MSIの「Air Force」で遊ぶCeBIT 2009

» 2009年03月05日 20時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 新製品の登場や未発表製品の展示が続出したノートPCや液晶一体型PCの話が先行したMSIブースだが、もちろん、PCパーツの展示はCeBITでも充実している。

 すでに、事前公開イベントの記事でも紹介したように、Intel P55 Expressと思われるチップセットを搭載したマザーボードや、AMD 790GXを載せたAM3マザーにDDR3対応メモリスロットとDDR2対応メモリスロットをともに4本ずつ、合わせて8本も載せてしまった“メモリ愛”なマザーボードが登場している。

 グラフィックスカードでもGeForce GTS 250搭載モデルを(NVIDIAの正式発表に先駆けて)披露してしまうなど、MSIの(いろいろな意味で)アグレッシブなPCパーツに対する姿勢は、今も昔も変わらない。

 そういう、PCパーツの主役たちとともに、MSIで忘れてならないのが「オーバークロッカー御用達」のユーティリティーだ。CeBIT 2009では、「グラフィックスメモリの定格2倍載せ」「軍用レベルの信頼性」などなど過激なスペックを実現したGeForce GTX 260搭載の「N260GTX Lightning」がデビューしているが、その専用チューニングユニット「Air Force」もMSIブースで遊ぶことができた。

 Air Forceは、3.5インチドライブベイに組み込んで使えるサイズで、黒いフロントパネルには赤、青、緑のLEDで構成されるインジケータが埋め込まれている。Air Forceが表示する情報は、GPUコアの駆動電圧とグラフィックスメモリの駆動電圧、それから、GPUコアクロック、グラフィックスメモリクロック、シェーダユニットそれぞれの動作クロックの5種類になる。

専用チューニングユニットとしてN260GTX LightningにバンドルされるAir Forceは、3.5インチドライブベイに内蔵してもそのまま置いても使える(写真=左)。CeBIT 2009のMSIブースではAir Forceで実際に「遊ぶ」ことができた(写真=右)

 こうして、外見だけ見ると、これまでもよくあるステータスインジケータと思ってしまうが、実はフロントパネルにタッチセンサーが組み込まれていて、Air Forceを指先で触れることでGPUの各種設定ができてしまうのだ。

 それぞれのステータスを表示しているLEDの上端と下端に設けられた「?????+」「?????−」の刻印に触れると、触れた項目の設定が上下に可変する。例えば、右端にあるシェーダユニットクロックのインジケータで、上端にある「Shader +」を指でつつくと、シェーダユニットクロックが上昇し、下端にある「Shader −」をつつくとシェーダユニットクロックが下がることになる。

 加えて、インジケータ群の両端にある「Game」「Office」「Power Saving」「Default/Reset」「Theater」「Lightning」を選ぶと、事前に用意されている組み合わせで各部の駆動電圧と動作クロックが設定される。Gameを選べば、駆動電圧と動作クロックは高めに設定され、Theaterを選べば、ファンの回転を抑えるために、コマ落ちしない程度の再生性能を維持できる動作クロックと駆動電圧に設定される。MSIの説明によると、カテゴリーごとの事前設定はユーザーによるカスタマイズも可能とのことだ。

Air Forceで用意されている設定モードで駆動電圧と動作クロックはどう変わる?左は「Game」モードで右は「Office」モード。Gameモードでは動作クロックがトップレベルに引き上げられ、駆動電圧も高い。Officeモードではそれぞれ1レベル引き下げられるようだ

こちらは、左が「Power Saving」モードで右が「Theater」モード。動作クロックも駆動電圧も下げて消費電力を下げるPower Savingモードと比べて、Theaterモードでは駆動電圧は維持しつつ、動作クロックは最低レベルまで引き下げている(映画鑑賞の妨げにならないように、表示を消している可能性もあり)

 AirForceは、N260GTX Lightningのバンドルユニットとしてのみ供給される。これは、各種設定やファームウェアがN260GTX Lightningに最適化されているためだが、技術的には、ほかのGPUでも(GeForceだけでなくRadeonも)Air Forceの技術を適用することは可能なので、ほかのGPUを搭載したLightningシリーズが登場してた場合でも、バンドルされるであろうAir Forceで「遊ぶ」ことはできるそうだ。

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