI Express型のモジュールが現れるので、無線LANのアンテナケーブル2本を外しておく(写真=中央)。底面のネジをすべて外し、ツメで固定されたトップカバーを引きはがすと、マザーボードが現れる(写真=右)。あとは基板上のネジ4本を外せば、マザーボードが取り出せる

マザーボードを取り外したあとのボトムカバー(写真=左)。前面にステレオスピーカー、右側面の手前にBluetoothモジュールを搭載している。取り外したトップカバーの裏面には、パームレストの熱が拡散するようにシートが張り付けられていた(写真=中央)。取り出したキーボードユニットの裏面(写真=右)。キーボードはネジで1本も固定されていないので、何度も分解するとキーボードがたわみやすくなる可能性がある。その場合、キーボードの裏に両面テープなどを張ることで、たわみを抑えることができるだろう

 次のページでは取り外したマザーボードやSSDをチェックしよう。

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