ASUSTeK Computer(ASUS)が4月4日に発売する「Eee PC 1000HE」は、最新CPUのAtom N280をいち早く採用したNetbookとして注目のモデルだ。Atom N280を搭載したNetbookの発売は、Eee PCシリーズ初であり、国内初でもある。
これまでNetbook向けにインテルが供給してきた省電力CPUのAtom N200シリーズは、動作クロックが1.6GHz、システムバスが533MHzのN270に限られていたが、新型のN280では、動作クロックが1.66GHzに、システムバスが667MHzに高速化された。命令32Kバイト/データ24Kバイトの1次キャッシュ、512Kバイトの2次キャッシュは変わらないが、パフォーマンスの向上が期待できる。
Atom N280を搭載したNetbookの新モデルについては他社もアナウンスしており、今後はN270からN280への移行が進むと予想されるが、Eee PC 1000HEの特徴はCPUだけではない。独自の省電力機能とバッテリーの増量により公称値で約9.3時間と、Eee PCシリーズで最も長時間のバッテリー駆動を実現しているほか、キー同士の間隔を離して入力しやすくしたという新設計のキーボードを採用しており、スタミナと使い勝手にも配慮している。
今回はEee PC 1000HEを既存のAtom N270搭載機と比較しながら、仕様の変更点とそれがもたらす効果、そして製品自体の実力をチェックしていく。
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多彩な製品ラインアップを誇るEee PCシリーズにおいてEee PC 1000HEは、2008年10月に発売された10型ワイド液晶ディスプレイと160GバイトHDDを搭載したモデル「Eee PC 1000H-X」の強化版に位置付けられる。1000H-Xは、Atom N270採用の第1弾モデル「Eee PC 901-X」とともに第2世代のEee PCに該当し、その後にボディのデザインと薄型軽量を追求した第3世代Eee PC「Eee PC S101」が登場したことは記憶に新しい。
今回発売される1000HEは、1000H-Xのボディをベースに、CPU、バッテリー、キーボードを変更した構成で、見た目は第2世代Eee PCの改良版といった印象を受ける。本体サイズは266(幅)×191.2(奥行き)×28.5〜38(高さ)ミリ、重量は約1.45キロとなっており、Netbookにしては大きめのサイズと重さは1000H-Xと同じだ。
HDD搭載のEee PCとしては、2009年2月に発売されたばかりの「Eee PC S101H」と「Eee PC 1002HA」のほうが、薄型軽量かつスタイリッシュな仕上がりだが、CPUの性能とバッテリー駆動時間では1000HEのほうが勝っており、キー間隔を離した新設計のキーボードという目新しさもある。それでいて、価格は4万7800円と低価格だ。
そのバッテリーだが、1000H-Xは容量7.4ボルト 6600mAhの6セルリチウムイオンバッテリーを採用し、約6.9時間の連続駆動をうたっているが、1000HEではバッテリー容量が7.4ボルト 8700mAhに増量され、公称の駆動時間は前述の通り約9.3時間まで延びた(バッテリー駆動時間テストの結果は後編で掲載)。標準でこれほど長時間のバッテリー駆動が行えるのは大きな魅力だ。
小型軽量のACアダプタは健在で、電源ケーブルが海外向けの太い3ピンタイプ(ミッキータイプ)ではなく、日本向けに細い2ピンタイプ(メガネタイプ)を採用しているのはうれしい。パッケージに付属するUSB接続の光学式マウスやソフトケースも1000H-Xと同じものだ。
ボディのカラーについては、従来のパールホワイトとファインエボニー(黒)に、日本限定色のシルバーを加えた3色展開となった。目新しさを求めるなら、シルバーを選ぶといいだろう。
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