2008年5月(米国は4月)に日本ヒューレット・パッカード(HP)から発表された「HP 2133 Mini-Note PC」は、同社直販のHP Directplusで5万9850円(発表当時、10月の値下げにより現在は4万4730円)という安価なミニノートPCとして、一足先に発売されていたASUSTeKのEee PCと並んで高い注目を集めた製品だ。
今回リリースされた「HP Mini 1000」は、HP 2133 Mini-Note PCの“弟分”として加わったもので、両モデルは今後も併売されていく。HP 2133がVIA C7-M ULVのCPUに2.5インチHDD、そしてOSにWindows Vistaを搭載していたのに対し、Atom N270(1.6GHz)のCPUにWindows XP Home Edition(SP3)を採用したHP Mini 1000は、まさに「イマドキのNetbook」らしいスペックを採用しているのが特徴だ。
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上位機のHP2133との比較は下記の表にまとめたが、主要キーで17.5ミリのキーピッチと2ミリのキーストロークを備えたキーボードを除けば、ほぼ別モデルといえるほど大きく異なっているのが分かる。HP 2133は、HDDを衝撃から守る「HP 3Dドライブガード」や米デュポン製のマイラーを張って塗装ハゲや液体から保護したり、アルミとマグネシウム合金にアルマイト加工を施すことで、金属的な質感を出しつつ堅牢性に秀でたボディを備えていたが、Mini 1000ではそれらの要素は省かれ、ほかのNetbookと同様にABS樹脂製のボディを採用している。一方で液晶ディスプレイ天面には同社製PCでおなじみの「HP Imprint」が導入され、光沢感のあるボディを獲得。デザインパターンには、渦の模様を模した「ZEN-design uzu」が導入され、独特の存在感を放つ。ボディカラーも黒を中心にスペシャルモデルで深紅の「HP Vivienne Tam Special Edition」が用意されるなど、ビジネス指向だったHP 2133に対し、よりコンシューマーPCらしい訴求が行われている。
HP Mini 1000の主なスペック | |||
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モデル | HDDモデル | 16GバイトSSDモデル | 8GバイトSSDモデル |
CPU | Atom N270(1.6GHz) | ||
メモリ | DDR2 1Gバイト | ||
メモリースロット | 200ピンSO-DIMM×1(空きなし) | ||
ストレージ | 60Gバイト(1.8インチHDD) | 16GバイトSSD+8Gバイトミニモバイルドライブ | 8GバイトSSD |
液晶ディスプレイ | 10.2型ワイド光沢(LEDバックライト) | ||
画面解像度 | 1024×600ドット | ||
グラフィックス | Intel GMA 950(チップセット内蔵) | ||
無線LAN | IEEE802.11g/b | ||
Bluetooth | Bluetooth 2.1 | − | |
有線LAN | 100BASE-TX/10BASE-T | ||
メモリカードスロット | SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロット | ||
Webカメラ | ○ | ||
スピーカー | 内蔵ステレオ | ||
バッテリー | 3セル | ||
バッテリー駆動時間 | 約3.3時間 | 約3.5時間 | |
ボディサイズ | 261.7(幅)×166.7(奥行き)×25.9(高さ)ミリ | ||
重量 | 約1.1キロ | ||
OS | Windows XP Home Edition(SP3) | ||
HP Directplus価格 | 5万4600円 | 4万9980円 | |
HP 2133 Mini-Note PCの主なスペック | ||
---|---|---|
モデル | ハイパフォーマンスモデル | スタンダードモデル |
CPU | VIA C7-M ULV 1.6GHz | VIA C7-M ULV 1.2GHz |
メモリ | DDR2 2Gバイト | DDR2 1Gバイト |
メモリースロット | 200ピンSO-DIMM×1(空きなし) | |
HDD | 160Gバイト(5400rpm) | 120Gバイト(5400rpm) |
液晶ディスプレイ | 8.9型ワイド光沢 | |
画面解像度 | 1280×768ドット | |
グラフィックス | VIA Chrome9 HC(チップセット内蔵) | |
無線LAN | IEEE802.11a/g/b | IEEE802.11g/b |
Bluetooth | Bluetooth 2.0+EDR | − |
有線LAN | ギガビット対応 | |
メモリカードスロット | SDHC対応SDメモリーカードスロット | |
ExpressCardスロット | ExpressCard 54/34対応 | |
Webカメラ | ○(CMOS) | − |
スピーカー | 内蔵ステレオ | |
バッテリー | 6セル+3セル | 3セル |
バッテリー駆動時間 | 約4.6時間(6セル)/約2.3時間(3セル) | |
ボディサイズ | 255(幅)×166(奥行き)×27.2〜35.5(高さ)ミリ | |
重量 | 約1.27キロ(3セル)/約1.44キロ(6セル) | |
OS | Vista Business | Vista Home Basic |
XPダウングレード権 | ○ | − |
HP Directplus価格 | 6万4680円 | 4万4730円 |
3モデルでラインアップが構成されるMini 1000だが、相違点はストレージとBluetoothの有無だけだ。最上位モデルが1.8インチHDD(容量は60Gバイト)、SSDモデルは容量が16Gバイトと8Gバイトに分かれ、前者には容量8GバイトのUSBメモリ「HP ミニモバイルドライブ」が付属し、後者はBluetoothが省かれている。ちなみにミニモバイルドライブは、右側面奥にある専用のベイに装着する形で、ほかのモデルではフタが取り付けられ、後から取り付けができないようになっているので注意したい。また、HP Vivienne Tam Special Editionは2009年2月ごろ発売の予定で、スペックなど詳細は決まっていないとのこと。
前述のZEN-Design uzuのほか、HP Mini 1000を実際に手にとって感じるのは、ボディのスリムさだ。サイズは261.7(幅)×166.7(奥行き)×25.9(高さ)ミリで、重量は約1.1キロと持ち運びも楽に行える。厚さは均等なのでカバンへの収まりもよいが、ACアダプタのケーブルが170センチと長く、3ピンタイプのためかさばるのがいただけない。
バッテリーの駆動時間は、HDDモデルが約3.3時間、SSDモデルが約3.5時間となっている。リチウムポリマーを採用した薄型バッテリーの容量は11.1ボルト 26ワットアワーで、後日6セルの大容量バッテリーが追加される予定だ。このあたりはライバル機とほぼ同等クラスと考えてよいだろう。
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