レノボのIdeaPadシリーズは、“コンシューマー”向けノートPCラインアップだ。特に、IdeaPad S10e(S10e)シリーズは、レノボのNetbookというだけでなく、日本のコンシューマー市場にレノボが初めて参入するために投入したモデルとしても注目を集めた。このように、S10eシリーズは、レノボ・ジャパンに大きな変革をもたらす戦略的な製品として、発表会を行うなど大掛かりなプロモーションを行ったが、その一方で、レノボが日本市場で投入するNetbookの第2弾として2009年の3月9日に発表された「IdeaPad S9e」は、非常にさりげなく、静かに登場した。
S9eは、その型番からS10eのバリューモデルに位置付けられるラインアップと見ることができる。搭載する液晶ディスプレイのサイズが、S10eで10.1型ワイドであるのに対して、S9eでは8.9型ワイドに抑えられているだけでなく、実売価格を比べてみても、S10eがほぼ4万5000円前後(レノボ・ジャパンのダイレクト価格では4万9980円)であるのに対して、S9eは4万円前後と安い(+D Shopiingにおける平均実売価格の比較)。
しかし、S10eとS9eのスペックをよく比較してみると、S10eからS9eで性能がダウンしているのは液晶ディスプレイのサイズと搭載するWebカメラの有効画素数(S10eは130万画素、S9eは30万画素)ぐらいで、システムの構成などは両者でほぼ共通する。一部のスペックでは、グレードが向上しているぐらいだ。
“グレードアップ”しているのは、液晶ディスプレイの解像度とバッテリー駆動時間だ。先に述べたように液晶ディスプレイはサイズが小さくなったものの、解像度は1024×600ドット(S10eは1024×576ドット)と縦方向が増え、バッテリー駆動時間も公称6.2時間とS10eから、1時間弱ほど延びた。
主要スペック | IdeaPad S9e | IdeaPad S10e |
---|---|---|
CPU | Atom N270(1.6GHz) | |
チップセット | Intel 945GSE Express | |
メモリ | 1Gバイト | |
HDD | 160Gバイト/5400rpm | |
ディスプレイ | 8.9型ワイド | 10.1型ワイド |
解像度 | 1024×600ドット | 1024×576ドット |
バッテリー駆動時間 | 6.2時間(6セル) | 5.3時間(6セル) |
サイズ | 250(幅)×196(奥行き)×22〜36(厚さ)ミリ | |
重さ | 1.30キロ | 1.38キロ |
OS | Windows XP Home Edition(SP3) | |
無線LAN | IEEE802.11b/g | |
Bluetooth | あり | |
内蔵カメラ | 30万画素 | 130万画素 |
液晶ディスプレイが小さくなっているので、本体も小さく軽くなったかと思いきや、本体サイズは250(幅)×196(奥行き)×22〜36(厚さ)ミリ、重さは1.30キロと、サイズはS10eとまったく同じ、重さは80グラム軽くなった程度とほとんど変わりない。ただ、そのおかげで、S10eで強く訴求していた「フルファンクションキーボードの85%サイズ」はS9eにも継承されている。S9eのキーボードを実測したところ、主要キーの横幅は約16.5ミリ、縦幅は約15ミリ確保されているほか、一部の記号キーで幅が12ミリと狭くなっているのはS10eと同じだ。ちなみに、カーソルキーのサイズは約14ミリ、Shiftキーは左が約25ミリ、右が約14ミリ。スペースバーの長さは57.7ミリとなる。
S10eが登場したときに、レノボ・ジャパンは「Netbookなのに充実したインタフェース」をアピールしていたのが、ボディサイズが同じS9eもS10eで採用されていた各種インタフェースを搭載している。左側面にはアナログRGB出力と4-in-1カードリーダ(レノボ・ジャパンは4-in-1としているが、対応するカードはSDメモリーカード、SDHCカード、メモリースティック、メモリースティックPROとなる)、1つのUSB 2.0が、右側面には有線LAN(10BASE-T、100BASE-TX対応)、ExpressCardスロット(/34のみに対応)、1つのUSB 2.0がそれぞれ用意される。このほかに、無線接続としてIEEE 802.11 b/gとBluetooth 2.1+EDRに対応するのもS10eと共通する。
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