16型ワイド液晶で鮮やかなフルHDを楽しむ──デル「Studio XPS 16」(1/2 ページ)

» 2009年01月29日 10時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

ピアノとレザーと金属で演出する高級感

 デルの新型ノートPC「Studio XPS 16」は、従来のXPS M1530を引き継ぐ、1年ぶりのモデルチェンジとなる個人向けハイエンドラインアップだ。シリーズ名称も、“XPS”から“Studio XPS”へ変更された。海外では2008年11月から登場していたが、日本でも数カ月遅れて新しいサブブランドが投入されたことになる。

 Studio XPS 16の特徴を最もよく表しているのが液晶ディスプレイだろう。液晶ディスプレイの周辺にあるベゼルまで、光沢のあるパネルで覆われており、ベゼルと液晶ディスプレイの一体感を演出している。デルはこれを“Edge-to-Edge液晶ディスプレイ”という名称で呼んでおり、同社のワークステーションブランドの「Precision」シリーズでも採用している。

 液晶ディスプレイ天板の一部にレザー装飾が施されており、これもデザインのポイントとなっている。そのほかの部分には光沢のあるピアノブラック塗装が施されており、これとヒンジの部分に使われている金属パーツのアクセントと革の質感との組み合わせが、高級感を演出する。

16型ワイド液晶ディスプレイを搭載したStudio XPS 16。そのデザインは同時期に登場したStudio XPS 13によく似ている(写真=左)。天面を光沢のあるピアノブラックと皮革の感触を持たせたレザーブラックで構成しているのもStudio XPS 13と共通だ

3色LEDバックライトの16型ワイド液晶で、Blu-rayコンテンツも快適に

BTOで選択できるのは1920×1080ドット表示と1366×768ドット表示の液晶ディスプレイ。1366×768ドットを選択するとバックライトは白色LEDになるが、1920×1080ドットを選ぶとRGB LEDが組み込まれたモデルになる(写真=左)。RGB LEDはVAIO type Aのフォトエディションでも採用されているが、Studio XPS 16では、色の鮮やかさがとくに目を引く

 Studio XPS 16のシステム構成で特筆すべきは、液晶ディスプレイのバックライトにRGB LEDを搭載したモデルがBTOで選択できることだ。「VAIO type A フォトエディション」や「HP EliteBook 8730w Mobile Workstation」でも採用されているRGB LEDによるバックライトだが、Studio XPS 16のBTOで用意されている1920×1080ドット表示の液晶パネルに導入されており、ハイビジョンの映像を明るく鮮やかに映し出してくれる。

 ディスプレイのアスペクト比は16:9なので、フルHDの映像をそのままドットバイドットで表示できる。16型ワイドというサイズも、個人で映像を楽しむ分には十分満足できる。ベゼルまでカバーされた光沢パネルによって、通常の16型ワイドディスプレイを超える迫力があるように感じるのもEdge-to-Edgeデザインのなせる技といえるだろう。

 映像の鮮やかさは格別だが、サウンドは少し物足りなく感じた。キーボードの両サイドに出力2ワット+2ワットのステレオスピーカーが配置されているが(そのほか出力3ワットのサブウーファーが搭載されている)、もう少し大出力のスピーカーが搭載されていれば、ディスプレイの迫力に見合ったサウンドで臨場感のある映画鑑賞ができるだろう。音の迫力を求めるユーザーは外付けのアクティブスピーカーやヘッドフォンを利用したいところだ。

 1080pのフルHDの映像を楽しむためにはBlu-ray Discドライブが必需品となる。当然ながら、Studio XPS 16のBTOでは内蔵ドライブにBlu-rayの読み出しに対応したDVDマルチドライブが用意されている。今回試用した評価機には、ソニーオプティアーク製の薄型ドライブが搭載されており、Blu-ray Discの再生が可能だった。なお、再生ソフトウェアとしてPower DVD Deluxe 8.1がインストールされていた。

 評価機のCPUは動作クロック2.8GHzのCore 2 Duo T9600であったので、1080pのフルHD再生でもまったく不満を感じることはなかった。DVD-Videoを再生するのと同じように、Blu-ray Disc収録のコンテンツをスムーズに再生してくれる。

 なお、Studio XPS 16のシステム構成は、Intel PM45 ExpressチップセットとMobility Radeon HD 3650(512Mバイトのグラフィックスメモリをベースとして、BTOで用意される選択肢として、CPUには、Core 2 Duo T9600(2.8GHz)/同 T9400(2.53GHz)/同 P8600(2.4GHz)/同 P8400(2.2GHz)が、メモリ容量は2Gバイトから最大8Gバイト、データストレージとしては、500Gバイトと320GバイトのHDD、または、128GバイトのSSDなどが用意されている(搭載できるストレージデバイスは1台)。

底面の一部にメッシュが入っていてボディ内部の熱を放出できるようになっている。全面を1枚のパネルで覆っており、取り外すとシステムボードが姿を現す

顔認証方式で素早く簡単にログイン

 液晶ディスプレイの上部には、有効画素200万画素のWebカメラとステレオマイクが装備されている。ビデオチャットが利用できるのはもちろんだが、Studio XPS 16ではWebカメラを使った「顔認識」がユーザー認証として利用できるのも特徴だ。

 セキュリティ設定で顔認証を有効にすると、ログイン画面でWebカメラで写した映像が表示される。この画面の中に自分の顔が入るようにして、キーボードからパスワードを入力すると、この入力時の顔がシステムに記録され、次回からは、顔をカメラに向けるだけで素早くログインできるという仕組みだ。

 顔認識のスピードは速く、明るいところではWebカメラで読み取った自分の顔が一瞬表示される間にログインしてしまう。メガネをかけていても外していても正しく認識してくれるが、周囲が暗い場所や顔画像を記憶させたときと比べて明るさが極端に異なる場所では、認識がうまくいかなかったり認識に時間がかかったりすることがあった。ただし、顔認識がうまくできない場合でもパスワードを入力すればログインできる。顔認識は、セキュリティを強固にするというよりも、パスワードを入力せずにログインできるという「省力化」において有効な機能といえる。

Studio XPS 16に導入された顔認識ログイン機能は、パスワードを登録したときに記録された顔画像を使って識別処理を行う(写真=左)。周囲が暗くて顔が識別できないときは、代替え手段としてパスワードを入力すればログインが可能だ(写真=右)

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