NVIDIAが2008年10月15日にリリースしたインテルプラットフォーム向けのチップセットが、「GeForce 9300 mGPU for Intel」(以下GeForce 9300 mGPUと表記)と「GeForce 9400 mGPU for Intel」だ。今回取り上げる「P5N7A-VM」に搭載されているのはGeForce 9300 mGPUで、その上位モデルとなるGeForce 9400 mGPUは、機能的にはGeForce 9300 mGPUと同等ながら、グラフィックスコアの動作クロックが高く設定されている。
マザーボードの全景を見ると分かるように、GeForce 9300 mGPUはシングルチップ構成となっている。通常のチップセットで見られるノースブリッジとサウスブリッジという機能分けはなく、メモリコントローラもSerial ATAコントローラもひとつに集約される。シングルチップ構成のチップセットは、これまでもSiS 630などがあったが、最近では少なくなってきた。
CPUソケットはインテルプラットフォームのLGA775で、Core 2 DuoやCore 2 Quad、Core 2 Extreme、Pentium D、およびCeleron Dが搭載可能だ。GeForce 9300 mGPUとしては、DDR3-1333/DDR2-800のデュアルチャネルメモリアクセスをサポートし、FSBは1333MHzに対応している。
Serial ATAは6ポートをサポートし、RAID機能にも対応している。そのほか、USB 2.0、ギガビットLAN、オーディオ機能なども実装できる。
インテルの最新チップセットであるIntel 4シリーズと比べても機能は負けておらず、1つのチップの中にマザーボードで必要とされる基本機能がすべて納められていることにコストパフォーマンスを重視する自作PCユーザーとしては注目したい。(記事掲載当初、Serial ATAとParallel ATAのサポートの説明で誤りがありました。おわびして訂正いたします)
インテルプラットフォームのグラフィックス統合型チップセットでは、インテルから「Intel 4」シリーズが従来のIntel 3シリーズに統合されていたグラフィックスコアを強化して2008年6月にリリースされたが、HDコンテンツの再生支援機能は満足できるものの、3Dグラフィックスのパフォーマンスは、Intel 3シリーズとほぼ同等でそれほどパワフルといえるものではなかった。
現役の統合チップセットでは、AMDプラットフォームに対応する「AMD 790GX」の3D性能が突出しているが、このような状況で登場したGeForce 9300/同 9400 mGPUでAMD 790GX相当の3Dグラフィックス性能を発揮できれば、インテルプラットフォームユーザーには貴重な選択肢となる。
GeForce 9300/同 9400 mGPUに統合されたグラフィックスコアは、独立したGPUとしてラインアップされているGeForce 9シリーズの流れをくむものだ。並列処理が可能な16個の演算ユニットを実装し、54G FLOPSの処理能力を有する。また、DirectX 10に対応し、PureVideo HDによる動画再生支援機能もサポートしている。専用GPUのGeForce 8400GSやGeForce 8500を搭載するグラフィックスカードを組み込んで「Hybrid SLI」を構成すれば、より強力なグラフィックス能力を得ることも可能など、専用GPUと同等の機能を備えている。
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