Windows 7 RCの注目機能「XPモード」と「リモートメディアストリーミング」を試すこれでXPと決別できる!?(3/3 ページ)

» 2009年05月07日 18時30分 公開
[織田薫,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

モバイルをより楽しくさせる「リモートメディアストリーミング」

 リモートメディアストリーミングは、Windows Mediaライブラリをインターネット経由で簡単に共有できる機能だ。Windows Media Playerには、従来から動画や静止画、音楽といったライブラリを共有する機能が用意されていたが、同一LAN内でしか実現できなかった。Windows 7のWindows Media Playerは、リモートメディアストリーミング機能でWindows Live IDのオンラインIDと、Windowsのユーザーを結びつけることにより、インターネット経由で安全にライブラリを共有できる。

 仕組みの詳細は公開されていないが、同一のオンラインIDを持つユーザー同士が、サーバを経由してローカルPCの情報を交換し、ライブラリの再生はHTTPSで直接通信を行うようだ。

 家庭内のPCは、ブロードバンドルータ配下にあるのが一般的で、通常インターネットからは直接アクセスできない。そのため、音声通信やファイル送受信のように、負荷の高い通信を行うアプリケーションは、UPnP機能を利用してブロードバンドルータのポートをオープンすることがある。リモートメディアストリーミングもUPnP機能を利用していると思われるのだが、検証した環境ではUPnP機能を有効にしてもインターネット経由でライブラリを共有できなかった。

 ブロードバンドルータのUPnP機能は、セキュリティ上の問題も指摘されているため、無効にしている人もいるだろう。UPnP機能がない環境でも利用できるように、手動でブロードバンドルータを設定する方法も用意されており、いろいろな環境で利用可能になっている。

接続状況の確認や、ポートフォワードの設定を行うための情報もきちんと表示できる。自動的に設定を行える環境がすべてではないので、手動で設定できるのはうれしい

リモートメディアストリーミングの利用法

 リモートメディアストリーミングを利用するには、Windows Media Playerの「ストリーム」メニューから「ホームメディアへのインターネットアクセスを許可」という設定を選べばよい。インターネットアクセスを許可するには、WindowsユーザーとオンラインIDのリンクが必要だ。

 WindowsのユーザーとオンラインIDをリンクしていない場合は、設定画面からリンクの設定が行える(コントロールパネルのユーザーアカウントでも設定可能)。現在のところ、オンラインIDとして利用できるのは、Windows Liveのみだ。オンラインプロバイダは追加可能なので、将来的には別のオンラインIDも利用できるようになるかもしれない。

 オンラインIDをリンクしたら、ホームメディアへのインターネットアクセスを許可できるようになる。もちろん、ライブラリを共有するためには、複数台のPCで設定を行うことが必要だ。設定を行えば、自動的にWindows Media Playerの「その他のライブラリ」メニューに同じIDでログインしているPCのライブラリが表示される。ここで再生したい動画や静止画、音楽を選択すれば、ローカルPCにあるコンテンツと同じようにWindows Media Playerで再生できる仕組みだ。

ホームメディアへのインターネットアクセスを許可するためには、WindowsのユーザーにオンラインIDをリンクする必要がある。メニューの一部が英語表記になっているのは、RC版だからだろう。オンラインIDをリンクしている場合は、アクセスを許可するだけで設定は完了だ

リモートメディアストリーミングの使用例。同じオンラインIDを持つユーザーが公開しているライブラリがある場合は、Windows Media Playerの「その他のライブラリ」に表示される

 リモートメディアストリーミングは、インターネット経由だけでなく、ローカルLANでも利用できる。LAN内で2台のPCに設定を行ったところ、自動的に他方のライブラリの情報も表示された。

 インターネット経由で利用する場合のパフォーマンスは、それぞれのPCが直接通信を行っているため、インターネット接続回線の能力に依存する。今回検証した環境では、Windows 7のサンプルとして用意されている動画や音楽はストレスなく再生できた。

 気になるのは、著作権保護されたファイルの扱いだろう。マイクロソフトはWindows Media DRMで保護されたコンテンツであれば、リモートメディアストリーミングで再生できるとしている。今回は試しに、音楽CDをリッピングするときにWindows Media Playerで保護を行ってみたが、同一LAN内で再生する場合は、著作権をダウンロードするウィンドウが表示され、ダウンロードすると再生できた。一方、インターネットを経由した場合は不明なエラーが発生し、検証した環境では再生ができなかった。通信方式は同じはずだが、利用可能なプロトコルなどが異なるためかもしれない。

 なお、WindowsのユーザーとオンラインIDを結びつける「Windows Live ID サインインアシスタント」は、Windows XP/Vista/7で利用可能だが、リモートメディアストリーミングを行えるのは、Windows 7のWindows Media Player同士に限られる。また、Windows 7 Starter/Home Basicではサポートしない。

 リモートメディアストリーミングは、再生可能なファイルの条件など、詳しい仕様はまだ不明だが、外出先から自宅のコンテンツを手軽に利用できる手段として、製品版での仕上がりが楽しみな機能だ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー