日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月6日、インテルの新Xeonプロセッサーを搭載するデスクトップ型ワークステーション(WS)の新シリーズ「Z Workstation」3機種を発表した。
今回、WS製品のラインアップを、プラットフォームやボディデザインを含む仕様とともにシリーズ名称も一新。従来のxwシリーズから、“究極のパフォーマンス”を意味する「Z」を冠し、さらなるWS分野のシェア拡大を図る。医療やオイル・ガス分野、ハイエンドデジタルコンテンツ制作などのプロフェッショナル用途を想定するハイエンドモデルの「HP Z800 Workstation」(HP Directplus価格で21万円から 以下、Z800)、金融やCAD分野などを想定するミドルレンジの「HP Z600 Workstation」(同、17万6400円から 以下、Z600)、エントリーCADやビデオ編集、Webデザインといった分野を想定するエントリーレンジの「HP Z400 Workstation」(同16万5900円から 以下、Z400)の3機種で展開。搭載CPUやメモリ、HDD容量、グラフィックスカード、プリインストールOSなどを選択できるCTOオプションを用意する。
中でも「Z800」は、インテルの新XeonプラットフォームとBMW Group designworksUSAとコラボレートした新デザインのボディを採用するハイエンドモデル。最大192GバイトのDDR3メモリと最大7.5TバイトのHDDを搭載できる「業界で最も美しく、拡張性の高いマシン」(日本HP ワークステーションビジネス本部の小島順本部長)として展開する。
チップセットにIntel 5520を採用し、Xeon 5500番台を2基搭載可能。DDR3対応スロットを12本、Serial ATAあるいはSerial Attached SCSI対応HDDを最大5基、拡張スロットはPCI Express x16スロットが2本、PCI Express x8スロットが2本、PCI Express x4スロットが2本、PCIスロットが1本の計7本。電源効率88%の“80 PLUS SILVER”認証を取得した大容量の1110ワット電源を備え、Quadro FX5800のNVIDIA SLI構成にも余裕をもって対応する。
OSは64ビット版を含むWindows Vista Bisiness/XPのほか、OSなしモデルを用意。OSなしモデルはFreeDOSとLinuxインストーラキットが付属する。好みのLinuxディストリビューションを選びたいユーザーニーズやWindowsのコーポレートライセンスがあり、導入コストを抑えたい企業ニーズに応えた。
新たに設計したZ800のボディは、内部構造をモジュラー化とケーブルレス化により優れたエアフロー特性とメンテナンス性を両立させ、最新アーキテクチャによる高いパフォーマンスと長期間安定して稼働することが求められるプラットフォームとして不安を生じさせない仕様に仕上げた。電源ユニット、CPU+メモリ、HDD+拡張カードの各収納スペース別に気密性の高いカバーで分断し、それぞれが他パーツの熱の影響を受けない構成を実現。これにより、冷却ファンの駆動音も大きく低減するという。
外装デザインにも、カーボンブラックを基調とするフロントパネルとヘアライン仕上げのアルミサイドパネルを含め、BMW Group designworksUSAとのコラボで実現する“機能美”や“所有満足度”を満たす演出を施した。Z800とZ600は、設置や配置変更・移動を容易にするビルトインハンドルも装備。新設したハンドルもボディの内部に収めるデザインに仕上げたことで、従来モデルと同様にオプションのラックマウントキットを利用するラックマウントも可能とした。
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