Hewlett-Packard(以下HP)は、2009 International CESでも例年通りの広大な展示ブースを構えている。PCだけでもデスクトップから液晶一体型のタッチパネル搭載PC、大画面ノートPC、ミニノートPC、そしてファッションを意識したコラボレートモデルなど、多彩なラインアップをそろえるHPのブースでは、「Touch」「Thin&Light」「Fashion」「Mini」など、製品のカテゴリーごとに島のように独立した円いブースを設けて、それぞれのラインアップを並べて自由に体験してもらう構成になっていた。これは、PC以外でも、プリンタやPDA、(HPといえば)電卓、そして、現在HPが進めているプロモーション企画「HP ENGINE ROOM」関連など、それぞれで独立したコーナーを設けている。
多数並んだ展示製品には、発表直前のサンプルやCES直前に発表された新製品なども含まれている。ここでは、そのなかから、AMDが発表したばかりの低価格低消費電力のノートPC向けプラットフォーム「Athlon Neo」(開発コード名はYukon)を世界で初めて採用したノートPC「HP Pavilion dv2 Entertainment Notebook PC」(以下、HP Pavilion dv2)を紹介する。
Athlon Neoを世界で初めて搭載したノートPCとして、展示製品の事前公開イベント「CES Unveiled」でも注目されていたHP Pavilion dv2だが、HPの展示ブースでは、Athlon Neoを採用した世界初のノートPCであることを説明するボードなどは特に用意されていない。製品の説明カードにも、Athlon Neoはおろか、AMDプラットフォームについてもまったく触れられていないし、こちらからHPの寡黙な説明スタッフに確認するとようやくAthlon Neoを採用していることを口にするぐらいなので、知らない来場者は気が付かないかもしれない。
その省電力性能が訴求されているAthlon Neoだが、HP Pavilion dv2では、低コストを実現するプラットフォームとして評価されているようだ。HP Pavilion dv2は、インテルのAtomを搭載するNetbookのような1キロ前後の小型ノートではなく、12.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載した重さ1.7キロといった通常のパフォーマンスモバイルノートPCに近いサイズと重さを有する。バッテリー駆動時間も3.5時間(スタッフの説明による)と、このサイズのノートPCとして特に長いわけでもない。
製品の説明には、HP Pavilion dv2は500GバイトのHDDが可能であったりBlu-ray Disc収録のコンテンツ再生に対応したりと、AVノートPC的な側面が訴求されている。そういう意味では、AVノートPCが699ドルという価格を実現したのは、Athlon Neoを搭載したおかげといえる。
展示されていたHP Pavilion dv2のデバイスマネージャーで確認する限り、Bluetoothに対応し、HDD容量は500Gバイトを搭載、メモリ容量は4Gバイトで、OSはWindows Vista Home Basic(SP1)が導入されていた(システムプロパティでは32ビット版となっているが製品では64ビット版が導入される)。CPUは「Athlon Neo MV-40」(動作クロックは1.6GHz)を搭載していた。
HP Pavilion dv2の出荷開始はワールドワイドで2009年4月の予定で、価格は699ドルになる見込みだ。
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