Acerが2009年4月に発表したAspireRevoは、NVIDIA ION(ION)プラットフォームを採用した初めての製品として注目を集めている。2008年の12月にNVIDIAがAtomへの対応を発表してから半年もかかったが、ようやくインテル以外のAtomプラットフォームが市場に登場する。
NVIDIAはIONのアドバンテージとして、グラフィックス周辺のパフォーマンスと機能をアピールしている。すでに、NVIDIAがAsripreRevoを使った実働デモで、グラフィックス関連の高い性能を紹介しているが、ここでは、AspireRevoを実際に用いて、Blu-ray Discに収録されたコンテンツの再生をしたときの挙動や、インテルプラットフォームを採用したNetbookやNettopと比較したベンチマークテストの結果などから、NVIDIAが訴求する「IONのアドバンテージ」を検証していく。
AspireRevoのボディサイズは30(幅)×180(奥行き)×180(高さ)ミリで、ボディ内部の容量は1リットルとかなり小さくまとまっている。ボディが小さいだけあって、内部に光学ドライブを搭載する余裕がない。そのため、Blu-ray Discドライブを利用するためには、外付けのドライブを別途用意しなければならない。今回の評価作業では、Buffaloの「BR-H816SU2」を接続してBlu-ray Discコンテンツを再生している。
こうした外部周辺機器の接続や大画面ディスプレイを接続するために、AspireRevoには多彩なインタフェースが用意されている。スタンドを取り付ける底面以外の3つの側面に、eSATA、4-in-1カードリーダ(SDメモリーカード、MMC、xDピクチャーカード、メモリースティック対応)、USB 2.0が6つ(コーナーに1つ、コーナー脇の側面に1つ、バックパネルに相当する側面に4つ)、1000BASE-Tに対応する有線LAN、そして画面出力としてHDCP対応のHDMIとアナログRGB出力がそれぞれ1つずつ用意されている。
先ほども述べたように、光学ドライブは本体に内蔵せず、USB 2.0、もしくはeSATAに接続して使うことになる。本体に搭載するデータストレージとしては、250GバイトまでのHDDが用意されることになっているが、評価用のサンプル機材には2.5インチサイズ、厚さ9.5ミリ、容量160Gバイト、5400rpmの東芝製「MK1652GSX」が搭載されていた。なお、OSにはWindows Vista Home Premium (SP1)を導入する。
NVIDIAが2008年に提唱したIONプラットフォームは、CPUのAtomシリーズとチップセットの“ION”で構成される。「ION」チップセット(正式の名称は“ION Graphics Prosesor”とされている)は、グラフィックスコアとしてGeForce 9400を統合する。ここが、インテルのNetbook、Nettop向けAtom対応プラットフォームを構成する「“Diamondville”Atom+Intel 945GSE Expresss」の組み合わせとの最も大きな違いになる。
IONに統合されたグラフィックスコアのスペックは、NVIDIAの資料によるとコアクロックが450MHz、シェーダユニットクロック1100MHzとなり、統合型シェーダユニットを16個搭載とされている。IONが対応するメモリ規格はDDR3-1066とDDR2-800だが、今回評価したAspireRevoにはDDR2-800が2Gバイト搭載されていた。メモリの容量で正式に2Gバイトをサポートしている点もIONのアドバンテージといえるだろう。
IONの主要な仕様 | |
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メモリ | DDR3-1066/DDR2-800 |
統合型シェーダユニット | 16 |
コアクロック | 450MHz |
シェーダクロック | 1100MHz |
PCI Expressレーン | 20レーン |
(PCI Express X16スロット) | 1 |
(PCI Express X1スロット) | 4 |
Serial ATA | 6 |
USB 2.0 | 12 |
PCI スロット | 5 |
ネットワーク | 10/100/1000 |
RAID | 0/1 |
画像出力 | HDMI、デュアルリンクDVI、アナログRGB |
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