Atom N280×9.3時間駆動の新鋭Netbook――「Eee PC 1000HE」に迫る(後編)そのスタミナは本物か!?(1/3 ページ)

» 2009年04月06日 16時10分 公開

後編は「Atom N280」以外の特徴を検証する

「Eee PC 1000HE」のOffice非搭載/パールホワイトモデル。価格は4万7800円

 「Eee PC 1000HE」はASUSTeK Computer(ASUS)が4月4日に国内販売を開始したNetbookの新モデル。2008年10月に発売された10型ワイド液晶ディスプレイ搭載機「Eee PC 1000H-X」をベースに、最新CPUのAtom N280(1.66GHz/システムバス667MHz)と新設計のキーボードを採用し、Eee PCシリーズ最長となる公称約9.3時間のバッテリー駆動時間を確保しているのが特徴だ。

 先に掲載したレビューの前編では、1000HEのボディサイズや重量、基本スペック、拡張性、そして他社に先駆けて搭載しているAtom N280のパフォーマンスを確認した。

 今回の後編では、バッテリー駆動時間、ボディの発熱および騒音といった各種テストを実施し、キーボードとタッチパッドの使い勝手、液晶ディスプレイの表示品質もチェックする。特に1000HEの特徴である長時間のバッテリー駆動と、新型のキーボードに注目してほしい。

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さらに磨きがかかったスタミナ

 前編でも触れたが、1000HEは従来モデルの1000H-Xと同じボディサイズながら、標準バッテリーの容量を増やすことで、公称約9.3時間ものバッテリー駆動時間を確保している。コストパフォーマンス重視のNetbookにあって、標準バッテリーでこれほど長時間のバッテリー駆動時間をウリにした製品は他に類を見ない。ちなみにEee PCシリーズでは、2008年7月に発売された「Eee PC 901-X」が公称で約8.3時間と1000HEに次ぐ長時間のバッテリー駆動をうたっている。

 ここでは、実際にバッテリー駆動時間のテストを2つ実施した。1つは無線LAN接続でWebブラウズする場合を想定し、「BBench 1.01」(海人氏作)を用いて10秒ごとにキーボード入力、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるWebサイト巡回(10サイト)を行う設定でテスト。もう1つは動画コンテンツの視聴を想定し、ビットレート約3Mbps/解像度640×480ドットのWMVファイル(CPU負荷率は30〜40%程度)を全画面で再生し続けた。

 1000HEはEee PCシリーズおなじみの省電力機能「Super Hybrid Engine」を備えており、CPUの動作周波数や電圧、液晶ディスプレイの輝度を調整する複数の動作モードを状況に応じて切り替えて、パフォーマンスの向上や消費電力の低減を図ることができる。キーボード上部のボタンを押すたびに、Super Performance、High Performance、Power Saving、Autoといった動作モードの切り替えが可能だ。

白が1000HE用のバッテリー(7.4ボルト 8700mAh)、黒が1000H-X用のバッテリー(7.4ボルト 6600mAh)で、形状は同じだが、容量が異なる(写真=左)。「Super Hybrid Engine」の動作モードの切り替え時は、画面上に「Super Performance」などの設定が表示される(写真=右)

バッテリー駆動時間のテスト結果

 テスト時におけるSuper Hybrid Engineの動作モードは、ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時でパフォーマンスが自動的に変化するAutoの設定だ。液晶ディスプレイの輝度は上限まで上げ、無線LANとBluetoothはどちらもオン、音量は最大値の半分(ヘッドフォン接続)とし、バッテリーが満充電の状態から残量が完全になくなりシャットダウンするまでの時間を計測している。

 結果は期待通りで、かなり長時間のバッテリー駆動が可能だった。バッテリーを消費しやすい動画の連続再生では5時間43分、一般的なインターネット利用状況を模したBBench 1.01では7時間26分もの連続駆動が行えた。

 Netbookとしては1000H-Xのスコアもよいほうだが、1000HEはCPUの高速化によってパフォーマンスを底上げしていながら、バッテリー駆動時間を大幅に延ばしている点に注目したい。以前からEee PCシリーズがこだわり続けている長時間のバッテリー駆動は、1000HEによってさらに磨きがかかった印象だ。

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