「AspireRevo」と「ION」でAtomの可能性を検証する(1/3 ページ)

» 2009年04月28日 12時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
IONプラットフォームを採用したAtom 230搭載マシンの「AspireRevo」

 Acerが2009年4月に発表したAspireRevoは、NVIDIA ION(ION)プラットフォームを採用した初めての製品として注目を集めている。2008年の12月にNVIDIAがAtomへの対応を発表してから半年もかかったが、ようやくインテル以外のAtomプラットフォームが市場に登場する。

 NVIDIAはIONのアドバンテージとして、グラフィックス周辺のパフォーマンスと機能をアピールしている。すでに、NVIDIAがAsripreRevoを使った実働デモで、グラフィックス関連の高い性能を紹介しているが、ここでは、AspireRevoを実際に用いて、Blu-ray Discに収録されたコンテンツの再生をしたときの挙動や、インテルプラットフォームを採用したNetbookやNettopと比較したベンチマークテストの結果などから、NVIDIAが訴求する「IONのアドバンテージ」を検証していく。

小さなボディに多彩なインタフェースを搭載したAspireRevo

 AspireRevoのボディサイズは30(幅)×180(奥行き)×180(高さ)ミリで、ボディ内部の容量は1リットルとかなり小さくまとまっている。ボディが小さいだけあって、内部に光学ドライブを搭載する余裕がない。そのため、Blu-ray Discドライブを利用するためには、外付けのドライブを別途用意しなければならない。今回の評価作業では、Buffaloの「BR-H816SU2」を接続してBlu-ray Discコンテンツを再生している。

 こうした外部周辺機器の接続や大画面ディスプレイを接続するために、AspireRevoには多彩なインタフェースが用意されている。スタンドを取り付ける底面以外の3つの側面に、eSATA、4-in-1カードリーダ(SDメモリーカード、MMC、xDピクチャーカード、メモリースティック対応)、USB 2.0が6つ(コーナーに1つ、コーナー脇の側面に1つ、バックパネルに相当する側面に4つ)、1000BASE-Tに対応する有線LAN、そして画面出力としてHDCP対応のHDMIとアナログRGB出力がそれぞれ1つずつ用意されている。

 先ほども述べたように、光学ドライブは本体に内蔵せず、USB 2.0、もしくはeSATAに接続して使うことになる。本体に搭載するデータストレージとしては、250GバイトまでのHDDが用意されることになっているが、評価用のサンプル機材には2.5インチサイズ、厚さ9.5ミリ、容量160Gバイト、5400rpmの東芝製「MK1652GSX」が搭載されていた。なお、OSにはWindows Vista Home Premium (SP1)を導入する。

AspireRevoに用意されたインタフェース。180×180×30ミリの超小型のボディに6つのUSB 2.0、eSATA、ギガビットLAN、そしてアナログRGB出力とHDMI出力が搭載されている。ただし、光学ドライブを内蔵するスペースはなく、Blu-ray Discなどを利用する場合はUSB 2.0かeSATAに外付けドライブを接続することになる

AtomでGeForceの性能と機能を利用する

 NVIDIAが2008年に提唱したIONプラットフォームは、CPUのAtomシリーズとチップセットの“ION”で構成される。「ION」チップセット(正式の名称は“ION Graphics Prosesor”とされている)は、グラフィックスコアとしてGeForce 9400を統合する。ここが、インテルのNetbook、Nettop向けAtom対応プラットフォームを構成する「“Diamondville”Atom+Intel 945GSE Expresss」の組み合わせとの最も大きな違いになる。

 IONに統合されたグラフィックスコアのスペックは、NVIDIAの資料によるとコアクロックが450MHz、シェーダユニットクロック1100MHzとなり、統合型シェーダユニットを16個搭載とされている。IONが対応するメモリ規格はDDR3-1066とDDR2-800だが、今回評価したAspireRevoにはDDR2-800が2Gバイト搭載されていた。メモリの容量で正式に2Gバイトをサポートしている点もIONのアドバンテージといえるだろう。

NVIDIAが示したIONの構成。ION Graphics ProcessorはGeForce 9400を統合するほか、PCI Express X16スロットを1つサポートする。ただし、AspireRevoは内部にアクセスすることができないため、外付けのグラフィックスカードを後付することは不可能だ

IONの主要な仕様
メモリ DDR3-1066/DDR2-800
統合型シェーダユニット 16
コアクロック 450MHz
シェーダクロック 1100MHz
PCI Expressレーン 20レーン
(PCI Express X16スロット) 1
(PCI Express X1スロット) 4
Serial ATA 6
USB 2.0 12
PCI スロット 5
ネットワーク 10/100/1000
RAID 0/1
画像出力 HDMI、デュアルリンクDVI、アナログRGB
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
  1. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  2. ノートPCに外付けキーボードを“載せて”使える「タイプスティックス/打ち箸」に新色 (2024年04月18日)
  3. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  4. さらなる高速化を実現! PCI Express 5.0接続SSDの新モデル「Crucial T705」を試して分かったこと (2024年04月18日)
  5. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  6. アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す (2024年04月17日)
  7. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー