日本エイサーは4月15日、先日北京で行われた報道関係者向けイベント「sign.of.the.time」を受けて、日本市場における事業戦略の説明と、2009年夏に投入予定の新製品群を披露する「Acer Mobile Computing in Tokyo」を実施した。
日本エイサー代表取締役社長ボブ・セン氏は冒頭のあいさつの中で、昨今の世界的な景気後退によるPC市場への影響について言及し、「PCの販売・製造はこれからよりいっそう厳しくなるだろう。いまPCは進化を求められている」としたうえで、同社が2008年から繰り返し掲げてきた「2011年までに日本市場でトップ5のメーカーに成長する」という目標を改めて強調した。その施策として同社が推し進めているのがマルチブランド戦略だ。
マルチブランド戦略では、顧客層をその特性によってセグメント化し、それぞれの層に向けて、Acer、Gateway(ヨーロッパではPackard Bell)、eMachinesの3ブランドで製品展開を行う。また、ワールドワイドの戦略では顧客層を6つに分けていたが、日本市場では8つの層に細かく分けた独自のセグメント化をしているという。
同社の説明を要約すると、Acerブランドが目指すのは、最新技術に敏感なITリテラシーの高い層、Gatewayはブランド志向でファッションやデザインを重視する層、eMachinesはコストパフォーマンスを求める層、という分類になるようだ。その中でボブ・セン氏は、“Value for Money”(価格に見合う価値、製品)という概念の重要性を強調し、「ただブランドを増やすだけでなく、顧客が抱える幅広いニーズに応えられる製品展開を行っていく」と述べ、さらなるシェア拡大に向けて意欲を見せた。
なお、今回の発表会では「Aspire Timeline」や「AspireRevo」、11.6型液晶を搭載する「Aspire one Ultra」などの国内投入予定はアナウンスされなかったが、近く詳細な情報を公開すると予告している。
“本命”のAspire Timelineについては発表が見送られたものの、発表会場には夏商戦に向けて国内市場に投入される各ブランドのノートPCが多数展示されていた。順を追って見ていこう。
まずはAcerブランドの製品から。北京での取材でも取り上げたように、Acerからは人気のNetbook「Aspire one」の第3世代にあたる「Aspire one D250」が4月24日より順次発売される。実売価格は標準モデルが4万9800円前後、Office Personal 2007(SP1)をプリインストールしたモデルが5万9800円前後になる見込みだ。
Aspire one D250は、10.1型ワイド液晶を搭載したNetbookで、基本システムにAtom N280(1.66GHz)とIntel 945GSE Expressチップセットの組み合わせを採用する。1024×600ドット表示の液晶ディスプレイをはじめ、1Gバイトのメモリ容量や160GバイトのHDD容量、30万画素Webカメラ、IEEE802.11b/g対応の無線LANといった機能は「Aspire one D150」と同じだが、新設計のボディにより、本体の厚さが約33.4ミリから約25.4ミリへ薄型化、重量も約1.18キロから約1.07キロへと軽量化している。また、Aspire one共通の6セルバッテリーを装着すれば、バッテリー駆動時間を約7.5時間まで延ばせるようになった(標準の3セルバッテリー使用時は約3.5時間)。OSはWindows XP Home Edition(SP3)。カラーバリエーションは、「サファイア・ブルー」「シーシェル・ホワイト」「ダイアモンド・ブラック」「ルビー・レッド」の4色が用意される。
なお、Aspire one D250の発売にあわせて、4月24日から5月10日までJR新宿駅とJR秋葉原駅の構内に、Aspire one D250の実機を試せるタッチ&トライスペースが設置される予定だ。
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