2008年5月の「HP 2133 Mini-Note PC」を皮切りに、「HP Mini 1000」や「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」、そして「HP Pavilion Notebook PC dv2」と、精力的にNetbook/低価格ミニPCを投入しているのが日本ヒューレット・パッカードだ。その多彩なラインアップの中で、注目のモデルが「HP Mini 2140 Notebook PC」だ。
HP Mini 2140はHP 2133 Mini-Note PCの後継で、2009年2月にVIAベースからインテルのAtomにプラットフォームを一新して性能アップを実現したものの、画面解像度は1280×768ドットからアスペクト比16:9の1024×576ドットに下がってしまったが、海外では一足先に1366×768ドット対応の高解像度モデルやSSD搭載モデルが登場していた。そして、ようやく日本でも4月16日に受注が開始され、4月下旬には出荷が始まった。
HP Mini 2140 Notebook PC自体の詳細は下記の関連記事に譲り、ここではSSDを内蔵した高解像度モデルの実力や使い勝手をチェックした。
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まず、HP Mini 2140 Notebook PCのラインアップを整理しよう。2009年2月に一足先に登場した新2140は、従来の2133からプラットフォームを一新して高い性能を獲得した半面、画面解像度や一部のスペックがダウンしていた。その点、新たに追加された2モデルは、いずれも10.1型ワイドの1366×768ドット(米国版では10.1-inch diagonal Illumi-Lite LED HD)という高解像度ディスプレイを搭載し、メモリ容量も倍の2Gバイトになり、無線LANもIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠)と高速化してBluetooth 2.0+EDRも標準で内蔵するなど、2133のハイパフォーマンスモデルを超えるスペックを獲得したのが特徴だ。
また、2.5インチで7200rpmのHDDモデル(NW018PA#ABJ/容量は160Gバイト)に加え、容量80Gバイトのインテル製SSDモデル(NW020PA#ABJ)が登場したのも見逃せない。評価機に採用されていたSSDはインテル「X25-M Mainstream SATA SSD」と呼ばれるMLCタイプのNANDフラッシュメモリを備えた2.5インチドライブで、システムのプロパティからは「SSDSA2MH080G1HP」と認識されていた。公称の読み出し速度は最大250Mバイト/秒、書き込み速度が最大70Mバイト/秒という高速なSSDで、2008年9月の発売当初は圧倒的なパフォーマンスで他社のSSDをリードしていた。Atom N270(1.6GHz)を搭載したNetbookではCPUやチップセットなどがボトルネックとなっているものの、CrystalDiskMark 2.2.0のテストではMacBook AirやAdamoといったSSD搭載の高価なモバイルPCを、読み出し/書き込み速度両面で追い越す結果を残している。
なお、OSはWindows Vista Business(SP1)のダウングレード権を使ったWindows XP Professional(SP2)がプリインストールされている。リカバリDVD/CDで、それぞれのOS単体とドライバおよびアプリケーションがセットになったメディアが付属するのもうれしいところだ。
高解像度化を果たした液晶ディスプレイは、10.1型ワイドで1366×768ドットの解像度を備えている。画面の広さは、ソニーの「VAIO type P」が持つ8型ワイドの1600×768ドット表示にはかなわないが、フォントやアイコンが小さくて見づらいということはなく、10.1型ではベストバランスとも思える見やすさだ。左右の視野角は、やや色の反転が見られるものの不満を覚えるほどではなく、輝度は11段階に切り替えらる。
液晶ディスプレイはアクリル樹脂プロテクション・パネル(HPスクラッチ・レジスタント・ディスプレイ)で覆われているため、画面への映り込みは避けられないが、液晶ディスプレイ上部にはWebカメラに加え、ソフトラバー(HPパネルプロテクションシステム)があり、液晶自体へのキズや衝撃からカバーしてくれる。
細かいところでは、同社のNetbookであるHP Mini 1000やHP Mini 1000 Vivienne Tam Editionとは異なり、標準でアナログRGB出力を左側面に備えているので、簡単にデュアルディスプレイ環境を実現できるのもメリットだ。
次のページでは、ベンチマークプログラムを使ったパフォーマンスのチェックやバッテリー駆動時間、OSの起動時間やスタンバイ/休止状態への移行/復帰時間を見ていこう。
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