mbook M1のキーボードと液晶ディスプレイをチェックする大型連休連続レビュー第2回(1/2 ページ)

» 2009年05月05日 11時00分 公開
[山田道夫,ITmedia]

300グラム前半でも1キロクラスNetbookに負けない構成

 158(幅)×94.1(奥行き)×18.6(厚さ)ミリ、重さ315グラムのボディサイズのPCとなると、熱設計の制約もあって搭載できるパーツの構成にはかなりの制約があると思われる。しかし、mbook M1に実装された主要なパーツを確認してみると、CPUは、“Silverthorne”Atomの1.1GHz、または1.33GHz動作のモデル(それぞれAtom Z510、Atom Z520と思われるが、具体的な記載がUMIDの資料にない)を搭載し、チップセットには、 Intel GMA 500を統合したUW15Sを採用するなど、1キロくらすのNetbookに負けていない。

 タッチパネルを組み込んでいる液晶ディスプレイのサイズは4.8型ワイドだが、その解像度は1024×600ドットと、こちらも8.9〜10.1型ワイドのディスプレイに相当する。システムメモリはDDR2-533で512Mバイトと1Gバイトのモデルが用意されているほか、データストレージとして搭載するSSDでも16Gバイトモデルと32Gバイトモデルがある(なお、1Gバイトモデルはまだ出荷されていない。2009年中に登場する予定とされている)。

 ボディに用意されたmicroSDリーダでは、(UMIDの資料では記載されていないものの)筆者の所有するSDHC 16Gバイトのメディアも特に問題なく利用できた。無線接続では、IEEE802.11b/gに対応するほか、Bluetoothも利用できる。UDMIの資料では、HSDPAとWiMAXが利用でき、USIMも実装可能との記述があるが、筆者が韓国から取り寄せだモデルではいずれも実現されていない。また、ノートPCでは珍しいmini USB(mini B)もボディに搭載している。

 なお、UMIDの資料ではWebカメラも搭載することになっているが、これはAtom 1.33GHz搭載モデルのみで、Atom 1.1GHz搭載モデルにはWebカメラが搭載されない。また、mbook M1にはデジタルテレビチューナーとそのアンテナが搭載されていて「DMB/DVB-T/ISDB-T/ワンセグ」に対応するものの、筆者が取り寄せた韓国向けモデルでは韓国のDMBにだけ対応している。

 導入されているOSは、韓国版のWindows XP Home EditionとLinuxが選べる。なお、先ほど紹介したように、CPUとSSDが異なるモデルがいくつか用意されているが、Atom 1.3GHzとSSD32Gバイトを搭載したモデルでは、Linux版しかない。

 筆者は、Atom 1.1GHzとSSD16Gバイトを搭載して韓国版Windows XP Home Editionを導入するモデルを購入したが、2009年4月下旬ではLinux版が安いことと、ほとんどの日本人ユーザーは日本語版のWindows XPをインストールすることになるだろうから、これから購入を考えているならば、Linux版を選ぶのがいいだろう。

4.8型ワイドで1024×600ドット表示というmbook M1の視認性は?

 4.8型ワイドの液晶ディスプレイで1024×600ドット表示ができるだけでなく、タッチパネルも組み込んでいるということで、多くの人は、その視認性を不安に思うかもしれない。確かに、表示されるアイコンやフォントのサイズは小さく、細かい文字が見えにくくなってきた筆者の目には厳しいものがあるのも事実だ。ただ、ディスプレイが明るく、表示もくっきりとしているため、フォントのサイズを調整すればたいぶ見えやすくなる(ただし、筆者の使っている機材では、液晶ディスプレイの下部に輝度ムラがあった)。

 液晶ディスプレイの表示は明るく、室内での視認性に優れているが、筆者が晴天の直射日光でmbook M1を使ったときは、最大輝度でもディスプレイの表示を確認するのに苦労した。mbook M1の液晶パネルは透過型液晶であるため、直射日光下で見えにくいのはやむを得ないところだ。ただ、自分の影にmbook M1を入れてみるなどの、ちょっとした工夫で問題なく見ることが可能になる(記事掲載当初、液晶パネルのタイプを誤って記述していました。おわびして訂正いたします)

 なお、バックライトの輝度は「Fn」キーと「G」キー、「H」キーの組み合わせで変更できる。液晶ディスプレイにタッチパネルを組み込んでいるが、それ以外のポインティングデバイスがmbook M1には用意されていないため、マウスカーソルの操作では工夫が必要だ。キーボードと組み合わせるか、ユーティリティソフトなどを使って補うかしかない。筆者は、スタイラスと、ユーティリティソフトを必要に応じて使い分けている。

液晶ディスプレイ。液晶ディスプレイは、輝度が高く表示もくっきりとしている。さすがに白昼の直射日光の下で見るのは難しいが、自分の影にディスプレイ入れてやれば問題ない(写真=左)。付属のユーティリティソフトでバックライトの輝度の変更が可能。「Fn「キーと「G」キー、「H」キーを組み合わせて押すと、画面左上に輝度のレベルを知らせるバーが表示される(写真=右)

両手の親指で自然に打てるキーボード

 キーボードは56キーある。筆者が購入した韓国語版では、英字キーと記号、コマンドのほかにハングルの一部が記載されていている。筆者は、すでに慣れてしまったのもあるかもしれないが、記号なども特に間違えないで入力している。「Fn」キーとのコンビネーションでファンクションやCaps Lock、PgUp、PgDn、Home、Endなどが入力可能だ。先の紹介しているように、「Fn」キーと組み合わせで輝度、音量、ミュートの設定や、サスペンドモードへの移行、バッテリー残量の表示などもできる。

 キーボードは両手の親指を使って無理なく入力できる。指が細ければ、テーブルにmbook M1を置いて3本指タイピングができるかもしれない。押したときにぐっと沈み込むが、クリック感があって不快ではない。

 キーボードの右上には電源ボタンと無線LANとBluetooth兼用のオン/オフボタンがある。電源ボタンを押したときの反応がやや鈍いときもあるが特に困ることもない。無線LANとBluetooth兼用のオン/オフボタンは頻繁に利用することになるが、これは、サスペンドモードから復帰すると無線LANもBluetoothも必ず電源オフの状態になっているためだ。また、無線LANとBluetoothの電源は、同時にオンにするか同時にオフにするかしかない。なお、外国から個人で輸入した機器を使って、日本で無線LANとBluetoothを利用するのは違法となる可能性もあるので注意が必要だ。

mbook M1のキーボードは56キーなので、「Fn」キーとのコンビネーションが多いのはやむを得ない。カーソルキーが独立しているため、小さいながらも意外と使いやすい(写真=左)。mbook M1のキー入力は「両手で持って親指タイプ」が基本だ。ほとんどのキーが両手の親指でカバーできるので入力しやすい(写真=右)

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