トムソン・カノープスは3月18日、ビデオ編集ソフトウェア「EDIUS Neo」シリーズの最新版「EDIUS Neo 2」を発表した。価格は通常版が2万9800円、優待・乗り換え版が2万4990円、アカデミック版が2万2890円(すべて税込み)。5月1日に発売する。
EDIUS Neo 2は、業務用の「EDIUS Pro」をベースに一部の機能を制限することで価格を抑えた個人向けビデオ編集ソフトウェア。初心者向けに販売されている「エディウスJ」とは異なり、映像エンジンやユーザーインタフェースをEDIUS Proシリーズから引き継いでいる。本格的に映像編集を行いたいハイアマチュアがターゲットだ。
今回リリースされた最新バージョンでは、DV/HDV/AVCHDの各形式をサポートするマルチフォーマット/混在編集や、同社独自の「Canopus HQ Codec」を用いた軽快な編集環境、レイアウトの自由度が高い独特のUIなどを踏襲しつつ、「FIRECODER Blu」のサポートにより編集パフォーマンスを大幅に向上したほか、EDIUS Pro 5で採用されたGPU処理による3Dトランジション「GPUFx」が搭載された。
FIRECODER Bluは、東芝の動画編集専用チップ「SpursEngine」を搭載したPCI Express x1対応の拡張カードで、1.5GHz駆動のSPE(Synergistic Processor Element)4基とMPEG-2およびMPEG-4 AVC/H.264のエンコーダ/デコーダチップにより、動画ファイルの変換や再生を高速に処理できるのが特徴。FIRECODER Bluに付属する「FIRECODER WRITER」を使用した際の処理速度についてはすでにレビューでお伝えした通りだが、「エンコードにかかる時間はオーバーヘッドがあるEDIUS Neo 2でも実時間程度が目安になる。CPUのみを使ったソフトウェアエンコードに比べて2倍から3倍は速い」(同社)という。実際、当日行われた製品デモでも、明らかにプログレスバーの進み方が違うほどの効果が見て取れた。このほか、HDMI出力を搭載するPCI Express x1カード「HD SPARK」に対応し、EDIUS Neo 2で編集中のタイムライン映像をリアルタイムにHDMI出力できるようになった。
また、EDIUS Pro 5と同様に、GPU(Direct 3D 9.0c以降、PixelShader Model 3.0以上に対応したGPU)を利用することで、高画質かつ複雑な3Dエフェクトを実現する“新方式”の3Dトランジション「GPUfx」も実装された。このほか、手ブレ補正用ソフトウェア「Mercalli」や、200種類を超える豊富なエフェクト持つプラグイン「Vitascene」も新たにバンドルされている。Vitasceneでは目的にそってプリセットを選ぶだけで、手の込んだ映像も簡単に作成できるので便利だ。
なお、業務向けの「EDIUS Pro 5」もバージョンが「5.1」にアップデートされた。タイムラインからBlu-ray Discへの直接書き出しに対応したほか、FIRECODER Bluのサポートや、XDCAM HD/P2/GFのパーシャルダウンロード機能(プロキシ編集後、もしくはディスクからの直接編集時に、使用した部分のみローカルに部分転送)などがトピックだ。また細かいところでは、キャプチャ時のリールネーム設定やオーディオのノーマライズ、クリップマーカーの機能改善、複数ドライブへの同時出力など、さまざまな機能強化が図られている。同アップデータは4月下旬より無償で配布される予定だ。
※記事初出時、「XDCAM EX/P2 HD/HD GFのパーシャルダウンロード機能」という記述がありましたが、正しくはXDCAM HD/P2/GF/Infinityで、XDCAM EXは対応しておりません。おわびして訂正いたします。
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