デルが液晶ディスプレイ一体型PCの「XPS One」をリリースしたのは2007年11月だった。アルミ製のスタンドや、強化ガラスで覆われた20型ワイド液晶ディスプレイを搭載した“デル史上、最も美しいPC”は、2007年6月のInspironへのブランド統合を皮切りに、カラーバリエーション展開、地上デジタルチューナーの提供といった、それまで同社が苦手としてきたコンシューマー市場への新たな取り組みを象徴するモデルでもあった。
XPS Oneはその後、地上デジタルチューナー内蔵モデルの投入、(PRODUCT)REDモデルの追加などを経て終息していったが、登場から約15カ月が経過した3月12日、同社の液晶一体型PCに第2世代となる新モデル「Studio One 19」が現れた。
このStudio One 19は、製品名が示す通りデザイン性を重視したコンシューマー向けのメインストリームであるStudioシリーズに属するモデルで、小型デスクトップPCの「Studio Desktop」に次ぐ省スペース性を実現している。従来のXPS Oneが直線を生かした精悍(せいかん)な外観だったのに対し、Studio One 19は曲線を取り入れた柔らかみのあるデザインに生まれ変わっており、製品の位置付けもエントリー層向けのエンターテインメントPCに変更された。事実、本機は量販店店頭で先行発売され、直販モデルは後日の投入される予定という。
最近の同社製PCでおなじみのカラーバリエーションモデルが用意され、店頭ではピュアホワイト、パウダーピンク、チャコールグレーの3色、直販モデル限定でタスカンレッドとネイビーブルーが発売される。ここでは、3月下旬の発売を前に試作機を入手できたので、まずは外観を中心にチェックしてみよう。
まず主要スペックを見ていくと、光沢タイプの液晶ディスプレイは18.5型ワイドになり、画面解像度はアスペクト比16:9の1366×768ドットになった。スピーカーは液晶ディスプレイ両脇の上部にあり、PC本体とスタンドという構成はXPS Oneと変わらず、右側面にスロットインタイプの光学ドライブ、左側面と背面に各種インタフェースをレイアウトしているのも同様だ。キーボードと光学マウスはワイヤレスで、本体のボディカラーに合わせてホワイトとブラックが用意される。
ユニークなのは、標準の液晶ディスプレイに加えてタッチスクリーン(マルチタッチ方式)モデルがラインアップされていることだ(サイズは18.5型ワイドと共通)。タッチスクリーンモデルには「Dell Touch Zone」と呼ばれるメディアプレイヤーや専用アプリケーションをはじめ、ペインティングソフトウェアに「Cyberlink YouPaint」が導入され、買ってすぐにタッチ操作を楽しめるようになっている。ただし、標準の液晶ディスプレイモデルに比べて、価格が2万〜2万5000円前後アップする見込みという。
なお、ボディサイズは558(幅)×195(奥行き)×395(高さ)ミリで、重量は約10.3キロある。チルト機構はサポートしているが、スイベルには非対応だ。
店頭モデルのスペックは固定だが、直販モデルは同社おなじみのBTOに対応する。基本システムはグラフィックス機能統合型チップセットのGeForce 9200/9400Mで、CPUはCore 2 Quad Q8200(2.33GHz)を筆頭に、Core 2 Duo E8400(3.0GHz)、同E7500(2.93GHz)、Pentium Dual-Core E5200(2.5GHz)から選べる。メモリはDDR3のSO-DIMM(PC3-8500)で、4Gバイト(2Gバイト×2)、3Gバイト(2Gバイト+1Gバイト)、2Gバイト(1Gバイト×2)、HDDはSerial ATAの3.5インチタイプで、容量は750Gバイト、640Gバイト、500Gバイト、320Gバイトとなっており、いずれも7200rpmのドライブとなっている。
光学ドライブはスロットインタイプのBD-ROMドライブかDVDスーパーマルチからの選択となり、OSはWindows Vista Home Premium(SP1)のみとなるが、64ビット版と32ビット版どちらも選べる。一方、液晶ディスプレイ上部に内蔵される130万画素のWebカメラや、IEEE802.11g/b対応の無線LANはオプションとなっている。
次のページでは、インタフェースや内部の構造を見ていく。
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