コンセプトモデル「Level 10」は、往年のフルタワーPCケースを超えるかなりの大型のサイズで、マットブラックに統一された複数のボックスが連結したような特殊な形状が特徴だ。Thermaltakeの創立10周年を記念してBMW Group Designworksにデザインを依頼して開発されたという。
それぞれのボックスは、電源ユニット、マザーボードをはじめとするシステムプラットフォーム、HDDなどのストレージドライブ収容ベイ、光学ドライブ収容ベイなど、それぞれの専用ユニットとして用意されたもので、ユーザーが必要とするユニットを選んでPCケースを構成することになる。
ユーザーの環境に合わせて、その姿を変えるLevel 10だが、CeBIT 2009に展示されていたサンプルでは、マザーボードとグラフィックスカードなどの、PCI Expres、PCI接続の拡張カードは、奥寄り下部のボックスに収容され、その上には電源ユニットボックスが配置される。
前面には、上部に光学ドライブ収容の5インチドライブベイボックスが取り付けられ、その下に、HDDを1台収容する薄いボックスが、システムに接続する台数分だけ並ぶ。CeBIT 2009で展示されていたサンプルでは、6台のユニットが組み込まれていて、それ以上接続するスペースがないように思えたので、このあたりが限界と考えられる。
ユニットに収容できるフォームファクタ、電源ユニットのサイズ、グラフィックスカードなどの拡張カードの幅に制約はなく、現在存在するほとんどの汎用規格に対応することができるとThermaltakeのスタッフは説明していた。
これら、各パーツごとに用意される複数のユニットは、テーブルを立てたような形状のベースユニットに組み込むことになる。ベースユニットには、電源ボタンのほか、4つのUSBとe-SATAコネクタが前面に配置されていた。また、通常のPCケースでサイドパネルに相当する部分には、マザーボードや電源ユニット、HDD、光学ドライブなどの盗難防止にかぎ穴が2つ用意されている。各ユニットの“ハブ”となる重要な部分だが、CeBIT 2009ではその内容は明らかにされていない。
デザインと開発はほぼ終わり、Level 10の仕様はほぼ決定されたとThermaltakeのスタッフは説明している。現在は、細かい調整の段階にあるという(その過程でボディサイズがわずかに変更される可能性があるとのこと)。2009年のCOMPUTEX TAIPEI 2009で内部を公開し、2009年の末から2010年の初めにかけて、数量限定で出荷を行う予定だ。
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