イーフロンティア、作業効率アップを図った3DCG作成ソフト「Shade 10.5」3Dでドリームハウスを作る

» 2009年01月23日 21時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]

国産の定番3DCG作成ソフトがバージョンアップ

「Shade 10.5」のアプリケーションウィンドウ

 イーフロンティアは1月23日、3DCG作成ソフト「Shade 10.5」と3D住宅デザインソフト「Shade ドリームハウス」を発表した。いずれも3月6日に発売する。Shade 10.5はプロ向けの「Professional」、ハイアマチュア向けの「Standard」、ビギナー向けの「Basic」を用意しており、Shade 10のユーザーは無償で10.5のダウンロードが可能だ。Shade 10.5 BasicとShade ドリームハウスはガイドブック付きのパッケージも販売する。

 なお、Shade 10.5の通常版、アカデミック版、ガイドブックバンドル版には初回限定で3DCGキャラクター作成ソフト「Poser 6」がバンドルされる。このPoser 6は正規版なので、最新のPoser 7へのバージョンアップも可能だ。

※記事初出時、「Poser 6」がバンドルされるパッケージ内容に一部誤りがありました。おわびして訂正させていただきます。

Shade 10.5の製品ラインアップと価格
ラインアップ 製品構成 Professional Standard Basic
通常版 パッケージ 10万5000円 4万5000円 1万2800円
ダウンロード 7万円 3万円 8400円
アカデミック版 パッケージ 4万9800円 2万4800円 1万円
ダウンロード
バージョンアップ版 パッケージ 2万5000円 1万5000円 6000円
ダウンロード 2万1000円 1万2000円 5000円
ガイドブック付き パッケージ 1万4800円
ダウンロード
Pro グレードアップ from Standard パッケージ 5万円
ダウンロード 4万7000円
Standard グレードアップ from Basic パッケージ 2万5000円
ダウングレード 2万2000円
※1:グレードアップは直販サイトのみの取り扱い

Shade ドリームハウスの製品ラインアップと価格
ラインアップ 製品構成 価格
通常版 パッケージ 9240円
ダウンロード 6300円
ガイドブック付き パッケージ 1万1340円
ダウンロード

使い勝手の向上を目指したShade 10.5

 Shadeシリーズは、累計出荷本数50万本を超える国産の統合3DCG作成ソフト。最新版の10.5はこれまで要望の高かった操作系に重点を置いた機能拡張を行った。対応OSは、64ビット版を含むWindows XP/VistaとMac OS X 10.4.11/10.5以降だ。今回からMac OS X 10.5以降で64ビットのネイティブ動作に対応した。そのほかの主な新機能は以下の通りだ。

・マルチパスレンダリング(Professional/Standardで対応)

 3DCGは通常、拡散光成分、環境光成分、ハイライト成分、シャドウ成分などの計算結果を合成して1枚のレンダリング画像を作るが、マルチパスレンダリング機能では、これらの計算された結果を合成せずにレンダリング要素ごとに画像として書き出す。書き出された画像は、Photoshopなどのフォトレタッチ/ペイントソフト内でスクリーンや乗算の処理を行うことで1枚のレンダリング画像に合成できるが、マルチパスレンダリング機能によって、個々の画像のハイライトやシャドウを変えるなど、表現意図に合わせたニュアンスの調整が可能になった。

マルチパスレンダリング機能により、レンダリング後でも人物のコントラストや服の色などを簡単な操作で変更できる

・スナップと作業平面(Professional/Standard/Basicで対応)

 スナップ機能は建築物のモデリング作業の効率アップを目的に強化された。壁と壁の接合点など頂点や稜線(りょうせん)上に新たな形状をピタリとくっつけた状態で作成できる。作業平面の機能では、任意のポリゴン面を基準とするローカルの作業平面を作成でき、その上でモデリング作業を行うことで手軽に意図する位置や方向で形状を作成可能にする。この2つの機能によって、これまで三面図からXYZの座標を調整する作業が必要だったShadeでのモデリング作業が透視図だけで直感的に行えるようになった。

・トゥーン:ハーフトーン(Professional/Standardで対応)

 Shade 10ではモノクロのドットパターンによる疑似ハーフトーンの作成が行えたが、新たに明度の変化に応じてドットサイズが自動で可変し、滑らかなグラデーションを表現できるようになった。線数の指定やCMYK個別の角度調整も行える。

新しいスナップと作業平面の機能を使えば、ロフトの高さや幅にぴったり合ったサイズのはしごを簡単に作成できる(写真=左)。カラーハーフトーンでのレンダリング機能も追加された(写真=右)

・EPix出力/COLLADA出力(Professionalで対応)

 ファイル出力は、インフォマティクスの建築パース作成ペイントソフトウェア「Piranesi」における標準フェイル形式であるEPix、SCEA(Sony Computer Entertainment America)が提案している新しい汎用3DデータフォーマットのCOLLADAに対応した。

簡単操作の3D住宅作成ソフトも同時発売

 Shade ドリームハウスは、簡単な操作で住宅の間取りを作成できる3D間取りデザインソフト。2008年10月末に発売された「Shade Home Design」の後継製品に相当する。Shadeで作成した部品のインポート機能、追加の部品を無料でダウンロードして登録できるオンラインタブ機能、作成した屋根のポイント移動/削除による強化された編集機能などを備えている。対応OSは32ビット版のWindows XP/Vista(Vistaは64ビット版にも対応するが、32ビットモードでの動作となる)。

Shade ドリームハウスは画面下の部品を上の間取り図にドラッグするだけでデザインが行える(写真=左)。屋根の編集機能が強化され、編集モードでポイントを移動/削除することで、屋根の形状を変えられるようになった(写真=右)

製品発表会では代表取締役の安藤健一氏が登壇し、「今回のShadeシリーズは大変すばらしいソフトに仕上がった。ソフトウェアを開発しながら世界平和に貢献していきたい」とあいさつ(写真=左)。発表会に招かれたAvatar Reality代表取締役の橋本和幸氏は、開発中のオンライン仮想空間サービス「Blue Mars」を紹介(写真=中央/右)。Shadeで作成したデータは、Avatar Realityから無償提供されるCOLLADAからのコンバートユーティリティを使うことで、Blue Marsへ受け渡せるようになるという。Blue Marsは今年の3月に開発ツールキットを公開し、6月に一般ユーザーに向けてオープンβの参加者を募集する予定で、クリエイター向けにアートコンペティションも行うとのこと

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