12月15日に発表されたFMV-BIBLO NWは、富士通のノートPCとしては初めて水冷を組み込んだハイブリッドクーラーユニットを導入したほか、タッチパネルを組み込んだ480×272ドット表示可能な4型ワイド液晶サブディスプレイを搭載するなど、新機軸のデバイスを搭載したフラッグシップノートPCとして、2009年春モデルのなかでも注目を集めそうなモデルだ。
その新しいギミックを搭載したFMV-BIBLO NWを、開発者自らが分解し、その特徴を紹介するデモンストレーションが富士通で行われた。
手順1:バッテリーパックを外す
手順2:底面からキーボード面まで固定しているネジを外す
手順3:キーボードの上側にあるタッチスクエアが組み込まれたパネルを外し、次いでキーボードのケーブルを抜いて外す。FMV-BIBLO NWにはテンキーも用意されているが、これらは1つのユニットとして組み込まれている
手順4:再度、底面からHDDを取り出し、残っているネジを外してから底面パネルを外す。この段階でシステムボードとクーラーユニット、内蔵ドライブが姿を現す
手順5:3波デジタル対応チューナーMini PCI Expressカードとカードスロットが組み込まれたサブボード、空冷水冷クーラーユニット、内蔵ドライブを取り外す
手順6:タッチスクエアが組み込まれたパネルから、サブディスプレイモジュールを取り出す
サブディスプレイや水冷クーラーユニットなどが注目されるFMV-BIBLO NWだが、国産ノートPCとしては初めてとなる3波対応デジタルチューナーや、BD-R、BD-REへの書き込みに対応するBlu-ray DISCドライブを搭載するなど、ノートPCとしての仕様も充実している。CPUはCore 2 Duo P8600(動作クロック2.4GHz)、チップセットは統合型のIntel G45 Expressで、メモリはPC3-8500 DDR3 SDRAMを2つのスロットに1Gバイト×2の構成で実装する。
ファンを組み込んだ水冷クーラーユニットはサイズを小さくすることで製造コストを抑えている(しかし、それでもシステム全体のコストにおけるウエイトは上位になるという)。小型化は、マザーボードに冷却するパーツをまとめて配置することで可能になったと開発スタッフは説明している。重さは約200グラム。
クーラーユニットの素材はアルミニウムで、CPUジャケットの部分に銅のプレートを組み込んでいる。CPUジャケットの奥に見える黒い部分がポンプユニットだ。2本のパイプで冷却液を循環する。CPUジャケットから右に伸びている部分にはノースブリッジと海外モデルで搭載されるGPUに接着する凸部が見える。今回分解された機材は国内向けモデルであったため、ノースブリッジ部分にのみグリスが確認できた。
マザーボードは10層基板を採用する。底面側に発熱の多いCPUとノースブリッジ、メモリスロットを配し、表側にサウスブリッジを向けている。海外ではGPU搭載モデルも用意されるが、マザーボードはそれぞれ別に用意され、レイアウトや配線パターンなども異なる。国内モデルでGPU搭載モデルを用意しない理由として、日本では専用のGPUを必要としているコンシューマーノートPCユーザーが少ないことを挙げている。
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