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これが法人向けとはもったいない――デルの軽量モバイルPC「Latitude E4300」をドライブするリーガルレッドがうなる(1/2 ページ)

» 2009年01月27日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

スタイリッシュで堅牢性の高いボディを採用

 デルのビジネス向けノートPCブランド「Latitude」は、2008年秋にフルモデルチェンジが行われた。全モデルにマグネシウム合金を利用した堅牢なボディを採用しつつ、デザインイメージも全モデルで共通化している。ゼロスピンドルも可能なウルトラモバイルの「E4200」からタフネスを追求したフルスペックの「E6400 ATG」まで、用途に応じた幅広いラインアップをそろえるが、ここでは13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載した2スピンドルのモバイルPC「Latitude E4300」を取り上げる。

2スピンドルのモバイルPC「Latitude E4300」

 ボディはメタリックを基調にした上品なカラーリングと直線的でシャープなラインが印象的だ。天面および底面のカラーは3種類用意されており、標準のマイカブラッシュドメタル(メタリックブラック)のほか、リーガルレッド(メタリックレッド)、レガッタブルー(メタリックブルー)の2種類のカラーモデルが選べる。今回の評価機はリーガルレッドモデルだ。

 ボディのサイズは310(幅)×217.4(奥行き)×25.4〜29.2(高さ)ミリ、A4サイズより微妙に大きい程度で、重量は約1.5キロ(3セルバッテリー搭載時)となっている。13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCとしてそれほど軽いわけではないが、十分持ち運びができる範囲内にはある。マグネシウム合金と金属製ヒンジを採用しており、剛性にも不安は感じない。

 端子類の構成は、左側面にアナログRGB出力、USB 2.0/eSATA共用ポート、スマートカードスロットが、右側面にはUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、マイク、ヘッドフォン、光学ドライブ、ExpressCard/34スロットがあり、前面にはMMC/SDメモリーカードスロット、背面には有線LAN、DC入力を備える。ビジネスに必要な端子は一通り装備しており、使い勝手にも特に不満のない配置となっている。

評価機のリーガルレッド
メタリックな金属的質感が目を引く
こちらは標準のマイカブラッシュドメタル。このほかに、レガッタブルーが用意される

前面の中央部分にメモリカードスロットがある(写真=左)。液晶ディスプレイはラッチレスだ。背面にはギガビット対応の有線LANとDC入力、バッテリーが位置する(写真=右)。3セルバッテリーの構想駆動時間は約4時間30分となっている

左側面にはアナログRGB出力とeSATA/USB 2.0共用ポート、スマートカードリーダーが並ぶ(写真=左)。右側面にはExpressCard/34スロット、光学ドライブ、サウンド、4ピンのIEEE1394、USB 2.0、無線LANの電源スイッチがある(写真=右)

SFFの高性能CPUを採用し、ストレージの選択肢も豊富に用意

 CPUは、Core 2 Duo SP9400(2.4GHz)/9300(2.26GHz)の2種類から選択可能だ。プロセッサー・ナンバーの先頭に「S」がつくSFF(Small Form Factor)パッケージのモデルながら2GHzを超えるクロックで動作する高速モデルで、FSB 1066MHzに対応し、6Mバイトの2次キャッシュ容量を内蔵する。TDP(Thermal Design Power)は25ワットだ。チップセットにはSFFパッケージのIntel GS45 Expressを採用しており、グラフィックス機能はIntel GS45内蔵のGMA 4500MHDを利用する。

 メモリとHDDの選択肢は非常に豊富だ。メモリはPC3-8500(DDR3-1066)に対応し、最大で8Gバイトまで搭載できる。メモリスロットは底面に2基あり、最小で1Gバイト(1Gバイト×1)から最大8Gバイト(4Gバイト×2)まで柔軟な選択が可能だ。2枚装着時にはデュアルチャネルアクセスによりメモリの転送速度が高速化するので、購入時は2枚での構成がおすすめだ。ちなみに、評価機では2Gバイトモジュールを1基搭載していた。

2基のメモリスロットは底面にある。ACアダプタは65ワットのスリムタイプだ
光学ドライブは右側面にある。標準構成はDVDスーパーマルチドライブだが、マイカブラッシュドメタルモデルのみDVD-ROMドライブも選択できる
HDDは左側面に位置し、底面のネジを2本外すだけで着脱できる

 HDDはSerial ATAインタフェース対応の2.5インチモデルを左側面手前に内蔵している。HDDユニットは底面のネジ2本で固定されており、交換などのメンテナンスは容易に行なえる。HDDの容量は80Gバイト、160Gバイト、250Gバイトの3種類から選べ、250Gバイトモデルは回転速度が7200rpm、それ以外は5400rpm/7200rpmの両方が用意され、さらに120Gバイト/5400rpmの暗号化HDDも選択できる。また、HDDの代わりにSSDを選択することもでき、選択肢には、容量64Gバイト/128Gバイトの「モビリティSSD」と呼ばれる通常のSSDに加えて、「64GB ウルトラパフォーマンスSSD」と呼ばれる高速タイプのSSDも用意されている。もっとも、80GバイトHDD(5400rpm)との価格差は64GバイトのモビリティSSDで9万1350円、ウルトラパフォーマンスSSDで11万7600円と、SSDはかなり割高だ。

 光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブが標準で、DVD-Video再生ソフトウェアとしてCyberlink PowerDVD 8.1がバンドルされる。標準のマイカブラッシュドメタルモデルのみ、光学ドライブとしてDVD-ROMドライブが選ぶことができる。ほかのカラーモデルにこの選択肢がないのはベゼルカラーの問題だろうが、このためにBTOメニューの構成が少々分かりにくくなっているので、今後は少し整理されることを期待したい。

※記事初出時、光学ドライブの仕様に関して「着脱可能」「セカンドHDDに換装可能」などの誤った記載がありました。該当機の光学ドライブは着脱非対応です。おわびして訂正いたします

 通信機能は、1000BASE-T対応の有線LANに加えて、無線LAN機能、Bluetooth 2.1+EDRがBTOで選択できる。無線LANの選択肢も豊富で、IEEE802.11b/g(Dell Wireless 1397)、IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠)がDell Wireless 1510、Intel WiFi Link 5100、Intel WiFi Link 5300と計4種類から選択可能だ。なお、Bluetooth 2.1と無線LANのオン/オフは本体左側面の奥にあるスイッチで切り替えられる。

 また、指紋認証ユニットはオプション(3150円)だが、標準でTPM Ver.1.2準拠のセキュリティチップを内蔵している。OSはいかにもビジネス向けPCの選択肢が用意され、Windows Vista Ultimate(SP1)/Business(SP1)/Home Basic(SP1)がラインアップされる。いずれも32ビット版で日本語版と英語版があり(Vista Businessのみ64ビット版もある)、UltimateとBusinessはWindows XP Professional(SP3)へのダウングレード(日本語版/英語版も選べる)も行なえる。

CPU-Z 1.49(写真=左)とGPU-Z 0.3.0の画面(写真=右)

クオリティの高い入力環境とデュアルポインティングデバイスを装備

13.3型ワイドの非光沢液晶ディスプレイを採用する。環境光センサーを備え、輝度を自動調整してくれる

 LEDバックライトを採用した液晶ディスプレイのサイズは13.3型ワイドで、画面解像度は1280×800ドット(WXGA)だ。ビジネス向けらしく表面は非光沢仕上げだが、輝度、コントラストともに十分あり、発色も良好だ。視野角もなかなか広く、視認性はよい。カラーモデルでは液晶ディスプレイ上部にWebカメラを標準で内蔵し、さらに本体を起動しなくともメールやWebにアクセスできる「Latitude On」も装備される。マイカブラッシュドメタル(メタリックブラック)はこれらを省いた構成も選択可能だ。

 キーボードは日本語配列と英語配列が用意され、それぞれキーボードバックライトの有無が選べる(+3150円)。バックライトは飛行機内など周囲が暗いところで作業するのに便利だ。実測のキーピッチで約19ミリと十分な大きさが確保されている。レイアウトは比較的素直だが、PgUp、PgDnがカーソルキー(上)の左右にある点は好みがわかれるかもしれない。キビキビとしたクリック感があり、強めにタイプしてもキーボードユニットがたわんだりせず、とても打ちやすく感じた。

 ポインティングデバイスは、3ボタン式のスティック型と2ボタン式タッチパッドの2種類を搭載しており、どちらでも使うことや、片方だけを無効にすることもできる。スティック型は中央ボタンを使ったスクロール操作やスティックをタップすることによるクリック操作にも対応する。また、タッチパッドは右辺部分と下辺部分を使った縦横スクロール(回転させながらなぞるサークルスクロールに対応)のほか、左辺を使ったズーム機能などを使うことができる。

 キーボード右奥には、ボリューム調整とミュートを行うワンタッチボタンが用意されている。また、さらに右奥の電源ボタンの脇には「Latitude On Reader」の起動ボタンがある。これはOSを立ち上げなくともMicrosoft Outlook(2003以降)のメールやカレンダー、インターネットアクセスが利用できるインスタント機能だ。

不規則な配列もなく、入力しやすいキーボードを備える。日本語キーボードながらスペースバーが長めだ
オプションで選択できるキーボードバックライト。消灯させることも可能だ
スティックとタッチパッドのデュアルポインティングデバイスを備える

ポインティングデバイスのドライバにはアルプス製のドライバが導入されている
サークルスクロールやズーム機能をオンにすることも可能だ
OSを起動せずにメーラーやカレンダーにアクセスできる「Latitude On Reader」の設定画面

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